ZEHとは?ZEHにするメリットデメリットを解説します
最近、ニュースを見ていると「ゼロエネルギー住宅」や「ZEH(ゼッチ)」という言葉をよく耳にしませんか?
「エネルギーがゼロの住宅って、どういうこと?」と気になりつつも、ついつい調べることを怠っていた方もいるのではないでしょうか。
今回は、今話題の「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」についてご説明したいと思います。
ZEHとは?
ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の頭文字をとった略称で、エネルギー消費量が正味ゼロの住宅のことをいいます。
「ゼロエネルギー住宅」や「ゼッチ」と呼ばれることもありますが、同じ意味となります。
「ゼロエネルギー住宅」といいましたが、人間が生活している以上、住宅で消費するエネルギーが完全にゼロになるということはちょっと想像がつきませんよね。
ここでいう「ゼロ」とは、「完全にゼロ」ということではなく、「正味ゼロ」つまり「プラスマイナスゼロ」という意味です。
省エネをしっかり行うことでエネルギー消費量をできるだけ少なくした上で、それでも必要となるエネルギー消費量と同じ量のエネルギーを自ら生み出すことができる住宅を、ZEHと呼ぶわけです。
つまり、ZEHには、太陽光発電システムやエネファームなどのような、エネルギーを創る設備が必ずついているということになります。
ZEHが注目されている背景(政策目標・補助金など)
最近になってこれほどまでにZEHが注目されているのはなぜでしょうか?
それは、国が一所懸命、ZEHを普及させようと頑張っているからです。
国のエネルギー政策のベースとなる「エネルギー基本計画」には、次のような文章が明記されています。
……(中略)住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。
今から4年後の2020年までに、「標準的な新築住宅でZEHの実現を目指す」とあります。
さらに、2030年までには、「新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」と書かれています。
「標準的な新築住宅で」という表現と、「新築住宅の平均で」という表現のように、何となく違いがよくわからない言葉で書かれていますが、なんせ、国としてはZEHを浸透させていこうとしているのだなというのはわかりますね。
2020年までに目指す「標準的な新築住宅でZEHの実現」とは、経済産業省が発表したZEHロードマップによると、「ハウスメーカー、工務店等が作る新築住宅の過半数がZEH」とあります。
また、2030年までに目指す「新築住宅の平均でZEHの実現」とは、日本で建てられる新築住宅全体でエネルギー消費量「プラスマイナスゼロ」を目指すと考えて良いでしょう。
いずれにしても、これから新しく建てられる住宅は、どんどんZEHが主流になってくるということですね。
この動きを確かなものにするため、国は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」として、対象住宅に補助金を最大150万円出したり、蓄電システムなどの設備に補助金を最大50万円だすなど、金銭的な後押しをしています。
どうすればZEHになるのか?
エネルギー消費量をプラスマイナスゼロにするだけなら、太陽光発電をたくさん載せるだけで実現することも可能ですが、国が考えるZEHでは省エネが不可欠です。
具体的には、壁の断熱や、断熱性能の高い窓を導入することで、しっかりと断熱を施し、エネルギー消費量を基準値以下に抑えた住宅にしなければいけません。
また、エアコンや給湯器など、エネルギーをたくさん消費する住宅設備の省エネ性能を高める必要もあります。
その上で、太陽光発電システムやエネファームといった、創エネ設備を設置し、エネルギー消費量以上のエネルギーを生み出せるようにします。
つまり、「断熱」「省エネ」「創エネ」の3点セットをそろえることで、ZEHを実現するわけです。
これから建てる家をZEHにするメリット
これだけ話題になっているZEHも、住宅を買う人間にとってメリットがなければ、なかなか浸透しないことでしょう。
そこで、ZEHにするメリットを確認しておきたいと思います。
ZEHにするメリット①
ZEHにするメリットの一つ目は、ランニングコストを抑えられることでしょう。
エネルギー消費量が正味ゼロなわけですから、光熱費も正味ゼロにできる可能性があるわけです。
大き目の太陽光発電を設置した場合には、光熱費がかからず、むしろ売電収入で収支がプラスになることもあります。
何十年も生活をする住宅で光熱費がかからないというのは、本当に大きなメリットだと思います。
ZEHにするメリット②
今なら、ZEHにすると補助金が出ます。
これも大きなメリットです。
住宅購入は住宅ローンを組むことがほとんどですから、補助金でまとまった金額の現金が入ることは、購入者にとって大きなメリットと言えるでしょう。
蓄電池を設置する場合には蓄電池も補助金対象になりますので、一緒にご検討してみるのもおすすめです。
ZEHにするメリット③
昔の家は、冬になると、居室に比べて廊下や浴室が極端に寒くなることがあります。
そのため、「ヒートショック」と呼ばれる血圧の急激な変化が起こり、最悪の場合、死に至ることもあります。
一方、さきほどご説明したように、ZEHを実現するためには、しっかりと断熱することが欠かせません。
断熱がしっかりしている住宅は、建物全体が一定の温度で保たれやすくなります。
そのため、ヒートショックが発生する原因を取り除くことができるわけです。
ZEHにするメリットの一つとして、健康に暮らせることを挙げても間違いではないでしょう。
ZEHにするデメリット
ZEHにするメリットはわかっていただけたかと思います。
ただ、ZEHにするデメリットもご説明しておかなければいけないでしょう。
ZEHにするデメリットは、やはりイニシャルコストが高くなることです。
断熱性能を高めたり、省エネに優れた設備や創エネ設備を導入するには、普通の家を建てるよりも金額が高くついてしまいます。
場合によっては、金額が高くなることで、予算を超えてしまうこともあるかも知れません。
このあたりは、ZEHにするデメリットの一番に挙げられるものです。
もう一つ考えられるのは、まだ市場に十分ZEHが浸透していないため、ZEHを建てるハウスビルダー側が慣れていない可能性があります。
慣れていないものの施工には、不備が出てきてしまう可能性もあります。
今後、ZEHが当たり前になってくると気にする必要もなくなってきますが、現時点では、こういったことも、ZEHにするデメリットとして考える必要があるでしょう。
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