太陽光発電の雨漏りのリスク3つの原因と対策!太陽光発電のデメリットを考察
こんにちは!
「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部です。
太陽光発電のリスクとして挙げられることが多いのが「雨漏り」です。
この記事で原因と対策を解説しますので、太陽光発電導入前に是非読んでください。
その他にも太陽光発電を導入する前に確認しておくべきことは多くあります。太陽光発電のメリット・デメリットも確認することをオススメします。
なぜ太陽光発電を設置すると雨漏りのリスクがあるのか?
太陽光発電システムは、太陽光パネルを屋根に設置しますが、その際に屋根に穴を開けます。
屋根に穴を開けるから、雨漏りのリスクがあるのです。
ではそもそも屋根はどんな構造なのでしょうか?
屋根は垂木の上に野地板があり、その上に防水シートが貼られ、さらに屋根材※が載る、という構造です。
(※屋根材には様々な種類があり、瓦やスレートガルバリウム鋼板などが一般的です。)
一般的な屋根の構造
太陽光パネルを設置する際、パネルを設置する架台を固定する金具を、屋根の一番下の構造物である垂木と野地板に留めなければなりません。
すると当然、野地板の上にある屋根材と防水シートにも穴を開けることになります。
屋根は、屋根材と防水シートの2つがセットで雨水が野地板にしみるのを防いでいます。
ですので、この『屋根材と防水シートに穴を開ける』という行為がずばり雨漏りのリスクとなります。
瓦屋根の雨漏りのリスクは技術の問題
ところで瓦やスレートなどの屋根材はどのように屋根に固定されているかというと、釘で垂木・野地板に固定されています。
つまり、そもそも屋根材は防水シートに穴を開けて固定されているのです。
これは太陽光発電システムの設置と変わりません。
それならば野地板に穴を開ける行為自体は、大して雨漏りのリスクにならないのではないかと思いましたので、ソーラーパートナーズのパートナー企業の屋根屋さんに確認してみました。
すると、
「屋根は屋根材と防水シートで雨水を防いでいるとは言うものの、防水シートはあくまで万が一の保証みたいなもので、雨は屋根材で防ぐというのが原則。
不慣れな業者が瓦屋根の場合に隣の瓦をうまく元に戻せずにガタついてしまい、そのガタつきからの浸水が一番心配。」
とのことでした。
つまり、瓦屋根で雨漏りが起きるとすると、瓦を元に戻せないなどの技術的な問題が可能性として多いということです。
スレート屋根の雨漏りのリスクは倫理観の問題
スレート屋根での工事方法はどのメーカーも大きくは変わりません。
スレート屋根の場合は瓦のように外して設置する事ができないため、スレートの上から取り付け金具を直接ビス止めします。
さらに下の写真のようにコーキング処理(防水加工)がなされます。
画像引用(断面図):三菱電機より(現在該当ページ削除)
画像引用(コーキング):安心の施工品質|ソーラーフロンティア
正直、実際に工事をしている側からすると
「どうやってこんなので雨漏りが起きるのか?」
と思います。
つまり、スレート屋根の雨漏りは、
- 工程を省く
- 雑に行う
- 耐久性の低いコーキング材を使う
などの倫理観の問題になります。
そもそも住宅の雨漏りはどこでどのようにして起こるのか?
そもそも雨漏りはどうして起きるのでしょうか?
その原因を知っていれば太陽光発電システムの設置による雨漏りリスクも低減する事ができるのでは、と思います。
全国雨漏検査協会が毎年発表している雨漏検査白書によると雨漏り箇所の上位2位は、以下の通りになっています。
- 1位 サッシ回り
- 2位 下屋取り合い
雨漏検査白書|全国雨漏検査協会より(現在該当ページ削除)
雨漏りというと天井から漏れているイメージでしたが、じつは住宅の雨漏りは横壁部分に集中している事がわかります。
下屋(げや)取り合いというのは、外壁の途中から出ている庇(ひさし)のような屋根と壁の接合部の所を言います。
雨漏りの原因を見ると、
-
サッシ回り
防水シールの貼り忘れなど、倫理観の問題 -
下屋取り合い
技術不足や施工手順の間違いなど、技術的な問題
とこちらも同様に倫理観の問題と技術的な問題である事がわかります。
太陽光発電特有の雨漏りの問題『知識不足』
倫理観の問題と技術の問題よりも、太陽光発電の雨漏りの原因として一番多いと思うのが知識不足の問題です。
これは特に販売だけをやっている会社(自社施工でない会社)に多く見受けられます。
例えば『スレート屋根かつ野地板がバラ板(杉板)』であった場合は、ほとんどのメーカーで太陽光発電は設置不可です。
野地板がバラ板というのは、その名の通りバラバラしていますのでかなりの率で板と板の間に年月が経てば経つほど隙間が空いてきます。
野地板がバラ板の屋根(屋根裏から撮影)
屋根材が瓦の場合には、瓦をはがして隙間に入らないようになるべくバラ板の真ん中付近にビス止めをして設置をします。
ところがスレート屋根は瓦と違い屋根材が構造的に剥がせないため、バラ板の真ん中付近にビス止めをすることは不可能ですので設置不可になります。
これを無理に設置すると、無数のビスの中で当然隙間に入ってしまうビスが出てきます。
バラ板の隙間に入ってしまったビスは屋根材(スレート)にだけ止まっている事になりますのでじきに緩んできてしまいます。
そしてビスとスレートの隙間から雨が侵入するのです。
自社施工で無い会社の営業マンは、工事は外注であるためこのような施工の知識を持ち合わせておらず、設置不可であるにも関わらず販売し、そのまま設置工事に至ってしまっているケースなどもあります。
施工不良による雨漏りはメーカー保証適用外
万が一、施工不良によって雨漏りが発生してしまった場合、原則的にメーカーは補償してくれません。
メーカー保証はあくまで製品の保証であり、工事についての保証ではないからです。
施工不良による雨漏りなど、工事瑕疵に対する補償は販売店・工事店が対応することになります。
しかし、販売店・工事店が補償してくれるから安心というわけではありません。
なぜなら、いざ雨漏りが発生したときには販売店・施工店が倒産しているということも十分考えられるからです。
実際、太陽光発電業界は悪質な訪問販売業者や激安販売店など、後先を考えない業者は相次いで倒産しているような状況にあります。
思わぬ工事瑕疵から身を守るためには、施工保証・補償に頼るのではなく、信頼できる業者を自ら見極めることが重要です。
まとめ
太陽光発電の設置の際に雨漏りのリスクの原因となる問題は3つあります。
雨漏りのリスクの原因となる問題
- 技術の問題
- 倫理観の問題
- 知識の問題
技術の問題は素人が判断するのは正直無理です。
ですので少なくとも施工実績の豊富な太陽光発電の工事会社を選ぶという事がまず鉄則になると思います。
そして知識の問題は、手前味噌になりますが自社施工の会社から購入することだと思います。
販売だけをやっている会社ではなくて施工会社から直接購入する事で、ある程度クリアできると思います。
一番難しいのが倫理観の問題です。
正直倫理観の高い会社を見抜く方法は知りません。
そんなことができるならこの世から詐欺事件は無くなっています。
ただ一つあるとすると、あまりに安い金額を提示する会社はやめておくという事です。
例えば、この冬の時期、日が落ちるのが本当に早いです。
夕方5時ともなるともう真っ暗です。
人数かければそれでも時間内に十分終わらすことができた工事を、人をケチって少ない人数で施工すると工事時間が延びてしまいます。
寒くて暗い中の工事は少しでも早く終わらせたいと手抜き工事の遠因になります。
高く買ってしまってはメリットが出ませんが、太陽光発電にも安かろう悪かろうは確かに存在します。
無茶な値引きや低価格を要請するのであれば、同時に一定のリスクを自身が引き受けるのだという覚悟をもって、自己責任でして頂きたいと思います。