事業計画認定に伴う野立て太陽光発電のフェンスの設置は必要ですか?

Q
お客様からのご質問

ソーラーパートナーズ様

その節は大変お世話になりました。
現在、野立てで約48kWの太陽光発電をしています。

FIT法改正についてですが、3月4日の”【ソーラーパートナーズNEWS/Vol.392】資源エネルギー庁からのハガキが届いた!固定買取価格制度(FIT)の新制度って何の手続きをするの?”の記事を読んで安心していましたが先日施工業者から、
1.事業計画の提出
2.標識の表示義務
3.フェンスの設置義務(20kW以上が対象、ロープ不可、防獣フェンス可)
という内容の連絡がありました。

事業計画の提出については、今回に限り業者が代行してくれるそうです。
標識はなんとか自作できると思いますが、フェンスの設置義務はちょっと厄介です。
我が家のパネルは、四方を我が家の農地、および傾斜地に囲まれており、近づく人は居ませんし、設置すれば草刈り等の管理が難しくなってしまいますのでフェンスは設置しませんでした。
また、フェンスを設置しても、よじ登れば近づけないわけではありませんし、設置場所や高さによってはフェンスの陰がパネルに落ちて発電効率が落ちてしまいます。

疑問点
・事業計画はの提出は代行してもらうべきでしょうか、自分ですべきでしょうか?
・なんのためにフェンスの設置が必要なのでしょうか?
・フェンス(防獣フェンス)は必ず設置しなければならないのでしょうか?
・もし設置しなければならない場合、高さや強度等の規制はあるのでしょうか?

検索していたら
http://WWW.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_neW/saiene/kaitori/dl/fit_2017/faq.pdf
を見つけましたが、
1-13によれば、注意喚起する標識を別途設置すれば、必ずしもフェンスを設置しなくても良いでしょうか?
(ソーラーパネルの下は耕作していませんが、周りは畑で作物の蔓がパネルの近くまで伸びていくことはあり、フェンスの設置は営農上支障が生じます)

以上、よろしくお願いします。

A
ソーラーアドバイザーからの回答
回答者
中村雄介

ご質問ありがとうございます。
事業計画認定に伴う野立て太陽光発電のフェンスの設置は必要ですか?というご質問ですね。
いくつかご質問を頂いていますので、ひとつずつ回答していこうと思います。

  1. 事業計画はの提出は代行してもらうべきでしょうか、自分ですべきでしょうか?
  2. なんのためにフェンスの設置が必要なのでしょうか?
  3. フェンス(防獣フェンス)は必ず設置しなければならないのでしょうか?
  4. もし設置しなければならない場合、高さや強度等の規制はあるのでしょうか?

1.事業計画の提出は代行してもらうべきでしょうか、自分ですべきでしょうか?

事業計画の提出は、代行で問題ないと思います。
事業計画の手続き自体は大したものではないのですが、設備認定IDや売電先など、設置者の方になじみのない入力項目がありますので、代行してもらえるということであれば代行してもらったほうが手間が無く良いと思います。

2.なんのためにフェンスの設置が必要なのでしょうか?

こちらは資源エネルギー庁の事業計画策定ガイドラインに記載があります。

発電設備が健全な状態であれば、発電設備に触っただけでは感電することはないが、外観から異常を判断することは容易ではないため、発電設備が地絡などの異常状態にある場合には、第三者が感電等により被害を受けるおそれや、安定的な発電が阻害される可能性がある。そのため、FIT法において、この事業に関係ない者が発電設備にみだりに近づくことがないよう、適切な措置を講ずることが認定基準となっている。これらの危険を防止するためには、発電設備の周囲に柵や塀などを設置し、容易に第三者が発電設備に近づくことがないよう適切な措置を講ずることが必要である。

事業計画策定ガイドライン(太陽光発電) p.18|資源エネルギー庁

つまり目的は、発電設備に異常が起きて感電などの危険があるときに、何も知らない人が近づいてケガをしないようにすること、ですね。

3.フェンス(防獣フェンス)は必ず設置しなければならないのでしょうか?

原則として設置する必要がありますが、例外もあります。
事業計画策定ガイドラインにに表示されている例外を要約すると以下の通りです。

  • 屋根や屋上に発電設備を設置する場合
  • 第三者が発電設備に容易に近づくことができない場合
    (塀に囲われた庭に発電設備を設置する場合、河川や崖に面した場所に設置する場合等)
  • ソーラーシェアリングを実施している場合
    (容易に第三者が近づき事故等が起こることを防ぐため、発電設備が設置されていることについて注意喚起を促す標識を別途掲示するようにしてください。)

事業計画策定ガイドライン(太陽光発電) p.18|資源エネルギー庁

ただ、今回の場合は例外にあてはまりませんので、フェンスや塀・有刺鉄線などの設置が必要になります。

4.もし設置しなければならない場合、高さや強度等の規制はあるのでしょうか?

こちらも経済産業省が公表していますが、明確な規定はありません。

柵塀の素材は、ロープ等の簡易なものではなく、フェンスや有刺鉄線等、第三者が容易に取り除くことができないものを使用してください。また、第三者が容易に乗り越えられたり、柵塀の外部から発電設備に容易に触られたりしない高さ・距離で設置してください。

事業計画策定ガイドライン(太陽光発電) p.18|資源エネルギー庁

『容易に』の解釈が難しいところで、資源エネルギー庁からも明確な回答は得られませんでした。
ですが、目的から考えた解釈では、1m以上のフェンス、もしくは有刺鉄線などになると思います。

既に運転開始している発電設備等にも柵塀の設置は必要ですか。その場合、いつまでに設置すればいいですか。

ご質問にはなかったのですが期限は大事なことですので、資源エネルギー庁が掲載しているよくある質問から引用させていただきました。

平成28年度までに認定を受けた太陽光発電設備についても、新制度の基準が適用され、柵塀等の設置が必要です。この場合には、経過措置として新制度の施行から1年以内(平成30年3月まで)に設置を行ってください。

FAQ 1-14|資源エネルギー庁

つまり、設置済みの設備にも、1年以内(2018年3月31日までに塀・柵・フェンスなどを設置する必要があるということですね。

既に設置された方からすると、事業計画の提出は『寝耳に水』だと思いますが、太陽光発電が健全な状態で長期運用され、周辺住民にも迷惑のかからないものにするために、必要な処置などだと思います。

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