太陽光発電は蓄電池を両方設置するべき?売電するよりも電気を自家消費した方がいい?
太陽光発電や蓄電池の検討は考えなければいけないことが多く、混乱してしまうこともあるかと思いますが、本記事では、以下3点を出来る限り分かりやすく解説しています。
・太陽光発電単体ではなく蓄電池を導入するべき理由
・太陽光発電と蓄電池セットの相場価格
・太陽光発電と蓄電池は一緒に設置した方がお得な理由とメリット
・太陽光発電と蓄電池を出来るだけ安く設置する方法
太陽光発電に金銭的メリットがあり、また防災に役立つことは多くの方がご存じだと思います。
このページでは、太陽光発電と同時に蓄電池を設置するべきかどうかについてご紹介します。
そもそも蓄電池は役立つのか。また同時に設置することでどのようなメリットがあるのかご確認ください。
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そもそも太陽光発電と蓄電池はセットで付けるべき?
かつて太陽光発電は発電した電気を売電できることが話題となり、それが最大のメリットでした。一方で電気代がこの5年で20%程度上昇した影響で、今は売電よりも自家消費の方がメリットが高くなっています。
2025年現時点での売電単価は15円ですが、電気の料金単価は30円を超えています。15円で売るよりも、30円以上で買わなければならない電気を買わずに発電した電気を充てたいですよね。蓄電池がなければ自家消費のメリットは日中にしか感じられませんが、蓄電池があれば夜にも実感できるのです。
また日本は災害大国であり、大規模災害が毎年のように起きています。その際にご自身やご家族を守れるかどうかは日々の備えによって変わってきます。蓄電池があれば電気が使用でき、安心感が得られるということは皆さんも既にご存じだと思います。
太陽光発電と蓄電池セットの相場価格
太陽光発電と蓄電池セットで導入する費用は、太陽光発電のシステム容量が5kWhで、蓄電池の容量が6kWhという平均的なシステム容量で平均250万円が相場になります。
もちろん太陽光発電のシステム容量の大小や屋根材によっても金額は上下しますし、蓄電池に関しても蓄電量の大小で金額が変わってきます。
また最近では電気代高騰の影響で電気の自家消費に対しての意識が高まってきており、設置する蓄電池の大型化がトレンドです。主要な容量帯の相場価格は以下の通りです。
4kW + 10kWh | 2,844,882円 |
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5kW + 10kWh | 2,899,294円 |
6kW + 10kWh | 2,981,841円 |
10kWhの蓄電池を付ける場合には、おおよそ300万円程度が目安と考えて良いでしょう。
太陽光発電を導入する場合には必ず太陽光発電・蓄電池の相場価格を確認するように注意してください。
太陽光発電と蓄電池はセットがお得な理由は3つ!
理由①
パワーコンディショナー代が1台分お得!
太陽光パネルで発電した電気は家庭内では使えない「直流電気」のため、交流電気に変換したり電圧等を調整したりするパワーコンディショナーが必ず必要です。
また蓄電池にたまった電気を家庭内で使えるようにするためには、同様にパワーコンディショナーが1台必要です。
ですから、既に太陽光発電システムを設置済の方が後から蓄電池を設置しようとすると、太陽光発電用のパワーコンディショナーとは別に、蓄電池用のパワーコンディショナーがもう1台必要になってしまいます。
しかし太陽光発電と蓄電池をセットで購入すれば、「ハイブリッドパワーコンディショナー」を使うことができるため、1台で済むのでその分の費用がお得になります。(※ハイブリッドパワーコンディショナーとは、太陽光発電と蓄電池兼用のパワーコンディショナーのことです)
理由②
設置工事代が1回分お得!
蓄電池システムの工事は、大まかに分けると以下の3つです。
- 蓄電池の設置
- パワーコンディショナーの設置
- 蓄電池とパワーコンディショナーと分電盤を繋ぐ配線工事
そして太陽光発電システムの工事も同様にわけると、以下の3つになります。
- 太陽光パネルの設置
- パワーコンディショナーの設置
- 太陽光パネルとパワーコンディショナーと分電盤のを繋ぐ配線工事
既に太陽光発電システムを設置している方が蓄電池を購入して設置する場合は、この6工程が発生します。
しかし太陽光発電と蓄電池をセットで購入する場合、パワーコンディショナーは1台で済むため、パワーコンディショナーの設置工程が1つ省けます。
また配線工事も同時に行う事ができるため、2工程分設置工事代がお得になるのです。
2日に分かれるはずの工事が1日ですむようになるため、基本工事代や移動にかかる交通費も1回で済むため大幅に設置工事代がお得になります。
理由③
営業経費が1回分お得!
太陽光発電システムを販売設置する会社は営業利益を上げて、会社の経費をまかないます。
蓄電池システムを販売設置する会社も営業利益を上げて、会社の経費をまかないます。
そのために労力をかけて資料を作成し、お客さんのところに場合によっては何度も説明に伺い、何件かに1件ご契約いただけます。
ところが太陽光発電と蓄電池をセット販売する場合、太陽光発電分と蓄電池分の2回分の労力がかかっているわけではありません。
太陽光発電と蓄電池両方の説明をしなければいけないですが、太陽光発電システムだけを購入する場合でも現在蓄電池の説明をしないことはほぼありません。
この場合、営業努力はあくまで1回分ですので営業経費1回分がお得になります。
太陽光発電と蓄電池をセットで購入する場合は、相場価格と比較して妥当な提案価格なのかどうかの判別が難しくなってきます。
太陽光発電システムだけの場合であればkW単価を計算して比較する方法が一般的ですが、蓄電池セットになるとその計算方法が使えないからです。
結果として、とにかく高く売りたい会社の上手な営業トークに乗ってそのまま契約してしまっているケースが後を絶ちません。
勢いで契約することのないようぜひ一度立ち止まって冷静に検討するようにしてください。
太陽光発電と蓄電池を両方設置する3つメリット
メリット①
停電でも電気が使える
太陽光発電システムは停電になっても太陽が出ていれば発電を続け自宅に電気を供給してくれますが、パワーコンディショナーに設置されている非常用コンセントからしかその電気を使うことはできません。
しかし蓄電池が設置されていれば、分電盤に電気を供給できるので部屋の照明なども使うことができます。
また、太陽光発電システムは太陽光があたって発電する仕組みのため、夜は発電できません。
太陽光発電だけでは夜間の停電には一切対応できませんが、蓄電池があれば夜の停電時にも電気が使えるため安心です。
メリット②
夜間電力活用でさらに電気代削減
蓄電池は昨今頻発している大雨や地震などの災害時にこそ役立ちます。
また、通常時も安い深夜電力を蓄電し、太陽光発電システムが稼働していない早朝や夕方以降の時間に放電して使うことでその差額メリットを生み出してくれます。
メリット③
10年後の卒FIT対策も安心
住宅用の太陽光発電システムを設置して10年間は、発電して余った電気を高く売ることができます。
11年目以降は各電力会社と改めて売電契約を結ぶことになりますが、10円前後と当初10年に比べると安くなります。
その際は余った電気を売るのではなく蓄電池にためて朝晩に使う方がお得になるため、蓄電池があればその備えも万全です。
太陽光発電・蓄電池を安く設置する6つの方法
①補助金を活用する
国、都道府県、市区町村それぞれで蓄電池の購入に対しての補助金が出る可能性があります。
年度ごとに都度発表されますので常にチェックが必要です。
国、都道府県、市区町村でそれぞれ補助金が出ている場合、申請の手間はかかるものの最大3つの補助金をもらえる可能性もあります。
お住まいの市区町村での補助金情報は、以下で確認することができますのでご参考ください。
②容量・負荷形式を吟味する
太陽光発電システムは原則として屋根に設置できるだけ設置した方がお得になりますので、太陽光パネルの枚数を減らして金額を安くするというのは得策ではありません。
蓄電池は蓄電容量が大きくなればなるほど、特定負荷型よりも全負荷型の方が高くなりますのでどのパターンの蓄電池を選ぶかで金額は大きく変わってきます。
・特定負荷型:特定のエリアの電気を使用することできる形式
・全負荷型:家全てのエリアの電気を使用することができる形式
③同時に購入する
冒頭でも述べましたが、太陽光発電と蓄電池をセットで購入した方がパワーコンディショナー代や営業経費、工事代を1回分浮かすことができますので安く購入することができます。
④工事会社から直接購入する
太陽光発電や蓄電池は、販売会社から購入するだけでなく、工事会社から直接購入することが可能です。
販売会社から購入する場合は下請けの工事会社の利益を入ってくるため2社分の利益が販売価格に入ってきます。
しかし、工事会社から直接購入することにより、マージンを1社分に抑えることができますので安く購入することができます。
⑤海外メーカーを選ぶ
太陽光発電システムは各メーカーの競争の結果、2009年の固定買取精度スタート時と比べ半額以下にまで価格が下がりましたが、それを先導したのは圧倒的な生産量を武器とした海外メーカーです。
海外メーカーは、セット購入時の蓄電池やパワーコンディショナーは国内メーカーを採用することにより、信頼を高めシェアを獲得しています。
⑥複数社で比較をする
太陽光発電システムはどのメーカーを採用するのか、蓄電池はどの容量、どのタイプを採用するのかによって1つの会社からの提案でも複数のパターンができます。
そうなると比較した時になってしまいますが、安く購入するためには必ず別の会社からも見積もりを取って比較をすることが大事です。
太陽光発電・蓄電池の見積比較は以下よりお問い合わせください。
無料でご相談も受け付けております。
太陽光発電と蓄電池の仕組み
太陽光発電システムだけの場合は蓄電機能はないため、日中発電した電気は優先的に自宅で使用され余った電気は売電に回ります。
しかし、蓄電池をセットで設置した場合はいくつかのモードを選ぶことができます。
メーカーによってモードの呼び名はそれぞれですが、「経済優先モード」や「経済性モード」という、蓄電池に電気を貯めるのは深夜の安い電力として、太陽光発電で発電した電気は蓄電せずに売電に回すモードがあります。
経済優先モードは、夜間電力を活用し、ピーク電力の抑制や電気代の削減したい場合に使用。
また「クリーンモード」や「環境優先モード」という、太陽光発電で発電した電気を優先的に蓄電池に貯めて夜に放電して使うことで、なるべく電力会社からの電気の購入を抑えるモードがあります。
環境優先モードは、太陽光発電を有効に使い、電力の自給自足を目指す場合に使用。
また「蓄電優先モード」と言って、日常的に蓄電池からの放電は行わず停電時に備えるために常に蓄電池を満タンに保つモードも用意されています。
太陽光発電・蓄電池の寿命
現在家庭用蓄電池に使われている蓄電池は、電気自動車に使われているものと同じくリチウムイオン電池で寿命はおよそ20年と言われています。
充電、放電の仕方や設置箇所の環境により当然前後しますが、各メーカーもそれにあわせて無償で交換対象となる保証年数を定めています。
太陽光発電と蓄電池セットでの購入の場合、パナソニックは10年保証(有償で15年)、カナディアン・ソーラーが15年保証、シャープが10年保証(有償で15年)、Qセルズが15年保証、長州産業が15年保証となっています。
太陽光発電と蓄電池の選び方のポイント
太陽光発電の選び方
太陽光パネルは各メーカーによって形、大きさ、性能がかなり違います。
どれだけ変換効率が高いパネルでも、屋根の形、大きさとの相性が合わないと変換効率の劣る別メーカーの方が設置容量が大きくなるということが発生します。
一番大事なのは自宅の屋根の形、大きさとの相性です。
蓄電池の選び方
蓄電池の主目的は停電時の活用です。
①停電時に特定の電源だけ動けばよいのか、全部の電源が使えるようになっていたいのか(特定負荷型か全負荷型か)。
②停電時にエアコンは使える方がよいのかどうか(200V対応型かどうか)。
この2点を中心に、停電時にどのような電気の使い方をしたいのかどうかをどれだけ想像できるかがポイントになります。
太陽光発電と蓄電池セット購入の際の選び方
太陽光発電と蓄電池をセットで購入する場合の選び方は、必ず蓄電池セットでの状態で最初から複数メーカーを比較することです。
各メーカーが採用している蓄電池の容量やタイプが違うため、太陽光発電をまず選んで、その後に蓄電池を選ぶというやり方だとその蓄電池では希望が叶わないのでと、また太陽光のメーカー選びに逆戻りすることになってしまいます。
セットで検討することがポイントです。
太陽光発電・蓄電池を設置する際の注意点
注意点①蓄電池の設置箇所を事前に確認すること
蓄電池の設置箇所は屋内のケースと屋外のケースがあります。
各メーカーの蓄電池によって屋内設置、屋外設置、屋内でも屋外でも設置可能と分かれています。
必ず事前に確認し、特に屋内設置の場合どこに設置することができるのかを確認しておく必要があります。
工事当日になって把握する方もおり、トラブルが起きています。
注意点②太陽光発電の施工件数を確認すること
蓄電池の導入には3パターンあります。
①太陽光発電システムとセットで導入する時、②パワーコンディショナーを交換するついでに設置するハイブリッド型蓄電池、③太陽光発電システムはそのままに別途設置する単機能型蓄電池システムがあります。
その場合、単機能型を専門で販売している会社は、太陽光パネルの設置が未経験もしくは経験が浅いケースがあるため施工実績を確認しましょう。
注意点③太陽光発電のみと蓄電池セットの見積もりをもらうこと
太陽光発電と蓄電池のセット購入を検討する際に注意することは、各販売会社によって見積もり内訳の書き方は全く違う点です。
どの会社にも太陽光発電のみの場合と、蓄電池セットの見積もりを両方出してもらうことによって、より冷静に各社を比較することができるようになります。
見積比較はソーラーパートナーズまでお問い合わせください。
無料でご相談も受け付けております。
太陽光発電と蓄電池を別で設置(後付け)する際の注意点
注意点①単機能型にするのかハイブリッド型にするのか
既に太陽光発電が設置済みで後付けで蓄電池を設置する場合、一番考えなければならないのは既に設置済の太陽光発電システム用のパワーコンディショナーを交換するかしないかです。
まだまだ故障しないと考えるのであれば「単機能型」、そろそろ故障するかもしれないと考えるならば「ハイブリッド型」を検討することになります。
注意点②太陽光発電システムの回路設計はどうなっているか
専門的なことなのでほぼ全ての方が把握しておらず、トラブルが多発しているのがシステム回路設計についてです。
例えば太陽光パネルが24枚設置されている場合、6枚を1セットとして6×4、4本の回路が存在します。
この回路の対応可能数はパワーコンディショナーによって変わるため、3回路しか対応していないハイブリッドパワーコンディショナーに変更して蓄電池を設置してしまった場合、回路数が1回路分足りないため、蓄電池を設置したことによって発電量が4分の3に減少してしまいます。
注意点③パワーコンディショナーの設置箇所は同一か
蓄電池後付けの場合、太陽光発電システム用のパワーコンディショナーの交換も合わせて行います。
ハイブリッド型蓄電池を設置する場合、新しいハイブリッドパワーコンディショナーの設置箇所が今現在設置されている太陽光発電システム用のパワーコンディショナーと同じ屋内、もしくは屋外に設置できるタイプかどうかで、その後の取り外し後の補修が必要なのかどうかが変わってきます。
同一箇所への設置が可能であれば、壁の補修などは必要ないケースがほとんどです。
まとめ
以上でお伝えした通り、太陽光発電・蓄電池はセットで一緒に購入した方がお得で得られるメリットも多くなります。
ただ、太陽光発電のみの検討よりも考えなくてはならないポイントが多くなるのも事実です。
ソーラーパートナーズでは、お客様の設置目的や希望条件を踏まえた上で、最適なプラン・最適な工事業者をご紹介しております。
太陽光発電・蓄電池の設置に関する疑問点や不安な点、お見積りなどのご相談は、ぜひソーラーパートナーズにお問い合わせください。