「2018年は世界の太陽光発電の転換期」カナディアン・ソーラーの価値はどう変わるか
怒涛の追い上げのカラクリ「OEMの宿命」
中村
これまでのお話しをお伺いしていて、既に産業用の市場では完全に海外メーカーシェアが国内メーカーを上回っていますが、住宅用太陽光発電市場でもこの逆転現象が近々起きるのではと思うのですが、どのようにお考えでしょうか?
山本社長
国内メーカー各社が徐々に国内のパネル製造から撤退したり、海外の企業からモジュールをOEM調達したりしてきていますが、それでも一定数「多少高くても、その会社が製造していなくても、そのブランドがついていれば良い」というお客様はいらっしゃると思います。
ただOEMの宿命ですが、最低数量を保証して買い入れをしますから、かなりの量を買わなくてはなりません。
一方、技術進化のスピードはかなり早く、その契約期間が終了するまでの期間、あるいは購入したモジュールの在庫がなくなるまでに技術が変わってしまう可能性も十分あります。
つまりOEMでは、早い技術革新サイクルには追いついていけないという課題があります。
そして価格面ではご存じの通り、OEMでその差を小さくするには限界があります。
そう考えるとさらに我々海外メーカーにとっては、まだシェアを大きくするチャンスがあると思います。
中村 たしかにシステム価格が下がるに伴い、海外メーカーへの抵抗はそもそも少なくなってきておりますので、今日のお話しなどが浸透するに従いさらにシェアが高まっていくというのは非常に納得がいきます。
保証手続き・施工研修を電子化して販売店を支援
山本社長
ところでソーラーパートナーズさんのサイトは、販売店の方もご覧になりますか?
中村 検討中のエンドユーザー様向けのサイトですが、情報を網羅しておりますので販売店の方も多数ご覧になって頂いています。
山本社長 そうですか。エンドユーザーの方には直接関係ないのですが、弊社は電子化の部分ではかなり進んでいると思います。
施工研修もeラーニングで取得できる体制を整えておりますし、保証の申請も全てオンラインでPCはもちろん、スマホでも完了できます。
ですから現場から直接保証申請が完了でき、大きく時間を短縮できると思います。
配送に関しましても、国内2か所の倉庫から平均2日以内での短納期での配送も実現しており、また、屋根材の対応も日本の屋根のほぼ100%に近い屋根材への対応を完了していて、サービス品質、対応力などどの面をとっても国内メーカーに比べて同等、あるいはそれ以上のレベルであると自負しております。
カナダ国内で、最も魅力ある会社として2016年度ランスタッドアワードを受賞しております。
今までカナディアン・ソーラーを取り扱っていない販売店の皆様、ぜひご利用お待ちしています。
中村 あの保証申請の変更は、うちの担当も感嘆の声をあげていました。
山本社長 ありがとうございます。
蓄電池の強化は2018年以降
中村 販売店といえば、これからより太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入される方が増えていくと思いますのでそのあたりの商品ラインアップは今後どうお考えでしょうか?
山本社長 蓄電池については、非常に重要だと思っています。
ただ、この部分はまだ国内メーカーに比べて少し弱い部分ですので、2018年以降強化していくために今まさに動いているところです。
2018年は世界の太陽光発電の転換期
中村 最後になりましたが、これからの展望などお考えをお聞かせください。
山本社長
そうですね。
世界のマクロの話になりますが、転換期が2018年から2019年といわれています。
これまでは太陽光発電の世界市場は、常に右肩上がりで成長を続けてきました。
常に、今年より翌年は販売数量が増えるというようにです。
ヨーロッパの市場が立ち上がり、ヨーロッパが落ち着いたら、日本、アメリカ、次に中国と、主役となる市場を変えながら成長は続いてきました。
そういう時は、量を作ってコストを落とすと戦略1本で良かった、とにかく作ってコストを落とすと。
その量は必ず次の年に掃けるわけですから。
しかし、この潮目が変わってきました。
そうすると原点に立ち戻って、いかに他社と差別化をして、付加価値をつけていくか。
量を作って価格を下げるというステージから、『差別化』のステージに市場を誘導し、自分たちの立ち位置を確立していくかということが重要になってきます。
そうでないとこれから先は生き残っていけません。
その新しいステージでも、カナディアン・ソーラーは常に主役であり続けます。
今日お話した通り、エンドユーザー様向け、販売店様向けの提供する様々な価値を高めていくという取り組みを積極的に進めており、その効果もあってか、おかげさまで目下の業績も好調です。
新商品の効果もこれから出てくると思いますので、2018年以降もよりシェアを上げることができると期待しています。
中村 今日はどうもありがとうございました。
山本社長 ありがとうございました。