10kWの太陽光発電で全量買取ですがパワコンに抑制がでています。どう対処すべきですか?
いつも配信していただいてるメールを拝見させていただき大変勉強になります。
実は現在10kWの長州産業(HIT)を設置しました。
先日取付業者の方が3か月点検で診えて際に2機あるパワコンに平均7,500時間抑制が発生しているとききました。
素人考えですが電力会社の方に事情を説明し抑制の解除をお願いしました。
ところが保安上解除に否定的でむしろ抑制の効果が必要と判断され現状維持とあいなりました。
しかし、ふに落ちないのです。
その理由はともかくやはり発電量が直売電となる故<売電の損失>とそのまま考えてしまいます。
やはり抑制そのものを理解するべきか、否定し解除していただくべきか迷っています。
もし、解除していただくよう再度お願いを電力会社にしなければならない場合どのようにお伝えすればよいのでしょうか。
ちなみにご近所は工場もなければ太陽光を設置している家庭もまだわずかな環境です。
※設置環境全面南向き片流れ傾斜角28度です。
ご質問ありがとうございます。
「10kWの太陽光発電で全量買取ですがパワコンに抑制がでているがどう対処すべきか?」とのご質問ですね。
まず念のため抑制の起こる原因からご説明させていただきます。
抑制は電力会社の供給する電気の電圧が、パワコンで設定されている電圧を上回ってしまった場合に起こる現象です。
通常は電力会社からの供給電圧は101V±6V、パワコンの電圧の設定値は通常107V以上に設定されているので、パワコン側の方が電圧は高くなるはずです。
しかし、電力会社側の事情や、パワコンの不具合などによって、電力会社からの供給電圧がパワコンの電圧を上回ってしまうことがあります。
電力会社側の事情というのは、トランス内で多量の電気を使う工場等がある為、電圧を高くしないと末端まで十分な電圧を確保することができない、などです。
今回は工場もないということなので、近隣のお家の電力使用状況やトランス内のお家の数等が影響しているかもしれません。
電気は電圧の高いところから低いところに流れていきますので、こうなってしまうとパワコンから電力網に送電ができないので抑制がかかってしまうというわけです。
抑制問題を解決する方法は2通りの方法があります。
- 供給電圧を下げる
- パワコンの制定値をあげる
今回は電力会社には改善を求めて既に断られているとのことですので、パワコンの整定値を上げるという解決策がまだ残っています。
ですが、むやみに制定値を上げると近隣のご家庭への供給電圧が高くなってしまい、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
抑制問題は近隣を巻き込む非常にデリケートな問題ですが、長時間売電できないとなると損失も相当な額に及ぶはずです。
(3か月点検の時点で7500時間はちょっと長すぎのように思われますが間違えでしたでしょうか。。。)
一度電力会社には相談をされたとのことですが、電力会社に再度お願いするのであれば、事情に詳しい実際に工事を行った工事会社さんともご一緒に話し合いの機会を設けていただくのが良いかと思います。
お客様の売電メリットがこれ以上損なわれないことを願っております。