蓄電池のエネグーンも圧倒的な高性能 東芝の反撃に大いに期待
蓄電池のエネグーンは他メーカーとは比較にならない長寿命
中村:最後に蓄電池のエネグーンについても聞かせてください。
まず、エネグーンの特徴をお聞かせいただけますでしょうか。
齋田氏:エネグーンの一番の特徴は寿命ですね。
15000回の充放電を繰り返しても80%以上の容量を維持することができます。
中村:他メーカーだと80%以上の容量を維持できるのは、大体6000回程度の充放電までとされていることが多いので寿命は圧倒的ですよね。
しかもSOCレンジ100%でこの寿命を実現しているというのは信じられないレベルです。
何故こんなことが可能なのでしょうか。
齋田氏:弊社のエネグーンがSOCレンジ100%でかつ長寿命を実現できている一番の理由は負極にチタン酸リチウムを採用していることですね。
チタン酸リチウム系の蓄電池は一般的な蓄電池に用いられるカーボン系と比べてSOCレンジを広くとっても電池性能が低下しにくいという特色があります。
中村:使われている素材自体が他の蓄電池とは違うということなんですね。
SOCレンジとは
完全充電状態を100%、完全放電状態を0%としたときの、実際に電池を使うことのできる充電状態の幅の広さ。
通常蓄電池は過充電、過放電をすると寿命が短くなってしまうという特性があるため、SOCレンジは90%程度に設定していることが多いが、東芝エネグーンはSOCレンジ100%。
SOCレンジ100%を実現した上でかつ高寿命という点で、東芝エネグーンは他メーカーの商品と一線を画している。
エネグーンは低温特性もすぐれている
中村:その他にも、エネグーンの特徴で「これは伝えておきたい」ということはありますか。
齋田氏:低温特性にも注目してほしいですね。
一般的な蓄電池は低温になると能力が低下してしまいますが、当社のエネグーンは-20℃の環境でも80%以上の容量を維持できる設計になっています。
今年の冬は気温が低かったので、販売店の方から「他メーカーの商品は寒くて放電しないというクレームが頻発していたが、東芝の蓄電池は問題なく動いていて助かった」という声もいただいています。
エネグーン寿命・性能を考えれば価格は高くない
中村:東芝エネグーンは価格こそ他メーカーの蓄電池より高額ですが、それだけの性能を備えているといえますね。
齋田氏:確かに他メーカーと比べると少し高めの価格設定ですが、いくら安くても使いたいときに使えないのでは意味がないですし長寿命であることを考えれば、エネグーンは決して悪くない価格ではないかと考えています。
特に太陽光発電を導入している方にとっては、太陽光発電を設置して10年が経って固定価格買取期間が終了して売電価格が安くなった後が、蓄電池の本当の出番と言えますからね。
東芝の反撃がはじまる
中村:最後に代表して小園さん、今後の意気込みをお聞かせください。
小園氏:経営状況であれだけ世間を騒がせてしまったこともあり、今までは経営面での足元を固めることに労力を割く必要がありました。
しかし、経営問題が落ち着いた今、積極的に事業展開をしていくつもりです。
皆様、是非期待していてください。
中村:本日はありがとうございました。
東芝インタビュー まとめ
- 東芝の経営状況は大幅に改善 倒産の心配はない
- 住宅用太陽光発電事業を継続していくと明言
- ローコストから世界最高効率まで幅広いラインナップであらゆるニーズにこたえる
- VPPや風力など新事業も展開していく方針
- 東芝Sシリーズの新製品は圧倒的な高性能 他メーカーと比べても群を抜いている
- Sシリーズの発電量が多い一番の理由はバックコンタクト技術
- 蓄電池のエネグーンも他メーカーとは比較にならない高性能
- これからは積極的な事業展開に期待!