太陽光発電のパワコンが故障した場合、リサイクルなどはされるのでしょうか?
いつも有用な記事、ありがたく拝見させて頂いております。
従来から設置後5年経過後に交換するように言われておりますパワコンについて、高価なものですので、すべて廃棄処理せずに、必要な部品交換とテストを経て延命させるべく、業界等で基準作成を進める方策はないものでしょうか。
そのような基準、認定の制度ができますと、個々の設置者の費用低減に加えて、社会的にも、ヤミ対策状態での危険なものがはびこることがなくなり、資源の有効活用、廃棄抑制に資するのでは、と思います。
このようなことに関する記事を拝見できますと幸甚です。
ご質問ありがとうございます。
太陽光発電の修理と廃棄の問題についてのご質問ですね。
まず一つお伝えしたいのですが、パワコンの交換時期が5年というと早すぎる気がいたします。
各メーカーが10年の保証を出していますし、保証期間の長いメーカーは15年の保証をしていますので、パワコンの寿命は10年~15年が妥当かと思います。
その上で、現在の太陽光発電の修理と廃棄の流れですが、下記のようになっています。
現在の太陽光発電の修理と廃棄の流れ
- 不具合を見つけたお客様が販売店へ連絡
- 販売店による一次対応。メーカーへの修理依頼が必要かの判断
(販売店にて対応可能なものは修理) - メーカーの方がお客様宅に訪問
-
状況に応じて下記のいずれかの対応
- その場で修理
- 再訪問して修理
- 回収して修理
- 交換
修理可能な物は修理されるが、不可能なものは廃棄処分
修理不可能なものは交換となるのですが、この際古い機器はリサイクルされる訳ではなく廃棄処分となります。
太陽光発電のモジュールや関係する機器などはリサイクル法の対象となっていない為、産業廃棄物の扱いとなってしまっているのが現状です。
現状を見るとFITが終わって大量廃棄が出た際に全て産業廃棄物となってしまうのではないかと不安ですね。
実際に設置をご検討されている方とお話させて頂く際に、廃棄の問題が気になっているというご質問もたくさん頂きます。
今後の対策はどのようになっているのか、経済産業省の資源エネルギー庁へ問い合せてみました。
NEDOがリサイクル技術の研究開発を行っている段階
現在は大量廃棄がでる段階ではない為、具体的な制度がある訳ではないとのことでした。
ただ、化石燃料からの脱却のため新エネルギーの研究開発を行っている法人NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて、「太陽光発電の維持管理及びリサイクル技術開発」の予算を割き技術開発を行っている段階であるとの回答がありました。
太陽光パネルのリサイクルの技術開発については以前下記の記事の中の「太陽光発電パネルのリサイクルと廃棄に向けた課題」にてご紹介させて頂いておりますので、併せてご覧いただければと思います。
太陽光パネルのリサイクル事情を知りました。公益社団法人主催のシンポジウムに登壇 »
リサイクルの技術は発展途上のため、これからが注目
もちろんリサイクルの技術開発は太陽光パネルのみではなく、その他機器についても取り組んでいるという事ですので、後は「FIT終了までに間に合うかどうか」が重要ですね。
リサイクルの技術は、現在はまだ技術開発段階である為、事業としても成り立っていない状態です。
ただ、今後事業としても成り立つよう、FIT終了後の「太陽光発電システムの大量廃棄がでる時期」に向けて動いているとの事でしたので、太陽光発電のリサイクルに特化した企業が出てくるのも間もなくかもしれません。
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