太陽光発電の売電価格で出てくるIRRってなに?平成28年度の売電価格「案」が決定!
平成28年度の売電価格は31~33円になる見込み
2016年2月22日に国の有識者会議が開かれ、来年度(平成28年度)の売電価格案が決まりました。
今年度(平成27年度)の売電価格に間に合わなかった人は、こちらの売電価格になります。
区分 |
平成28年度 売電価格 |
売電期間 |
平成27年度 売電価格 |
|
---|---|---|---|---|
10kW未満 | 東電・関電・中電 | 31円/kWh | 10年間 | 33円/kWh |
上記以外 | 33円/kWh | 10年間 | 35円/kWh | |
10kW以上 | 24円/kWh | 20年間 | 27円/kWh |
出典:資料4 平成28年度調達価格及び調達期間についての委員長案|経済産業省
今年度(平成27年度)と比べて、住宅用では2円、産業用では3円下がりました。
まだ「案」の段階ですが、毎年「案」がそのまま採用されていますので、おそらく今回もこの「案」どおりになるのではないでしょうか。
設置済みの人には今回の売電価格変更は関係ない
「太陽光発電の売電価格が今年も下がった」というニュースの見出しだけを見て、毎年勘違いする人がいますが、既に太陽光発電を買った人には関係ない話です。
固定価格買取制度という名前からもわかるように、一度買ったら、住宅用なら10年間、産業用なら20年間、ずっと同じ固定の価格で売電することができます。
つまり、来年度(平成28年度)の売電価格で住宅用太陽光発電を導入した人は、これから10年間ずっと31円(もしくは33円)で売電することができるわけです。
これを勘違いして、「儲かると思って太陽光発電を買った人は、後からハシゴを外されてかわいそうに・・・」という人がいますが、こちらから言わせていただくと、「勘違いして良い話に気付かないままで、かわいそうに・・・」と感じてしまいます。
売電価格 算定の前提条件
売電価格はいろいろな前提条件をもとに算出されます。
今回決められた住宅用太陽光発電の売電価格案は、次のような前提条件にもとづいています。
出典:資料4 平成28年度調達価格及び調達期間についての委員長案|経済産業省
上記の前提にもとづいて計算してみると、今年度(平成27年度)のIRR(内部収益率)は、3.19%~3.22%となります。
一方、来年度(平成28年度)のIRRは、3.32%~3.48%と、平成27年度よりも高いIRRになっています。
元々、住宅用太陽光発電では、IRRが3.2%になるように売電価格が設定されていましたが、平成28年度の売電価格案を見ると、これまでよりも優遇された売電価格になっているわけです。
これは、住宅用太陽光発電の普及に弾みがつきそうですね!
太陽光発電のIRR(内部収益率)3.2%ってなに?
ただ、「IRR(内部収益率)」と言っても、一般の人にはなじみがないのではないかと思います。
そこで、IRRについて簡単な例でご説明したいと思います。
最初に、あなたが友人に100万円を貸したとします。
友人は毎年、利息としてあなたに1万円払ってくれました。
5年後には、利息と一緒に、元本の100万円も返してくれたとします。
この場合、IRRは1%となります。
最初 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 |
---|---|---|---|---|---|
-100万円 | +1万円 | +1万円 | +1万円 | +1万円 | +101万円 |
今度は、太陽光発電の価格帯と稼働期間に合わせたIRR(内部収益率)の例を見てましょう。
最初に200万円預けておいて、20年間にわたって毎年6万4000円の配当が出るとします。
そして最後には、元本の200万円が戻ってくるとします。
この場合、IRRは3.2%となります。
最初 | 1年後 | 2年後 | ・・・ | 19年後 | 20年後 |
---|---|---|---|---|---|
-200万円 | +6.4万円 | +6.4万円 | … | +6.4万円 | +206.4万円 |
いかがでしょうか?
IRR 3.2%の投資がどういうものか、イメージできたでしょうか?
住宅用太陽光発電の売電価格を決める上で基礎となっている「IRR 3.2%」というのは、上で見た例と同じレベルで儲かるということなのです。
※注意:実際の太陽光発電の収入の入り方は、上の表とは違います。
※例えば200万円5.6kWの太陽光発電であれば10年目までは毎年18万円、11年目以降は毎年8万円…というような形です。
前述したように、平成28年度の売電価格案は、これよりも更に高いIRR 3.32%~3.48%が見込めるものになっています。
しかも購入価格を安く抑えられたり、運転維持費を低く抑えて安定稼働させることができれば、IRRをもっと高めることも可能です。
銀行にお金を預けておいてもほとんど利息がつかないこのご時世に、これだけ着実に儲かる投資はなかなかないのではないでしょうか。
まとめ
今回出てきた平成28年度の売電価格案は、かなりお得な価格です。
住宅用太陽光発電を着実に普及させていきたいという、国の意図を感じます。
「太陽光発電が本当に儲かるか不安だ」と、今まで導入をためらっていた方も、これを機にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
もし、「どれくらいの投資メリットが出るの?」と気になった方は、ぜひソーラーパートナーズまでお問い合わせください。