太陽光発電のPID現象について詳しく教えてください
最近問題になっている、PID現象について、できるだけ詳しく教えて下さい。
また、今現在わかっている、PID現象が起きるメーカーとPID現象が起きないメーカーをすべて詳しく教えて下さい。
PID現象とは、メガソーラーなどの高電圧の太陽光発電システムにおいて確認されている、太陽電池モジュールの発電量が低下する現象です。
PIDとは、Potential Induced Degradationの略で、直訳すると「電位によって誘発された劣化」というように、太陽電池モジュールの内部回路とフレームとの電位差が原因で起こるとされており、高温多湿な地域で発生しやすくなっています。
PID現象自体は以前から確認されていましたが、住宅用の太陽光発電システムでは電圧がそれほど高くなることがなかったため、それほど問題にはなっていませんでしたが、2012年7月から全量買取制度が始まり、多数の大規模太陽光発電施設が検討され始めたことで注目を集めています。
PID耐性についての試験は、IEC(International Electrotechnical Commission: 国際電気標準会議)では、温度60℃、湿度85%、96時間という基準を設けていますが、規格ではないため基準設定は様々になっています。
また、第三者検証機関が行う試験とメーカーが独自で行っている試験があるため、注意が必要です。
第三者検証機関の行うPID耐性試験を通過したメーカー
- シャープ
- 京セラ
- パナソニック
- 三菱
- Qセルズ
- カナディアンソーラー
- インリー・グリーンエナジー
メーカーが独自に行ったPID耐性試験を通過したメーカー
- シャープ
- パナソニック
- ソーラーフロンティア
PID耐性試験を実施中のメーカー
- サンテックパワー
その他のメーカーについてはわかりかねますが、住宅用の太陽光発電システムでは電圧が低いため、PID現象が起こる可能性は低いといえるでしょう。
※この回答は、ユーザー様から「パナソニックも第三者機関のPID耐性試験を通過している」とのご指摘をいただき、2012年10月22日に修正させていただきました。