再生可能エネルギーの弱点克服につながる「ディマンドリスポンス」とは?

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再エネの導入を最大化するディマンドリスポンス

みなさんは「ディマンドリスポンス(DR:Demand Response)」という言葉を聞いたことはありますか?
他にも、「デマンドレスポンス」とカタカナで表記されることもあります。
「ディマンド」「需要」という意味で、「リスポンス」「反応」という意味なので、「ディマンドリスポンス」をそのまま直訳すると「需要反応」という意味になります。

ここでいう「需要」とは、電力の需要家側のことです。
つまり、電気を使っている工場やビル、一般消費者などのことですね。

再エネが増えるにしたがって、「ディマンドリスポンス」がよく取り上げられるようになってきました。

再エネの中でも比較的導入が進んでいる太陽光発電や風力発電ですが、太陽の曇り具合や風の強弱によって発電量が大きく左右されるため、ディマンドリスポンスが難しいといわれてきました。

今回は、国が電力会社や民間企業と一緒になって、どのようにディマンドリスポンスを行おうとしているのかを、できるだけわかりやすく解説してみたいと思います。

東日本大震災以前のエネルギー需給

これまでのエネルギー政策では、エネルギーが使われる量(需要量)はコントロールできるものとは考えられておらず、いかにして使う量(需要量)に見合ったエネルギーを安定的に作る(供給する)か、という視点で政策が作られてきていました。

そのため、エネルギー需要がピークとなるときでもエネルギー供給できるように、たくさんの発電設備が整備されてきたのです。

東日本大震災以後のエネルギー需給の見直し

しかし、こういった状況が東日本大震災後に大きく変わりました。

東日本大震災後、原子力発電所が停止し、エネルギーの供給力が大きく低下しました。

各電力会社からは「節電要請」が出され、多くの施設でエアコンが弱められたり、照明が間引かれたりしていたのは、記憶に新しいところです。
震災前後のイメージ

ディマンドリスポンスについて 資料5 p.1|資源エネルギー庁

国民みんなで節電に協力することで、エネルギー需要のピークを抑え、エネルギー不足の問題を乗り越えることができたわけですね。
このように、エネルギー状況が大きく変化した現在、「ディマンドリスポンス」の可能性がさまざまなところで議論されています。

ディマンドリスポンスの定義

「ディマンドリスポンス」の一般的な定義は次のようになっています。

卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させること
Assessment of Demand Response & Advanced Metering |FERC(2011)

ちょっと難しいですね。
例を用いて考えてみましょう。

一般的には夏の昼間のように、みんなが電力をたくさん使うときに、電力需要のピークがきます。
このピークが極端に高くなってしまうと、そのピークに合わせて電力会社は発電設備を増強しておかなくてはいけません。
一年間のうち、ほんの数日のために発電設備を増強するのはもったいない話ですよね。

そこで、電力需要のピークが極端に高くならないように、2種類の方法が取られています。

ディマンドリスポンスの方法

  1. 電力需要のピークがきそうな時間帯は、あらかじめ電気料金を高く設定しておくことで、電気を使う量を減らす
  2. 電力需要のピークになりそうなときに、電力会社から「節電してください!」と呼びかけ、その呼びかけに応じて節電した人には報酬を払う

さきほどご紹介した小難しい定義は、こういうことを言っているわけですね。

ピーク削減のための「下げDR」

下げDR

ディマンドリスポンス(ネガワット取引)ハンドブック  p,2| 経済産業省

先ほど説明した、電力需要のピークを下げるために行われるディマンドリスポンスのことを、「下げDR」と呼びます。
これまでは「ディマンドリスポンス」というと、「下げDR」のことを指すことが一般的でした。

再エネ導入増加への秘策「上げDR」

「下げDR」に対して、最近は「上げDR」という考え方も注目されるようになってきています。
「下げDR」は「電力需要のピークを下げること」でしたが、「上げDR」はその逆で、「電力需要を上げること」を意味します。

下げDR

ディマンドリスポンス(ネガワット取引)ハンドブック  p,2| 経済産業省

なぜ「上げDR」が必要なのか?

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まって以来、太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギーがどんどん増えてきました。
太陽光発電にしても、風力発電にしても、自然の天候次第で、発電量が大きく増減します。

発電量が少ないときには、既存の火力発電所などを稼働させることでエネルギー需要を満たすことができます。
一方、天気がすごく良かったり、風がすごく吹いていて、再生可能エネルギーの供給量が極端に大きくなってしまうこともありえます。

電気は需要と供給が常にバランスしていなければいけませんので、再生可能エネルギーの供給量が極端に大きくなったときに「上げDR」を行い、需要と供給をバランスさせるのです。

電力需給のバランス

電力需給調整システムについての検討|環境省

「上げDR」の具体的な方法

具体的には、ゴールデンウィークの昼間などで、電気の需要がそれほど大きくないにも関わらず、太陽光発電で大量に電気が作られたときなどに、余ってしまいそうな電気を利用して、電気自動車の充電をしておいたり、電気温水器のお湯を作ったりすること等が考えられます。

天候によって発電量が不安定になるという弱点をもつ再生可能エネルギーでも、上げDRの可能性が広がることで、弱点を克服することができるわけですね。
将来的には、インターネットで電力会社と再生可能エネルギー施設がつながり、自動で上げDRをコントロールできるようになっていくことで、再生可能エネルギーをさらに有効活用できるようになることでしょう。

まとめ

ディマンドリスポンスに関して、欧米では既にさまざまな取り組みが行われています。
日本でも実験的な取り組みとしては、色々行われているところです。

今後、再生可能エネルギーがますます普及していくのに伴って、ディマンドリスポンスの重要性も高まることだと思います。
ディマンドリスポンスが進化すれば、再生可能エネルギーの弱点を克服できることにもつながりますので、どんどん良くなっていって欲しいと思います。

ディマンドリスポンスの進化とともに、ますます普及が進む太陽光発電にご興味のある方は、お気軽にソーラーパートナーズまでご相談ください。

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(2017年2月20日更新)

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