太陽光発電を設置する前に屋根塗装をした方がいいの?
太陽光発電を設置する前に屋根塗装をした方がいいの?
太陽光発電を設置しようとした所、太陽光業者から
「屋根塗装も一緒にやっておくべきです」
と言われることがよくあります。
元々太陽光発電だけを検討されていた方からすれば、急に屋根塗装の出費が増えることになるのでびっくりされるでしょう。
太陽光発電の設置に足場も必要なお宅の場合、本当に塗装が必要なのか疑問に思いつつも、足場を利用して屋根塗装もしておくことは合理的に思えます。
今回はそんなわかりづらい屋根塗装について解説します。
屋根塗装は、屋根の状況によっては塗装する必要がないケースや、そもそも塗装ではなく葺き替え工事が必要なケースもありますので、是非最後までお読みください。
屋根塗装をしなくても、すぐに雨漏りはしない
意外と皆さん誤解しているのですが、屋根塗装の主な役割は雨漏りの防止ではありません。
屋根は家を雨水から守るために存在するのに、屋根塗装が雨漏りを防止のためではない、というのはどういうことでしょうか。
実は屋根は二重の防水構造になっています。
- 屋根材(スレートや瓦)による一次防水
- 屋根材の下にある『防水シート』による二次防水
屋根塗装は一次防水の役割を担っている屋根材を塗る作業ですが、極論を言えば、屋根材が劣化しても防水シートが機能していればすぐに雨漏りはしないのです。
屋根塗装の主な目的は美観の回復
屋根塗装が必要な代表的な屋根としてスレート瓦があります。
現在、日本で最も普及している屋根材です。
スレートは新築時こそ艶がありますが、7~8年経つと表面の塗装が剥がれて薄い色になり、スレート自体が水を吸い込むようになります。
スレートが水を吸い込むようになると日当たりが悪い北側の屋根はコケが生えます。
このコケがいかにも屋根を古臭くみせるので、屋根塗装を自ら希望されるほとんどの方が
「屋根がみすぼらしいから塗装したくて…」
とおっしゃいます。
ちなみに、コケがスレートのすき間を覆うくらい生えてしまうことがあります。
コケがスレートのすき間を埋めてしまうと、雨が防水シートの上に溜まってしまい、雨漏りにつながることがあるので、あまりにコケが生えていたら雨漏りしていないか塗装店に見てもらってください。
屋根塗装によって長期的な雨漏りを防げる
屋根塗装によって屋根材自体の反りや割れを未然に防ぐことが、もう一つの役割「屋根材の保護」です。
スレートが劣化すると、スレート自体が水を吸うようになってしまいますが、すぐ雨漏りすることはありません。
しかしスレートが吸水と乾燥を繰り返すと、スレート自体が反り返ったり、割れたりという不具合が起きます。
スレートが劣化して反ったり割れたりすると、雨水がスレートを突破して防水シートに達しやすくなります。
多くの水が防水シートに達するといずれシートが腐り、雨漏りが発生します。
つまり屋根材を保護することで長期的に見れば雨漏りを防いでいるとも言えます。
なので美観の回復だけでなく、屋根材の保護もないがしろにはできない屋根塗装の大事な役割なのです。
こんな時は太陽光発電と一緒に屋根塗装をするべき
- 今生えているコケがみすぼらしくて嫌だ…という方
- 数年後にコケが生えてほしくないという方
- 太陽光発電の設置に足場※が必要なお宅
- 築10年前後で今まで一回も屋根塗装をしていないお宅
※太陽光発電の設置に足場が必要か否かは、屋根勾配(屋根の傾斜角度)や、工事会社の考え方によって異なります。
こんな時は屋根塗装しなくてもいい
- 屋根にまだ艶があり、屋根は太陽光発電を設置する面しかない
- 美観は全く気にしないし、今のコケもそれほどひどくない
- そもそも塗装が必要ではない屋根材を使用している(和瓦や洋瓦など)
※太陽光発電を設置するとパネルの下は紫外線が当たらず屋根材の劣化が遅れるため、太陽光パネルの面しか屋根が無い家は、屋根塗装が不要になります。
ちなみに…こんなお宅は塗装ではなく葺き替えやカバー工法がオススメです
屋根の割れが多くみられる、もしくは乗るだけですぐ割れてしまう
屋根材がすぐ割れてしまう場合は、屋根材が寿命を迎えてしまっています。
そのまま太陽光発電をのせようとすると設置の際に屋根材が割れて、屋根材による一時防水機能を失う可能性が高いです。
無理をして設置をしても、遅かれ早かれ屋根のメンテナンスを行う時が来るので、その際に太陽光発電の脱着費用が別途かかってしまいもったいないです。
一般的な戸建て住宅で太陽光発電の脱着費用は約20~30万円かかります。
築20年ほどで今まで一度も屋根塗装をしていない
20年間一度も屋根塗装をしていない場合は、太陽光発電の設置と同じタイミングで葺き替え、もしくはカバー工法をしておくことをおすすめします。
屋根のメンテナンスを20年怠っていたということは屋根材の寿命が間近です。
塗装で一時的に屋根材の寿命を延ばしても、よくてプラス10年程度でしょう。
太陽光発電の寿命が30年程度と言われていますので、無理に太陽光発電をつけても、数年後に屋根の葺き替えやカバー工法を行う際にパネルの脱着費用がかかりもったいないです。
塗装してはいけない屋根材が使用されている
一見普通のスレート屋根に見えても、例えばパミールという屋根材は塗装をしても剥がれてしまいます。
そのような場合、塗装ではなく葺き替えやカバー工法がおすすめです。
本当は屋根塗装と一緒に外壁塗装も行うべき
太陽光発電と屋根塗装を同時に行うとなった場合、本当は外壁塗装も一緒に行った方がいいです。
もちろん各家庭のお財布事情がありますので、無理にとは言いませんが屋根塗装と外壁塗装を同時に行わないと、屋根塗装と外壁塗装の劣化時期がずれてしまいます。
屋根塗装と外壁塗装の時期がずれてしまうと、足場を組む回数が増えて、生涯のメンテナンスコストが上がってしまうからです。
まとめ
太陽光発電を設置する前に屋根塗装をすべきかどうかは、現在の築年数や屋根の美観をどう考えるかによりますが、屋根裏を見たときに雨漏りがある場合もあるため、一概には言えません。
大切なことは、設置前にきちんと現地調査を行って屋根や屋根裏の状況を確認し、総合的な提案ができることです。
もし塗装について気になることがあれば、ぜひソーラーパートナーズにご相談ください。
ソーラーパートナーズでは太陽光発電の経験を活かして、姉妹サイト外壁塗装パートナーズを運営しています。
太陽光発電だけでなく、塗装にも詳しいアドバイザーが在籍していますので、塗装についても遠慮せず、お気軽にご相談ください。