長州産業プレミアムブルー Gシリーズ(CS-320G31)の性能は?紫外線も電力にする
長州産業のGシリーズ(CS-320G31)とは?
長州産業のGシリーズは、Bシリーズと比べて高性能な製品です。
今回は、長州産業のGシリーズ(CS-320G31)をご紹介いたします。
長州産業のメーカーとしての特徴や他パネルについては、こちらをご覧ください。
型番 | CS-320G31 |
---|---|
小売価格 | 208,000円+消費税 |
公称最大出力 | 320W |
モジュール変換効率 | 19.5% |
公称最大出力動作電圧 | 36.3V |
公称最大出力動作電流 | 8.82A |
公称開放電圧 | 43.9V |
公称短絡電流 | 9.34A |
質量 | 16.8kg |
寸法 | 横1,634×縦1,003×厚さ35mm |
発売日 | 2016年8月8日(月) |
太陽電池モジュールGシリーズ(プレミアムブルー)タイプ発売 | CIC
国内メーカーの中では、変換効率が3番目
国内の太陽光発電のメーカーで、長州産業のGシリーズはどれくらいの発電性能を持っているのでしょうか。
以下に変換効率の高い順に並べてみました。
長州産業Gシリーズのカタログではセル変換効率である21.7%を押していますが、一般的にパネルの性能を比較するときはモジュール変換効率(Gシリーズは19.5%)を使いますのでこの表でもモジュール変換効率で比較しています。
メーカー (型式) |
変換効率 | 出力 | 横寸法 | 縦寸法 |
---|---|---|---|---|
東芝(Sシリーズ標準) TOSHIBA (SPR-253NX-WHT-J) |
20.3% | 253W | 1,559mm | 798mm |
シャープ(ブラックソーラー) SHARP (NQ-256AF) |
19.6% | 256W | 1,318mm | 990mm |
長州産業(Gシリーズ) CIC (CS-320G31) |
19.5% | 320W | 1,634mm | 1,003mm |
パナソニック(HIT) Panasonic (VBHN245SJ33) |
19.1% | 245W | 1,580mm | 812mm |
こうして見ると、長州産業のGシリーズがパナソニックのHITをおさえて3番目に変換効率が高いことがわかります。
変換効率についてはこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
長州産業Gシリーズの出力を大幅に改善した3つの技術
長州産業のGシリーズは従来のパネルで課題だった発電ロスや紫外線などを抑える技術を独自で作り出すことで出力を上げることに成功しています。
Gシリーズが高出力を実現できた理由は、3つの技術にあります。
- 紫外線を利用する「波長変換機能」
- 発電ロスを抑える「リアエミッタヘテロ接合」
- 送電ロスを抑える「マルチワイヤ電極」
1. 紫外線を利用する「波長変換機能」
この『プレミアムブルー』という名前の所以となった機能です。
今までは利用できなかった紫外線を可視光に変換して活用することで出力を改善しています。
2. 発電ロスを抑える「リアエミッタヘテロ接合」
リアエミッタヘテロ接合という、パナソニックのHITに近い技術を取り入れることで、送電ロスを抑え、出力を上げることに成功しています。
これはプレミアムブルーの前のGシリーズ(CS-310G21)で採用されたものです。
あとでもう少し詳しく解説しますが、ヘテロ接合を採用することで温度による発電ロスも抑えることができます。
3. 送電ロスを抑える「マルチワイヤ電極」
昔からGシリーズに用いられているマルチワイヤ電極は、Bシリーズに比べて電極間の距離が短いため、送電のロスを抑えることができ、出力が高くなっています。
リアエミッタヘテロ接合の温度上昇によるロスはどれくらい?
高温に強いパネルといえば、ヘテロ接合の元祖であるパナソニックのHITですが、長州産業のリアエミッタヘテロ接合と、どちらの性能のほうが良いのでしょうか?
太陽光パネルには、夏場になると温度上昇によるロスが発生します。
なるべく少ないほうが性能が良いのですが、長州産業の各種パネルはどれくらい違うのか比較しました。
メーカー | パネル 種別 |
春・秋 (4月~5月) (10月~11月) |
夏 (6月~9月) |
冬 (12月~3月) |
---|---|---|---|---|
パナソニック(HIT) | HIT | 7.74% | 10.32% | 5.16% |
長州産業(Gシリーズ) | リアエミッタ ヘテロ接合 |
9.9% | 13.2% | 6.6% |
長州産業(Bシリーズ) | 単結晶 | 13.2% | 17.6% | 8.8% |
こうして比較すると、HITが一番温度上昇によるロスを抑えられているのがわかります。
Gシリーズの温度によるロスはHITに比べると劣りますが、変換効率ではHITを超えています。
高性能パネルであることは間違いありませんので、長期的に利益を得たい方にはおすすめのパネルです。
その他メーカーの比較や温度によるロスが発電量にどう影響するかなどは、以下の記事をご覧ください。