シャープが開拓する太陽光発電の新しい方向性 「AIoT」と「ソーラー充電スタンド」
シャープの新コンセプト「AIoT」
中村:Webモニタリングサービスの他にも独自のサービスがあれば教えていただけますでしょうか。
桃井氏: Webモニタリングサービス以外だと、これからは「AIoT」というコンセプトを提案していこうと考えています。
中村:AIoTとはどのようなものでしょうか。
桃井氏:AIoTとはAI(人工知能)とIoT(モノがインターネットにつながること)を組み合わせたシャープの造語ですが、
モノをインターネットに接続するだけではなく、人工知能によって学習して、利用者に最適化していくというシステムを目指しています。
例えば家庭のエネルギー情報を確認することができるHEMSに、今流行のAIスピーカーを連携させることで、よりエネルギーを身近に感じられるシステムを開発しています。
中村:HEMSは機能は優れていても、なかなかとっつきにくいところがあるので、AIスピーカーなどによって親しみやすいものになれば印象が変わっていきそうですね。
シャープ独自のAIスピーカーも販売検討
桃井氏:Google HomeやAmazon Echoのような他社製のAIスピーカーとの連携はもちろんですが、シャープも独自のAIスピーカーを用意しようと考えています。
他社製のAIスピーカーは受動型で人に質問されたら答えるというものですが、シャープ独自のAIスピーカーは学習機能によってお客様を理解し、適切なタイミングでAIスピーカーの方から話しかけることもできるようになる予定です。
中村:非常におもしろいですね。
桃井氏:AIスピーカーの他にも、太陽光発電で作った電気を有効利用できるDC(直流)エアコンや、蓄電池との連携に最適化された、停電モード付きの冷蔵庫なども用意しています。
それらの家電と太陽光発電や蓄電池がHEMSとAIスピーカーを中心につながることで、家庭のエネルギーをトータルマネージメントすることが可能です。
中村:スマートハウス全般に対応できるということですね。
自立型の「ソーラー充電スタンド」LN-CA2A
桃井氏:AIoTとは別ですが、自立型の「ソーラー充電スタンド」も新鮮に感じていただけるのではないかと思います。
「ソーラー充電スタンド」は太陽光パネルが発電した電気で携帯電話やスマホの充電ができるという商品です。
既にLN-CA2Aという機種を東京都世田谷区や、兵庫県神戸市のメリケンパークに採用していただいています。
商品名 | ソーラー充電スタンド |
---|---|
型名 | LN-CA2A |
充電台数 | 約60台分(1台15分として、蓄電池満充電状態から)※シャープの計算に基づく |
充電対応端末 |
フィーチャーフォン、 スマートフォン(Android端末、iPhone) |
充電口数 | 4口(同時に4台の充電が可能) |
太陽電池モジュール | BLACKSOLARモジュール2枚(公称最大出力184W以上) |
照明 | LED照明(日没時に自動点灯) |
全高 | 約4m(ベースプレートの埋め込み深さにより変動) |
耐風速 | 60m/sec(JIL1003 |
動作温度 | −15℃〜+40℃ |
中村:平常時も便利ですが、災害時の需要もありそうですね。
移動可能型の「ソーラー充電スタンド」LN-CB1AAも用意
桃井氏:災害時対策ということで言うと、LN-CB1AAという移動可能型の機種も用意しています。
災害時には避難場所に移動が可能で、満充電状態からスマホ約120台分の充電ができるので夜間や雨天時にも利用することができます。
商品名 | 移動型ソーラー充電スタンド |
---|---|
型名 | LN-CB1AA |
充電口数 | USB 4口 |
充電台数 | 120台(1台5分として、蓄電池満充電状態から) |
太陽電池モジュール | BLACKSOLARモジュール 1枚(公称最大出力:150W以上) |
照明 | LEDサイン灯(日没後に自動点灯) |
掲示板部 | 収容寸法:横841mm×縦594mm(A1横)(日没後にLED照明が自動点灯) |
質量 | 約150kg |
動作環境温度 | −15℃~40℃ |
中村:120台分も充電できるんですか。
桃井氏:移動型のLN-CB1AAはポスターや広告の掲示もできるようにしているので、災害対策としてだけではなく飲食店など商用利用の引き合いも想定しています。
オープンカフェなどで導入すると集客につながると思いますよ。
中村:それはかなりいいですね。タダでスマホの充電ができるというのは非常に魅力的だと思います。