パナソニックは太陽光発電だけではなく、エネルギーをトータルマネージメントする
これからの太陽光発電市場は家のエネルギー全体で考えるようになる
中村
では改めまして、今後の戦略についてお伺いしたいと思います。
まずは太陽光発電市場はこれからどのように変わっていくとお考えでしょうか。
吉田氏
今後、太陽光発電システムで作った電気は、余剰売電するのではなく自家消費するのが主流になっていきます。
そうすると太陽光発電システムには蓄電地が標準化されていくと思いますし、とにかく発電したものを売電するという発想から家全体のエネルギーをマネジメントしていくという流れになっていくと思います。
そしてこの部分について、我々は圧倒的な強みがあり市場に大きなインパクトを出せると考えています。
パナソニックは蓄電池、HEMS、エコキュート、IH全て自社製で用意
吉田氏
パナソニックは大半のメーカーと違い、パワーコンディショナも蓄電池も自社で製造することが可能です。
蓄電地、バッテリーについての技術力は世界一だと自負しています。
そしてそれらをコントロールするHEMS(ヘムス)もあります。エコキュートもIHもすべてパナソニック自社製です。
現在の市場では太陽光発電単体で導入する方が多いですが、2019年問題もあり、蓄電池やエコキュート、HEMSを使ってエネルギーをトータルで考える流れに急速にシフトしてきています。
中村
既に太陽光発電とあわせて蓄電池やエコキュート、HEMSを導入する方は増えてきていますね。
パナソニックは「街」のエネルギーマネージメントまで手掛ける
吉田氏
パナソニックでは以前より太陽光発電単体ではなく住宅のエネルギー全体として考えてやってきましたけれども、やっと時代が追いついてきました。
また、住宅内でのエネルギーをトータルで提案するというのはもちろんですが、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンに代表されるように、街全体のエネルギーを管理、最適化してくというところまでを当社では想定しています。
パナソニックの創蓄連携システムは停電時にも活躍した
中村
たしかに時代が追いついてきた感じですね。
太陽光発電でつくった電気を売電したほうが圧倒的にお得だった時代には「創蓄連携システム」と言われてもあまりピンとこなかったのを覚えています。
吉田氏
確かに経済的なことだけを考えると、売電価格が高いのであれば太陽光発電でつくった電気を貯める必要はないですからね。
しかし蓄電池は本来経済的なメリットだけではなく、災害時の安心も手に入れることができる商品です。
2016年の熊本地震で被災にあわれた方々の中にも当社の創蓄連携システムを設置していた方がいましたが、停電が起きた時にそのお宅だけが太陽光発電と蓄電池で電気が供給できて、近所の方が集まってくるということがあったそうです。
充電もできる、たき出しもできると。そのような話は私たちにとって非常に励みになります。
テスラ、トヨタとの提携は高品質の証
中村
蓄電地といえばあのテスラとも提携されていますよね。
世界で最も勢いのある企業といっても過言ではないテスラと提携したことで、「蓄電池といえばパナソニック」という印象がかなり広がりました。
吉田氏
テスラはとにかく高性能を重視する会社ですので、その要望に応えるのは本当に大変でしたが、選んでいただきました。
また、蓄電地ではなく太陽光パネルに関してですが、トヨタのプリウスに搭載されているのも当社の太陽光発電です。
周知の通り、トヨタはおそらく世界一信頼性を追求している会社です。その要望に応えることは並大抵ではありません。
性能を追求するテスラ、信頼を追求するトヨタの2社と提携しているという事実は我々が多くを語るよりも製品の品質の裏付けになるのではないかと思います。
中村
確かに、これ以上あとは何を不安がればいいのだろうという感じですね。
これからの更なる攻勢が期待できます。
蓄電池後付けを可能にしたパワーコンディショナR
吉田氏
蓄電池に関して言えば、 パワーコンディショナRという製品を発売します。
(2月21日発売済み)
パワーコンディショナRは業界で初めて、蓄電池後付けに対応した太陽光発電のパワーコンディショナです。
従来のパワーコンディショナは蓄電池非対応のため、蓄電池を後付けする際にはパワーコンディショナの付け替えが必要でした。
しかし太陽光発電を設置する際にあらかじめパワーコンディショナRを導入しておけば、蓄電池を後付けするときにもパワーコンディショナの交換が不要となります。
当然、この製品に関してはパワコンだけを購入したい方、パワコンに蓄電池も設置する方などにも提供が可能です。
中村
ますます幅広いニーズに応えられるようになっていますね。