余剰売電の場合の基本料金を節約する方法はありますか?
お世話になります。
アパートの屋根に17kWのパネルをつけています。
セーフティネットの制度(http://WWW.minkan-safety-net.jp/ )を利用しているため全量売電ではなく余剰売電としています。
なので、共用廊下の夜間照明代を負担しています。
それが、導入前が1000円未満であったのが、基本料金の上昇により現在6400円ぐらいになっています。
これを節約する方法はありますでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
「余剰売電の場合の基本料金を節約する方法はあるのか?」とのご質問ですね。
全量売電で複数台のパワコンを設置している場合には、工夫の上で定額電灯ではない電力プランを選択することで削減できると以前お伝えしましたので、余剰売電の場合は可能なのか?とのご質問ということですね。
全量売電のパワコン電気料金削減方法はこちら。
全量売電の場合に複数台のパワコン電気料金を削減する方法はないのですか? »
結論から申しますと、余剰売電の場合は基本料金を節約する方法は現時点ではありません。
ただ、電力自由化によってこのようなニーズに対応する電力プランが出てくる可能性はあると思います。
まずそもそも、なぜ余剰電力の場合に基本料金が上がるかというと、全量売電の場合と余剰売電の場合では、電気の流れるルートが違うからです。
全量売電の場合、太陽光発電システムで発電した電気は直接系統(電線)に流れます。
ただ、パワコンが起動するために必要な待機電力がありますので、その分の電気を定額電灯などの電気プランを使用して支払う必要があります。
ところが余剰売電の場合、太陽光発電システムで発電した電気は直接系統に流れず、分電盤(ブレーカー)を通ってから系統に流れます。
分電盤で電気の流れる量がアンペア数で決められています(アンペア数はメインブレーカーのスイッチのところに40Aなどと書かれています)。
太陽光発電システムの電気は1kWあたり10A程度(発電量が多いときは11Aくらい)で流れてきます。
つまり、6kWのシステムであれば70A、17kWのシステムであれば180A(電気料金プランだと18kVAなどと記載されます)のアンペア契約をする必要があります。
アンペア数が足りないとブレーカーが落ちてしまいます。
電気料金の基本料金はアンペア数によって増えますので、その分基本料金が増えることになってしまいます。
東京電力ですと、1kVAあたり280.8円/月ですので、18kVAであれば『5,054円の基本料金+使用電力量に応じた電気料金』を支払うことになってしまうわけです。
10kW以上で全量売電にするか余剰売電にするかを検討する際は、このあたりのことも考えなければいけないわけですが、今回ご質問者様はセーフティーネット補助金※を利用しているため、余剰売電にすることが必須条件です。
※セーフティーネット補助金は平成26年度(2015年3月31日)で終了しています。
大手電力会社が現在用意している電気料金プランでは、契約アンペア数が高ければ高いほど基本料金が高くなるプランしかないため、現時点ではご質問者様の基本料金を削減する方法はありません。
ただ、電力自由化によって「アンペア数が多くても使用電力量が少なければ安く済む」という余剰太陽光発電向けの新しい電力プランが出てくる可能性は十分あります。
2016年3月の電力自由化が今から待ち遠しいですね。