シャープ太陽光発電 メーカー自らシステム設計を行う理由
販売店はシャープ太陽光発電の設計ができない
中村:既築市場のシェアにおいてシャープが首位を明け渡している理由として一つ思い当たることがあります。
ずばり言うと、「シャープは提案を作成する『設計ソフト』を販売店に提供していない」ということなのですが。
桃井氏:仰る通り「設計ソフト」の販売店への提供はしていません。全てシャープの八尾事業所の設計チームがシステム設計をしています。
中村:他メーカーはこの「設計ソフト」を販売店に提供しています。
そのため、販売店は手元でサクッとシステム設計をして、お客様に提案するということが可能です。
場合によっては、現地調査をしてその場で見積もりを作成してお客様に提示する、といったスピーディーな対応も可能です。
しかしシャープの場合は手元で提案を作成できず、シャープに設計してもらえるのを待つ必要があるので、どうしても対応が遅くなってしまいます。
この点はシャープ太陽光発電の数少ないネガティブな要素だと思っているのですが、設計ソフトを販売店に提供しないのは、何か考えがあってのことなのでしょうか。
販売店に「設計ソフト」を提供しないのは最適な提案を用意するため
桃井氏:確かに販売店自らが設計ソフトでシステム設計をできたほうが、お客様に対してスピーディーに提案ができると思います。
しかし、お客様の屋根は一つ一つ異なるので、パネルの配置や設置可能範囲など、微妙な判断を求められることがほとんどです。
設計ソフトをご販売店に提供するということは、パネルの配置や設置可能範囲などの微妙な判断をご販売店に委ねるということになりますが、より最適なシステム設計で提案したいということです。
中村:設置可能範囲の考え方が販売店によって異なるということも多いですよね。
複数社から違ったことを言われて「どちらの会社が言っていることが正しいのでしょうか」と困惑したお客様からご相談をいただくことは多いです。
桃井氏:屋根目いっぱいにパネルが載せられるわけではないですが、販売店はできるだけ多い枚数で提案してメリットを見せたいという考えもありますからね。
また、その逆に、販売店がよくわからないが故に保守的になりすぎて、少なすぎる枚数で提案しているようなケースも見受けられます。
その点、シャープが設計を担当すれば、どのような設計をすれば安全でかつ最も効率がいいか誰よりも熟知しているので、お客様視点で適切な設計をすることが可能です。
また、やはりシャープが製造した商品については、最後まで責任を持ちたいという気持ちがあります。
そういったことを考えるとシャープが設計を行う今の体制がベストではないかと思います。
シャープはあらゆる屋根環境に対応できる
中村:シャープは他メーカーだと対応できないような設置環境だったとしても柔軟に対応してくれますよね。
それも無理に設置を許可するのではなく、資料を揃えて設置ができる理由を明確に提示してくれるので、お客様に提案する立場からするととてもありがたいメーカーという印象です。
これはやはり累計設置件数が他メーカーより圧倒的に多く、十分な知見があるから判断できるということですよね。
桃井氏:そうですね。おかげさまでシャープは2017年時点で累計施工実績が81万件と、最も累計実績があるメーカーですので、設計面でも他メーカーより知見があるのは間違いないと思います。
BLACKSOLARは一日で設計が可能
桃井氏:また、提案スピードに関してですが、BLACKSOLARに関しては建物図面をもらった翌日には、プランを設計してお渡しするようにしています。
現地調査をしてその場で見積もりを提出するということはできませんが、翌日にはお客様に提案できる状態になっているので、対応が後手後手になるということはないと思いますよ。
中村:依頼翌日にプランをもらえるのであれば、全然遅くないですね。おそらくそれだけスピーディーに対応できるということを多くの販売店は知らないと思いますよ。
桃井氏:販売店が見積もりを作成する手間を省くこともできるので、まだシャープを取り扱っていない販売店さんには是非採用してほしいですね。