東芝太陽光発電のキーマンに経営問題について直撃質問
※本インタビューは東芝のメモリ事業売却が決定する前に行われました。
ここ数年でシェアを大きく落とした東芝
平成3年法政大学政治学部 卒業
平成3年株式会社東芝 入社
平成14年ティーエム・ティーアンドディー株式会社 電力・社会システム社系統 主務
平成17年株式会社東芝 電力流通営業部(電力流通第一担当)参事
平成19年同上 電力流通営業部(電力流通第一担当)グループ長
平成23年同上 電力流通営業第一部長
平成27年東光東芝メータシステムズ株式会社業務援助(取締役)
平成28年株式会社東芝 電力流通営業部長 兼(電力流通地域統括担当)
グループ長 兼 東光東芝メータシステムズ株式会社業務援助(取締役)
平成29年東芝エネルギーシステムズ株式会社 太陽光発電システム統括部 部長
平成30年同上 エネルギーアグリゲーション統括部 部長
中村:早速聞きにくいことから質問させていただきます。
非常に申し上げにくいのですが、発電性能を武器に非常に人気のあった御社の太陽光発電ですが、近頃では他メーカーに大きくシェアを奪われてしまっていますよね。
小園氏:確かにそうですね。
中村:シェア争いをしていく上で、他メーカーに後れをとった要因として、他メーカーが低価格路線に舵を切ったのに対して、東芝は高価格路線を貫いたということがあると思いますが、それでも以前は性能を最優先するお客様から一定のニーズはありました。
しかし、経営問題が騒がれるようになったことで、
「東芝自体が倒産してしまうのではないか」
「東芝は太陽光発電市場から撤退するのでは」
といった不安が広がり、検討の土俵にすらあがらなくなってしまっていたというのが現状です。
なかなか答えにくいことかとは思いますが、倒産リスクについては心配ないと考えていいのでしょうか。
債務超過は解消済み
小園氏:皆様にご心配をおかけした弊社の倒産リスクについては、無事回避することができたと考えていただいて問題ありません。
あれだけ世間を騒がせてしまい、申し訳ございませんでした。
また、そのような中でも引き続きご支援いただきました御社を始め販売店様には感謝申し上げます。
中村:倒産のリスクを回避したいうことについて、何か裏付けをおっしゃっていただけると、読者の皆様が安心していただけると思います。
小園氏:弊社の経営面において心配がいらないということの裏付けとしては、特設注意市場銘柄の指定が解除されたことなど色々ありますが、
もっともわかりやすいのは、すでに債務超過を解消しているということです。
半年以上前のことにはなりますが、東芝は約6000億円の増資と債権の売却によって、債務超過を解消しています。
これに伴い、上場廃止のリスクからも解放されています。
中村:上場を維持できるというのは大きな安心材料ですよね。
半導体メモリ事業売却が確定
かつてないほど安定した財務状況に
中村:あとは半導体メモリ事業の売却がどうなるのか、ということにも注目が集まっていますね。
小園氏:注目されている半導体メモリ事業の売却についてですが、こちらは中国当局の判断を待つしかないという状況です。※
しかし、売却ができないということになったとしても、すでに債務超過は解消しているので全く問題はありませんし、無事メモリ事業の売却が完了すれば東芝史上かつてないほどの安定した財務状況になります。
※東芝メモリ事業売却について
インタビュー実施後にメモリ事業売却は確定。
東芝は2017年9月、メモリ事業について、米投資ファンドのベインキャピタルなどが組む「日米韓企業連合」と2兆円での売却契約を結んでいましたが、中国当局の独占禁止法審査が長引いていました。しかし、当インタビュー後に無事売却が確定。
これにより、東芝の財務状況は大幅に改善することとなり、経営面での不安は払拭されました。
経営問題はひと段落。今後は信用回復に努める
中村:性能面では他メーカーと比べても群を抜いていますので、経営面が安心できる状況だということがお客様に伝われば、以前のように東芝を選ぶお客様が増えていきそうですね。
小園氏:そうですね。確実に信用を回復できるように努めていきたいと考えています。