【2024年】太陽光発電のトラブル・失敗事例 損したケース総まとめ 施工不良はなぜ起こる?回避するには?
こんにちは!
「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部です。
残念ながら太陽光発電には様々な失敗やトラブルがあります。
具体的には、「不当に高額な契約」や「シミュレーションの水増し」といった契約時の失敗や、「反射光」「落雪」「補助金申請ミス」「雨漏り」「発電量が少ない」「業者の倒産」「土地設置の雑草」「騒音」「電磁波」など設置後のトラブルまで様々です。
これらのトラブルを防ぐためには一体どうすればいいのでしょうか。
プロが回避方法まで徹底的に詳しく教えます。
- 1 太陽光発電のトラブル・失敗の相談は年間3000件以上
- 2 契約時の失敗事例その1.相場価格とかけ離れた高額で契約
- 3 契約時の失敗事例その2.激安価格にとびついてしまう
- 4 契約時の失敗事例その3.シミュレーションの水増しに騙される
- 5 契約時の失敗事例その4.経験不足の業者と契約してしまう
- 6 設置後のトラブル事例1.反射光のトラブル
- 7 設置後のトラブル事例2.雪のトラブル
- 8 設置後のトラブル事例3.補助金トラブル
- 9 設置後のトラブル事例4.雨漏りトラブル
- 10 設置後のトラブル事例5.発電量トラブル
- 11 設置後のトラブル事例6.倒産トラブル
- 12 設置後のトラブル事例7.雑草トラブル
- 13 設置後のトラブル事例7.音のトラブル
- 14 設置後のトラブル事例8.電磁波トラブル
- 15 設置後のトラブル事例9.システム故障が保証外となってしまった失敗
- 16 設置後のトラブル事例10.台風によるトラブル
- 17 まとめ
太陽光発電のトラブル・失敗の相談は年間3000件以上
国民生活センターには、毎年平均で3000件以上の太陽光発電に関する相談が寄せられています。
年度 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
---|---|---|---|---|---|---|
相談件数 | 3,935 | 4,463 | 4,747 | 4,374 | 3,368 | 2,700 |
年度 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
---|---|---|---|---|---|---|
相談件数 | 2,808 | 2,971 | 2,803 | 2,437 | 2,000 | 1,620 |
こちらのデータは少し古いですが、今でも同様に訪問販売によるトラブルは起き続けています。
これだけの相談件数があることからもわかるように、知識を持たずに契約し、太陽光発電を設置することにはリスクが伴いますが、その内容を分かっていればリスクを回避することができます。
この記事では、まずは「契約時の失敗事例」を紹介した後に、「設置後のトラブル事例」を紹介します。
既に太陽光発電を設置している人は「契約時の失敗事例」についてはスキップしていただいても問題ありません。
契約時の失敗事例その1.
相場価格とかけ離れた高額で契約
相場価格とかけ離れた高額な契約
「相場価格とかけ離れた高額契約」をすることは違法ではありません。
モノをいくらで売るかは、売る側の自由であり値付けこそが経営とも言えるからです。
商売の基本は、安く仕入れて高く売ることですから太陽光発電を高く売ること自体は決して悪いことではありません。
しかし買う側の立場で考えると、当然ながら、太陽光発電を相場価格からかけ離れた金額で購入してしまうと経済メリットが失われてしまします。
ほとんどの方にとって、太陽光発電を導入する目的は経済メリットですので、高額で購入して経済メリットが失われてしまうと、導入する意味がなくなってしまいます。(もちろん、太陽光発電は世間的に良いものではあるのですが)
なぜ相場価格とかけ離れた高額な契約をしてしまうのか?
相場価格とかけ離れた高額で契約してしまう人が後を絶たないのはなぜなのでしょうか。
それは太陽光発電の説明をする営業マンが言葉巧みだからです。
営業マンは「モニターとして特別に工事代は無料にしますよ!」といった、いかにもお得に感じるようなセールストークを使います。
また、「○○棟限定ですよ!」など、今すぐ契約をしなければならないと思わせるテクニックも駆使してきます。
相場価格とかけ離れた高額な契約の回避方法
少しでも提案内容に不審な点を感じたら契約する前に徹底的に調べてください。
調べてもわからないという方はソーラーパートナーズでも無料相談を承っていますので、ご相談いただいてもかまいません。
ちなみに、「訪問販売でも複数社の見積もりを比べたから大丈夫」と考える方がいますが、ひどいケースですと3社比較した全てが仲間の訪問販売会社(つまりグル)で、全て高値だったということもあります。(本当です)
相見積もりを取ったら安心ということではありません。
相場よりも100万円高い提案もよく聞きます。油断せずに調べましょう。
見積内容が適切かどうかをチェックするポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。是非ご確認ください。
契約時の失敗事例その2.
激安価格にとびついてしまう
激安価格にとびついてしまう
「安かろう悪かろう」という言葉があるように、激安価格で契約して失敗する方も多いです。
確かに、太陽光発電は、経済メリットを主な目的として購入する人が大半ですので購入金額は安いにこしたことはありません。
しかしあまりにも極端な激安価格は、必ずどこかに歪みを生みます。
例えば、「粗悪な工事をされてしまう」「粗悪なシステムを選ばされる」「業者が倒産してアフターフォローが受けられない」などです。
ちなみに、太陽光発電は製品自体の保証はメーカーに紐づくため、業者が倒産しても適用になりますが、雨漏りなど工事の瑕疵に対する補償は業者に紐づきます。
つまり業者の倒産はアフターフォローが行われなくなるだけでなく、工事保証を失うことを意味します。
自転車操業に陥っていて、直近の利益を生み出すために価格で提案している業者も見受けられますので、うかつに激安の業者を選ぶことは、「はっきりいって危険」です。
なぜ激安価格にとびついてしまうのか?
激安価格に飛びついてしまう主な理由は「相場を知らないから」です。
仮に相場を全く知らずに、同じ太陽光発電システムをA社が200万円、B社が100万円で提案してきたらどうしますか?
間違いなくB社を選ぶのではないでしょうか。
しかし、もしも「相場価格は200万円」と知っていたら、B社の提案は「何かウラがありそうだぞ」と避ける人がほとんどだと思います。
新車の車が10万円で売っていたら怪しくて買わないのと一緒です。
激安価格にとびついてしまうことを避けるには
つまり「激安価格で契約して失敗」の回避方法は「相場を知ること」です。
以下のリンクから最新の各メーカーの相場価格を確認できます。手元に見積書のある方は是非見比べてみてください。
契約時の失敗事例その3.
シミュレーションの水増しに騙される
シミュレーションの水増しに騙される
「シミュレーションの水増し」に騙される方も後を絶ちません。
予測発電量を水増しされてしまうというケースがあるのはもちろん、更に発電量に対しての経済メリットまで水増しされているケースも見受けられます。
シミュレーションを水増しされてしまうと、当然ながら実際に設置した後は思っていたようなメリットは得られません。
「シミュレーションの水増し」にひっかかるのは、よくある失敗事例です。
なぜシミュレーションの水増しに騙されるのか?
シミュレーションの水増しに騙されるのは、シミュレーションの計算根拠を知らないからです。
悪質な業者がメリットを多く見せかけるのは、シミュレーションの根拠まで調べる方がほとんどいないことを知っているからです。
(嘘のような本当の話ですが、営業マン自体に知識が無さ過ぎて水増しをしている認識がない場合もかなりありますが...)
シミュレーションの水増しに騙されないためには?
つまり、シミュレーションの計算根拠を理解していれば、「シミュレーションの水増しに騙される失敗」を避けることができます。
以下のページでシミュレーション詐欺のよくある手口と、予測発電量の正しい計算方法を紹介していますので、是非ご確認ください。
また、どうしても自分で計算するのが面倒だ、という人には別の方法もあります。
それは、メーカーの設計システムソフトの発電シミュレーションを見せてもらうことです。
屋根の方位、角度、パネル枚数などの基本情報さえあっていれば、メーカーの設計システムソフトの発電量シミュレーションは業者が操作することはできません。
一部のメーカーは除きますが、基本的にメーカーのシミュレーションは太陽光発電協会(JPEA)が定めている計算方式を採用しておりますので信ぴょう性があります。
ちなみに設計システムソフトの発電量シミュレーションは主要全メーカーが用意しており、部材の発注をする際には必ず設計ソフトを使う必要があります。
そのため、どんな業者でも設計システムソフトの発電量シミュレーションはお客様に見せることができるはずです。
もし「メーカーのシミュレーションは見せることはできない」という業者があれば即刻検討を打ち切ってよいと思います。
契約時の失敗事例その4.
経験不足の業者と契約してしまう
経験不足の業者と契約してしまう
経験不足の業者と契約し、工事をしてもらうことはシステム設計のミス、施工不良のリスクにつながります。
例えば電子レンジを経験不足の家電屋さんから購入した場合には、それほどの失敗は起きないと思います。
あるとしても梱包が下手であるとか、メーカー比較の説明が下手でわかりにくいというレベルだと思います。
しかし太陽光発電は工事が必要な製品です。
家にあわせたシステム設計をし、屋根の上に取り付けを行い(野立てや陸屋根であれば架台の組み立てもあり)、発電した電気が使えるように電気工事まで行わなければなりません。
経験不足の業者はシステム設計を誤り、思ったような発電量が得られないばかりか、取付工事でミスを起こして雨漏りを引き起こしたり、電気工事をミスして最悪の場合火災の原因まで作ります。
しかし、実際には経験不足の業者と契約してしまう人が非常に多いです。
なぜ経験不足の業者と契約してしまう人が多いのか?
なぜ経験不足の業者と契約してしまう人が多いのか。
それは経験不足の会社ほど、経験を積みたいばかりに魅力的な提案をする傾向があるからです。
相場よりかなり安い金額であったり、毎年無料でメンテナンスを行うことを約束するなど、後先のことを考えない過剰なサービスを提案しているケースが多いです。
経験不足の業者との契約を避ける方法
経験不足の業者との契約を避けるのは簡単です。
魅力的な提案をされてもすぐに飛びついて契約せずに、設立年月日を聞くこと、実績件数をヒヤリングすることと、実際に設置した事例を教えてもらうことです。
曖昧な回答しか返ってこないようであれば、業者のホームページを調べてください。少なくとも設立年月日はわかります。
ホームページに設立年月日が記載されていない場合は要注意。設立間もないので意図的に情報を隠している場合がほとんどです。
また、もしもお話を聞いている業者がソーラーパートナーズソーラーパートナーズ認定企業か知りたいということであればお気軽にご連絡ください。
設置後のトラブル事例1.
反射光のトラブル
トラブルと聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、近隣トラブルの代表例である反射光トラブルです。
野立ての太陽光発電の反射光トラブルがワイドショーでもかつて取り上げられましたので記憶している方も多いかと思います。
2012年には横浜市の住宅用太陽光発電の反射光トラブルで訴訟にまで発展しました。
太陽光パネルにあたった光が反射して、近隣の方がまぶしいと感じるトラブルのことを反射光トラブルと言います。
なぜ反射光トラブルが起きるのか?
太陽光パネルはそもそも低反射の対策はとられています。
そして発電効率を高めるために基本的には太陽光を垂直に受けたいので南向きの屋根に、野立てであれば南向きに角度をつけて設置をします。
南から差し込んだ光に対しては入射角と反射角は同じになりますので、基本的には住宅用の太陽光発電の反射光は空に戻ることになり問題になることはありません。
しかし北側の屋根に設置した場合は、冬の日が低い時には南側から差し込んだ光が北側の斜め下に反射することになります。
住宅は南側に採光のための窓を設けていますので、部屋に前の家の屋根から反射した光がさしこむ事態となり、トラブルを引き起こします。
横浜の反射光訴訟はまさしくこのケースで、さらに傾斜地だったため、反射光を受ける側の家の方が高い場所に建っていたことも被害を大きくしました。
反射光トラブルの回避方法
一番簡単な方法は、北向きの屋根には太陽光パネルは設置しないこと、そして野立ての太陽光発電は住宅街の中には作らないことです。
北向きの屋根に設置しないと聞いて、それはそうだろうと思うかもしれません。
しかし実際には北向きの屋根といっても、北西もあれば西北西もあります。
西北西であればほぼ西向きで十分発電をしますし、北西でも積極的には勧めませんが総合的に判断して、設置するケースはかなりあります。
「北」という文字が含まれる方位に設置を検討しているのであれば、とにかく事前に近隣状況を確認して、反射光がどこに向かう可能性があるのか、そこに住宅はないのか、確認をするようにしてください。
設置後のトラブル事例2.
雪のトラブル
雪のトラブルとはなにか?
太陽光発電による雪のトラブルは3種類あります。
1つは落雪による近隣とのトラブル。
もう1つは雪の重みによる自宅屋根が壊れるトラブル。
最後は雪の影響による発電量低下のトラブルです。
なぜ雪のトラブルが起きるのか?
まず落雪による近隣とのトラブルですが、これは太陽光パネルが強化ガラスで覆われていて屋根材より雪が滑りやすいことが原因です。都市部など隣の家との距離が短い場合は、自分の敷地に雪が落ちず、近隣の車にあたったり、植栽にあたったりしてトラブルを引き起こします。
雪の重みによるトラブルは、雪国のことを知らない会社が遠征して訪問販売をしたことが原因でよく起こります。現地の業者であれば普段暮らしているので状況がわかっていますが、大坂や名古屋などの会社が北陸エリアへ訪問販売してきた時などが要注意です。
最後の雪の影響による発電量トラブルの原因は、明確に説明不足もしくは嘘の説明によるものです。予想していた発電量ほど冬になったら実際は出ないということでトラブルになっています。
雪のトラブルの回避方法
落雪による近隣トラブルの回避方法は大きく3つあります。
1つは雪止めの上には太陽光パネルを設置しないこと。
もしくは各メーカーが用意しているパネル間雪止めを設置することです。
屋根には雪止めといって、屋根の上に雪を留めておくための金具が軒側に設置されています。太陽光パネルはなるべく効率の良い屋根にはめいっぱい設置したいので、軒先についている雪止めの上にもパネルを設置してしまう事が多いです。
これですと当然ながら雪は屋根上にはとどまらず滑り落ちていってしまいます。
ですからそもそも最下段のパネルは設置しないようにするか、設置するのであればパネルとパネルの間に設置できる雪止めをつけることで対処します。
次に雪の重みによるトラブルですが、雪の多い地域は各メーカーとも太陽光発電の設置基準が違いますし、金具の点数なども変わってきます。これらの事をしっかりと熟知している地元の会社にお願いをするということが唯一の回避方法だと思います。
最後の雪の影響による発電量トラブルの回避方法は、発電シミュレーションの計算根拠を尋ねることです。発電シミュレーションは各地域の過去30年間の平均日射量を元に計算するのが正常です。
この手順を踏まず、口頭だけの場合にトラブルが発生しています。酷いところでは、雪による乱反射によって雪が積もっていたらむしろ発電量が増えるというとんでもない嘘をついて販売している所もありますのでご注意ください。
設置後のトラブル事例3.
補助金トラブル
補助金トラブルとはなにか?
契約時に太陽光発電の補助金がもらえると聞いていたのに、後になってその補助金がもらえないと判明し、業者とトラブルが発生するものです。
なぜ補助金トラブルが起きるのか?
なぜもらえるはずだった補助金がもらえなくなってしまうのでしょうか?
その理由は2つあります。
1つは純粋に太陽光の業者が申請手続き自体を完全に忘れてしまっていたケース。
もう1つの方が多いのですが申請手続き自体を忘れていた訳ではないのですが、申請手順を間違えてしまい、もらえなくなってしまうケースがあります。
補助金トラブルの回避方法
今も市区町村単位では、太陽光の補助金が出るところが結構あります。そして市区町村ごとにその申請手続きがバラバラですので、とにかく事前にしっかりと調べるということしか回避方法はありません。
難しいところは、基本的に個人で補助金申請書類をそろえることが難しいため、書類一式を揃えるところは太陽光の業者が行うのが通例です。この際に頑張って業者任せにせず、自分で該当自治体のサイトを確認して理解をするという事が最大の防御になると思います。
補助金情報が記載されているページを探すのが面倒であれば、我々ソーラーパートナーズが用意している補助金情報を参照してください。
各地方自治体の補助金ページへのリンクも用意してあります。
一番ミスでよく発生するのが、工事前に申請しなければならないにも関わらず、工事後の申請でよいと勘違いしてしまっているケースですので、そのポイントだけ気を付けてチェックをしてみることをまずはお勧めします。
設置後のトラブル事例4.
雨漏りトラブル
雨漏りトラブルとはなにか?
これはもうその名の通り雨漏りです。野立てでは発生しようがありませんので住宅用の太陽光発電でのケースになります。
なぜ雨漏りトラブルが起きるのか?
なぜ雨漏りが起きるのかは、手抜き工事が原因と思われるかもしれませんが、これは屋根の構造自体に由来するのですが、実は手抜き工事ぐらいでは雨漏りは正直なところ起きません。
ではどういう時に雨漏りが起きるのかというと、太陽光発電の設置がNGの屋根にそれを知ってか知らずか設置してしまうケースです。
わかりやすい例で言うと、屋根材がスレートの屋根で、野地板が構造用合板ではなくバラ板の場合、全てのメーカーで設置がNGです。
野地板がバラ板という事は、素材は杉板なのですが、板と板がバラバラするからバラ板と言われているだけあって、野地板の様子を上から確認することができないスレート屋根ではビスがバラ板の隙間に打ち込まれてしまうリスクがあります。
これでは引き抜き強度が全く担保されていませんので、次第にグラグラと抜けてきてしまい、そこから雨水がダイレクトに2階の天井に垂れることになるのです。
雨漏りトラブルの回避方法
モラルと知識のある業者にお願いすることが唯一の回避方法なのですが、そういう会社に出会う、見抜くことが難しいからこのようなトラブルが起きているのであって難しい話です。
少しポジショントークになってしまいますが、これは販売だけをやっている会社ではなく、自分達で責任をもって施工まで行う工事会社に直接お願いをするという事で回避できると思います。
設置後のトラブル事例5.
発電量トラブル
発電量トラブルとはなにか?
雪のトラブルでも出てきましたが、予想していた発電量より、実際の発電量が少ないという設置者と業者間のトラブルです。
なぜ発電量トラブルが起きるのか?
これは2つ理由があります。
1つは施工ミスによるものです。太陽光発電システムは例えば24枚設置する場合は、6枚ずつを一つにつなぎ合わせ(6直列)、それを4本束ねていきまます(4並列)、これらの配線がどこかで途絶えてしまっているケースです。
もう1つは工事の配線ミスなどはなくても、そもそも契約前の説明時に予想発電量をかなり多めに伝えられてしまっているケースです。いわゆるシミュレーションの水増しです。
発電量トラブルの回避方法
発電量の水増しについては、まずは設置予定のメーカーの発電量シミュレーションを見せてもらうこと、そしてその計算元の屋根角度、方位の情報が自宅と相違ないかをチェックすることです。
本当は西向きの屋根なのに、真南向きで計算されていたりすればそれだけで発電量は水増しされます。
設置後のトラブル事例6.
倒産トラブル
倒産トラブルとはなにか?
太陽光発電の契約をした業者が、倒産してしまうことによって発生する二次被害的なトラブル。
契約直後であれば払ってしまった前金が戻ってこないなど。設置工事後であれば保証申請がなされていないや、不具合が起きた時の窓口がなくなる、独自保証が消えてしまうなどがあります。
倒産トラブルはなぜ起きるのか?
なぜ倒産してしまうのかは断定することはできませんが、過去に倒産した業者を振り返ってみると、最安値をうたって激安価格で販売していた業者が多いのは間違いありません。
工事を伴う太陽光発電は極端な薄利多売ができるビジネスではないという事だと思います。
倒産トラブルの回避方法
倒産しそうもない業者と契約をするということに尽きるのですが、今や大企業でもいきなり危なくなる時代ですので答えはありません。
できうる限り、財務的な状況を契約前に確認をするなどして少しでもリスクを低くするようにしてください。
また太陽光発電の販売には免許が必要ありません。取りこみ詐欺(倒産させることを前提で、契約をして、工事前に代金を回収してから突然いなくなってしまうこと)をしようとする会社は販売会社(販売だけをしている会社)ですので、工事も行っている会社と契約することは取り込み詐欺を防ぐこととして有効です。
設置後のトラブル事例7.
雑草トラブル
雑草トラブルとはなにか?
これは産業用の野立て太陽光発電システムのケースの話です。雑草が伸び放題になり、太陽光発電自体に悪影響を与えてしまうトラブルと、景観上の近隣トラブルがあります。
雑草が延びてパネルにかかってしまえば、当然発電量は低下し、さらにパネルの故障の原因となります。
雑草がパワーコンディショナ―などの機器の隙間から内部に入って故障するケースも報告されています。
また雑草が伸び放題ということで動物の住みかとなってしまい、住みついた動物がケーブルをかじってしまうなども起きてしまいます。
雑草トラブルはなぜおきるのか?
雑草対策をしていないケースはもちろんですが、雑草対策をしていてもそれがいつまでも効果を持続するわけではありません。
それが放置されてしまっている一番の理由は野立ての太陽光発電のオーナーが近くに住んでおらず定期的なチェックができていないことです。
雑草トラブルの回避方法
除草剤、防草シート、砂利など雑草対策を必ずするということはもちろんですが、定期的に自分自身もしくは、メンテナンスを行ってくれる業者と契約をしてチェックを行うことです。
そしてたかが草とあなどらず、伸びてしまった雑草は草刈り、草むしりを行い次への対策を施すことが必要です。
設置後のトラブル事例7.
音のトラブル
音のトラブルとはなにか?
太陽光パネルは音を発しませんが、パワーコンディショナからは稼働中は音が出ます。このパワーコンディショナーからの音が騒音として認識された時にトラブルとなります。
なぜ音のトラブルが起きるのか?
音が出るとわかっているにも関わらずなぜトラブルが発生するのかというと、パワーコンディショナ―から出る音はモスキート音という高周波音のため一般的な大人では認識できない音だからです(毎年の健康診断で行う聴覚検査の時に聞こえるあの音です)。
17kHzという高周波音で20代の前半で聞こえる人がいるかどうかというレベルのものですのでほとんどの方が聞き取れません。
ですから販売する側にも音のトラブルを想定しての説明が欠けてしまう傾向にあります。ところがごくまれにこのモスキート音が聞き取れてしまう方がいらっしゃった場合にトラブルとなるのです。
音のトラブルの回避方法
音の発生源であるパワーコンディショナ―を屋外に設置することで回避できます。モスキート音が聞こえるかどうかは、補聴器メーカーのサイトなどでチェックすることができるので事前に確認をしておくのも良いかもしれません。
設置後のトラブル事例8.
電磁波トラブル
電磁波トラブルとは何か?
太陽光発電の電磁波トラブルと言っても、電磁波を発するのは太陽光パネルではありません。
電磁波を発するのは電気を直流から交流に変換するパワーコンディショナーです。
電流が流れますので、当然他の電化製品と同じように電磁波は発生します。
なぜ電磁波トラブルが起きるのか?
電磁波トラブル、とは言っても住宅用であれば全く気にする必要はないレベルです。
太陽光発電のパワーコンディショナーの電磁波は国際的なガイドラインの基準に照らし合わせても全く健康への被害はないと考えてよい程度の弱いものです。
あまり気に病まないほうがいいでしょう。
電磁波トラブルの回避方法
繰り返しになりますが、住宅用パワーコンディショナーの電磁波は全く健康への被害はないレベルなので気にする必要はありません。
ただ、それでもどうしても気になるという方は屋外用パワーコンディショナーを設置して物理的に距離を離すという方法があります。
現在屋外パワコンと屋内パワコンにそれほど大きな価格差はありませんので、業者に見積依頼をするときに屋外用パワーコンディショナーを希望している旨を伝えるようにしましょう。
設置後のトラブル事例9.
システム故障が保証外となってしまった失敗
システムが故障しても保証適用外
本来、太陽光発電には保証がついていますが、残念ながら保証の適用外となってしまうケースがあります。
太陽光発電の基本的な保証は以下の3種類です。
- メーカーによる機器・出力保証
- メーカーが用意する自然災害補償
- 設置業者による施工保証
通常であれば、万が一のトラブルの際には上記の保証が適用となるため、保証期間内であれば修理費としての出費は発生しません。
雨漏りなど施工トラブルが起きてしまっても、施主は費用負担をする必要はありません。
しかし、保証が適用にならない場合には、修理費用は施主に降りかかってきてしまいます。
なぜシステムが故障しても保証適用外になってしまうのか?
保証が適用外になってしまうケースは主に以下の3つです。
1.施工基準無視により、「メーカーによる機器・出力保証」が適用外
「メーカーによる機器・出力保証」はメーカーの基準通りの施工をしていない場合には保証対象外となります。
メーカーとしても、無茶な工事をされたものまで保証できないというのは仕方がないでしょう。
悪質な業者の中には、メーカーの施工基準を無視していても、補償申請用の写真を撮る角度等をうまく調整して、メーカーの目を欺いているようなケースも散見されますが、
このような場合には、いざ製品が故障したとき保証が適用にならないということも考えられます。
メーカー施工基準を無視した工事にはリスクが伴います。
2.設置業者が「メーカーが用意する自然災害補償」に未加入で適用外
「自然災害補償」はメーカーと損害保険会社がタイアップして用意されているいわゆる保険です。
「機器・出力保証」とは少し性質が異なり、「自然災害補償」は設置業者が保険に加入していないと適用になりません。
例えば、強風で飛んできた何かがパネルにあたって壊れた場合には、通常であれば自然災害補償の適用範囲となりますが、設置業者が保険未加入の場合には施主負担、もしくは住宅の火災保険で直すことになります。
3.業者の倒産により「設置業者による施工保証」が適用外
業者が倒産してしまうと、ほとんどのケースで「施工保証」は消滅します。
なぜなら「施工保証」は業者が加入している、いわゆる「工事保険」によって保証する仕組みだからです。
一部例外はありますが、業者が保険料の支払いをやめてしまった時点で保証対象ではなくなってしまいます。
施工保証の対象となるトラブルの代表例としては、工事の不具合による雨漏りがありますが、業者が倒産してしまっていた場合には修繕費用は施主負担となります。
しっかり保証を適用させる方法
「メーカーによる機器・出力保証」を確実に適用させるためには、「メーカー規定通りの工事をしてくれるかどうか」を見極める必要があります。
しかし、工事について質問するには専門知識が必要になるので、業者がウソをついていたとしても、施主さん自身で見極めるのは困難です。
業者がウソをついていないかを確認するためには、複数の業者に提案を依頼して、比較するのが有効です。
次に、業者が「メーカーが用意する自然災害補償」に加入しているかどうかですが、これは業者に聞けばわかります。
未加入であれば保証書が届かなくなってしまいますので、この点について業者がウソをつくことは考えにくいはずです。
最後に、「設置業者による施工保証」を確実に適用させるためには、経営状況の良い倒産リスクの少ない業者を選ぶ必要があります。
経営状況を確認するためには、帝国データバンクなどに掲載されている企業情報データを確認する方法があります。
しかし企業情報データの確認には費用がかかる上、掲載されていない業者もあります。
企業情報データを見慣れていないと、経営状況の良し悪しの判断も難しいので、「経営状況の良い倒産リスクの少ない業者」を選ぶのは少々ハードルが高い作業です。
ちなみに、我々ソーラーパートナーズが運営している工事会社ネットワークでは、帝国データバンクなどの調査により、認定企業の経営状況の確認も行っています。
信頼できる業者をお探しであればお気軽にご依頼ください。
設置後のトラブル事例10.
台風によるトラブル
台風によるトラブルとはなにか?
台風によるトラブルとは、台風によってパネルが飛散してしまう事故を指します。
2018年の台風21号のときには数多くの産業用太陽光発電所のパネルが飛散したケースが報告されています。
なぜ台風によるトラブルが起きるのか?
台風でパネルが飛散する事故が起きている一番の理由は施工および設置工法です。
台風によってパネルが飛散する事例は野立ての太陽光発電に集中しています。住宅用では台風によるトラブルはほとんど発生していません。
なぜかというと、住宅用太陽光発電にはメーカー保証の適用を受けるために、メーカーの規定通りに施工する必要がありますが、
産業用野立て太陽光発電にはそのような規定がないからです。
投資効果を高めるために、安価で簡易的な工法によって施工をしたことでこのような事故につながっています。
台風によるトラブルの回避方法
台風でパネルが飛散することを防ぐには、費用面だけではなく安全面にも配慮した設置工法を選択することです。
特に産業用太陽光発電は投資という側面が強いため、安全を重視するあまり高額になりすぎてしまうと本末転倒ですが、ある程度頑丈な工法を選択することでリスクヘッジするのが賢明です。
また、万が一パネルが飛散してしまった場合には適用できる保険や補償もあります。
この点については別記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。
まとめ
この記事では太陽光発電の主な失敗事例について紹介させていただきました。
もしかすると、これだけ多くの失敗事例を紹介することで、太陽光発電自体に対して「危ないもの」という認識を持ってしまったかもしれません。
しかし、どの失敗も適切な業者を選べば起こりえないものです。
あくまで紹介した事例はレアケースであり、大半の方は満足した太陽光発電生活を送っています。
しかし失敗を避けるために、「備え過ぎ」ということはありません。
記事を参考にご自身で調べてもいいですし、それでもわからないことがあれば弊社ソーラーパートナーズのアドバイザーまで、お気軽にご相談ください。
良い業者にめぐり合い、太陽光発電の導入が満足できる結果になることを願っています。