太陽光発電の歴史をつくってきたシャープ
シャープエネルギーソリューション株式会社 エネルギーシステム事業部長 桃井恒浩氏にインタビュー
国のエネルギー政策のベースとなる「エネルギー基本計画」には次のような文章が明記されています。
……(中略)住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。
このエネルギー基本計画に記載されている内容からも明らかなように、今後新築住宅ではZEHが標準化へ向かっていきます。
住宅をZEH化するためには必ず発電設備を搭載することが必要となりますが、一般住宅に設置できる発電設備とは、太陽光発電とほぼイコールです。
今までは住宅用太陽光発電は既築市場が中心でしたが、ZEHの普及に伴いこれからは新築市場が一気に拡大していくと言われています。
そして、その新築太陽光発電市場で不動のNo.1の座に君臨するのがシャープです。
今回のインタビューではシャープ太陽光発電事業のトップ、シャープエネルギーソリューション株式会社エネルギーシステム事業部長の桃井恒浩氏にお話しを伺ってきました。
1984年4月 シャープ入社
システムエンジニア、モバイルオフィス技術開発・標準化策定、事業戦略企画部門を経て
2001年1月 情報システム事業本部 本部長室長
2004年4月 情報本部パーソナルツール事業部 副事業部長兼商品企画部長
2006年10月 電化システム事業本部 新規事業推進センター所長
2011年10月 健康・環境システム事業本部 LED照明事業部長
2014年5月 研究開発本部 企画・管理統轄 兼総合技術企画室長
2015年10月 エネルギーソリューションカンパニー ソーラーシステム事業部長
2016年9月 エネルギーソリューション事業本部 エネルギーシステム事業部長
シャープ太陽光発電の歴史
「無限にある太陽光で電気を起こすことを考えれば、人類にどれだけ寄与するかは、はかりしれない」
シャープの太陽光発電事業は創業者の早川徳次氏のこの言葉をきっかけに研究開発がスタートしました。
世界各国で国家プロジェクトとして太陽光発電の開発が活発になったのは、1973年のオイルショック以降のことですが、シャープが太陽光発電の研究開発を始めたのはその遥か10年も前の1959年。
シャープはまさに太陽光発電の先駆者です。
1994年には住宅用太陽光発電システムの販売を開始し、これまでに国内で81万軒以上の住宅にシャープ製の太陽光発電システムが設置されています。
1959年 太陽電池の研究開発スタート開始
1963年 太陽電池の量産化に成功
1966年 尾上島に当時世界最大225Wの灯台用太陽電池設置
1976年 世界初太陽電池付き電卓を発売
1976年 日本初の実用衛星「うめ」に太陽電池採用
1994年 住宅用太陽光発電システム販売開始
2009年 業界初Webモニタリングサービス開始
2013年 研究レベルにおける非集光太陽電池セル世界最高変換効率37.9%の太陽電池セル開発
2016年 研究レベルにおける太陽電池モジュール(集光型を除く)において世界最高変換効率31.17%の太陽電池モジュール開発
灯台から人口衛星まで あらゆる場所で活躍するシャープ太陽光発電
もちろんシャープの太陽光電池は住宅用だけではありません。
1966年尾上島の灯台に設置されて以降、2828ヶ所の灯台にシャープ製の太陽電池が設置されています。
1976年にはシャープ太陽光電池は日本初の実用衛星「うめ」にも搭載、以降175基以上の人工衛星にシャープ製の太陽電池が搭載されています。
もちろん国内外の社屋や商業施設、スタジアムなどの大規模産業用システムにも採用されています。
シャープ自体でも国内38ヶ所でメガソーラー発電所の運営も行っています。
灯台用、宇宙用、住宅用、産業用とあらゆるカテゴリーにおいて圧倒的な実績を持ち、太陽光発電の歴史を作ってきたシャープ。
今回はその歴史にも触れながら、今後の展望について根掘り葉掘り聞いていきたいと思います。