エコキュートの騒音・低周波はどれくらい迷惑?対策できる?
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「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部です。(蓄電池専用ページはこちら)
この記事では、エコキュートを検討するなら事前に知っておくべき、「エコキュートの騒音」について解説します。
エコキュート騒音の実態
エコキュートが普及するにつれて、エコキュートの騒音トラブルも増加しています。
中には訴訟に発展するケースもあり、エコキュートの騒音対策は必ず気を配るべきポイントの一つと言えます。
エコキュートの騒音は主にヒートポンプユニット(室外機)から出ます。
室外機のコンプレッサーとファンがそれぞれ回転音と振動を発生させ、『ブーン』という低周波音を出します。
エコキュートの室外機の構造はエアコンの室外機と同じですので、エアコンの室外機の音をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
室外機から出る音は音量だけでみると約40db程度と図書館の音量と同じなのですが、低い音(低周波音)であることが問題です。
消費者庁「エコキュートの音、健康に影響の可能性高い」
2012年に群馬県で起きたエコキュートによる騒音トラブルでは、消費者庁の消費者安全調査委員会が調査し、「給湯機の運転音が申し出者の健康症状の発生に関与している可能性が高い」との結論を出しました。
エコキュートの音、健康被害に関与の「可能性高い」|日本経済新聞
消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は隣家に設置された家庭用ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の発する低周波音で不眠や頭痛の症状が出たとする群馬県在住の夫妻の申し出に対して、「給湯機の運転音が申し出者の健康症状の発生に関与している可能性が高い」との報告書をまとめた。経済産業省などに対して、2014年12月19日に再発防止に向けた対策を求めた。
夫妻は、2012年10月に消費者事故調に原因の調査などを申し出た。並行して、隣家の住民などを相手に損害賠償を求める訴えも起こしていたが、設置されたエコキュートを撤去するなどを条件に2013年11月に和解が成立。和解に基づき撤去した後は症状が治まったという。
冬のエコキュートの運転音は特に注意が必要
エコキュートの電気代が安いのは、深夜の安い電気を使ってお湯を沸かすためです。
深夜稼働させるということは、人の寝静まった真夜中に運転音が響きます。
そのため、運転音自体が小さくても音が響きやすく認識されやすいのです。
せっかく寝ていたのにエコキュートの運転音で起こされたとなれば、ストレスや不満を抱えやすくなるのは当然です。
さらに冬場では、冷たい外気を温めるためにコンプレッサーやファンの回転数が上昇するため、運転音が大きくなる傾向があり、注意が必要です。
夏に設置して「静かだな」と思っていたら、「冬になったら耐えられないくらいうるさくなった」という話もしばしば聞かれます。
エコキュートは10年近く使用する機器ですので、近隣への配慮は不可欠と言えます。
エコキュートの騒音トラブル回避の大前提は設置場所
エコキュートの音が近隣トラブルにならないようにするために大前提として気を付けるべきポイントはエコキュートの設置場所です。
特に下記のような場所は避けて設置しましょう。
- 自宅や近隣の住宅の寝室の近くは避ける
- 窓や換気口などの近くを避ける
※運転音が直接侵入しやすい - 壁や塀に囲まれた狭い場所を避ける
※狭い場所は音が増幅しやすい - エコキュート以外の室外機の近くを避ける
※共振によって音が増幅する可能性がある
防振材や防音壁でエコキュートの騒音を抑える
上記のポイントをすべてクリアする場所がどうしても見つからない場合や、すでにエコキュートを設置済みで移設できない場合、防振材や防音壁などを利用する方法もあります。
施工業者に問い合わせてみるとよいでしょう。
遮音のために壁や塀などを設ける場合、エコキュートに極端に近い場所に配置すると、稼働効率を悪化させるだけでなく反響によってかえって音量が上がってしまう可能性もあります。
防振材・防音壁を設置する場合は、以下のポイントに注意しましょう。
- 機器の周囲にはメーカー指定の間隔を確保し、極力スペースを設ける
- 塀の高さは、音源の高さより1m以上高くする
- 塀の長さは、高さの数倍以上を両側にとる
- 塀の材料は、スレートやコンクリートブロックなどの強固で頑丈なものを用い、隙間を作らないようにする
まとめ
エコキュートの騒音トラブルが増加している現在でも、業者によってはエコキュートの騒音について全く問題意識を持たずに販売しているところもあります。
設置の際は、エコキュートの騒音について十分に説明ができ、納得いく設置場所や防音対策を提案してくれる業者を選ぶことをお勧めします。