事業計画認定の手続きが遅れている?例年よりも申請が殺到中
電力会社は想定していた以上に対応が早かった
2017年4月より改正FIT法が施行され、太陽光発電システムの手続き方法も変更がありました。
2016年度までは、国への「設備認定」申請手続き→電力会社への申込という順序だったものが、電力会社への申込→国への「事業計画認定」申請手続きと逆に順番に変わりました。
以前ですと「設備認定」申請をしてその認定IDがおりてくるまで、通常時ですと1週間くらいかかっていました。
むしろ時間がかかるのはそのあとの電力会社の動きだったので、この順番変更を知った時にはこれは大変なことになったなと思っていたのですが、いざ蓋を開けてみると全国的に電力会社の動きは想定以上に早くなっています。
国からの事業計画認定がまだ出ず
各電力会社の接続契約の同意の回答が思いのほか早かったので一安心していたのですが、まさか国への「事業計画認定」申請がまったく進まないという事態が現在起きています。
ただ考えられることとして、申請途中に設置者の承諾という手続きが入るため、承諾手続きを忘れて自身でストップさせてしまっているというケースはあります。
ですが、承諾手続きも済ませて申請が完了しているにも関わらず、申請後全く認定されないという事が起きており、全国からのご相談が止まない事態となりました。
原因その1
新システムの導入
今回の改正FIT法の施行にあわせて、申請システムも変更されました。
新システムを導入された事がある方はお分かりになると思いますが、導入初期は導入前よりも作業者が慣れていないため作業は非効率になります。
そして合わせてシステムエラーが頻発し、その修正のたびに手が止まります。
それにも関わらず、今回この新システムへの移行をするために2017年1月21日(土)から一切の申請手続きはストップになりました。
ですから4月になって新システムが稼働し、事業計画認定申請の手続き受付が始まった途端に、約3か月分の案件が全国から一斉に申請されることになりました。
現場が新システムに慣れていないところに通常時の4倍の案件がくれば当然のことながらパンクします。
原因その2
売電価格の決定時期
事業計画認定の手続きが進まないもう1つの理由は、売電価格の決定時期が早かったことが挙げられます。
ここ数年は、1月後半が、2017度の売電価格を確保する為の申請締め切りでした。
そして4月以降の新年度の売電価格が決定されたのは、かなり焦らされて3月中旬過ぎとなりました。
どうしても1月中旬から3月中旬までの約2か月間は営業活動が低調にならざるを得ず、この時期に資金が回らなくなり倒産してしまう会社が多く発生する要因でもありました。
ところが、2017年度は2016年12月の段階で、向こう3年分の売電価格が発表されました。
ですので、通年のように営業活動が低調になるという事は起きませんでした。
つまり例年以上に、4月の新システム稼働時に申請待ちになっていた案件が多かったのです。
まとめ
事業計画認定の申請手続きを国から代行しているJPEAに確認してみましたが、やはり現場は相当混乱しているようで、申請から認定されるまで少なくとも2か月くらいは目安として見ておいて欲しいとの回答をもらいました。
しばらくすればこの混乱もおさまるとは思いますが、せっかく設置したのに1年を通して一番発電量が多くなる5月の太陽光をみすみす見逃さなればならないのは気分が良いものではないと思います。
あと心配なのは、工事は完了しているが連系が完了していないためお客様から支払いをしてもらえない太陽光発電業者が少なからず出てきているという報告も聞いています。
いち早く混乱が収束することを願います。