太陽光発電と電気自動車・燃料電池車などの「エコカー」の関係
フォルクスワーゲンの不正問題
フォルクスワーゲンのディーゼル試験不正が大きな問題になっています。
フォルクスワーゲンが行った不正は、アメリカ環境保護局の排気ガス試験をクリアするための不正です。
具体的にいうと、
「排気ガス試験中だけ浄化装置を機能させて窒素酸化物の排出量を抑え、通常走行時には浄化装置を動かさず窒素酸化物を排出してしまうという、不正なソフトウェアを組み込んだ」
のです。
この不正なソフトウェアを使うことで、燃費と浄化システムの耐久性が高いように見せかけ、排気ガス試験をスルーしたわけです。
今回のフォルクスワーゲンのディーゼル試験不正によって、ディーゼル車そのもののイメージも大幅に悪化してしまいました。
そこでフォルクスワーゲンは、ディーゼル車から電気自動車に軸足を移すことにしました。
2015年10月14日には、フォルクスワーゲンの戦略転換が一斉に報道もされました。
電気自動車は走行中に二酸化炭素を出さないので、地球環境にとってとても良い車です。
トヨタもエコカーの長期目標を発表。2050年までにエンジン車ゼロへ
フォルクスワーゲンの報道に合わせるかのように、トヨタ自動車も「2050年にはエンジンだけで走る自動車をほぼゼロにする」という長期目標を発表しました。
トヨタ自動車が販売するほぼすべての車を、
- ハイブリッド車(HV)
- プラグインハイブリッド車(PHV)
- 燃料電池車(FCV)
- 電気自動車(EV)
にするそうです。
特に、燃料電池車(FCV)は、水素を燃料にしていて、走行中は水しか出さないため、「究極のエコカー」とも言われています。
大手自動車メーカーがこぞってエコカーに取り組むことで、地球環境にとっても良い影響が出てきそうで楽しみですね。
エコカーって本当にエコカー?
ところで、「エコカー」って本当に「エコ」なんでしょうか?
実は、走行中の二酸化炭素排出量だけを見ていても本当にエコなのかどうかはわかりません。
燃料となる電気や水素を産み出す過程で、二酸化炭素を排出したらエコではなくなります。
エコかどうかを判断するためには「燃料を産み出す過程で、どれくらい二酸化炭素を排出しているか」を見る必要があります。
例えば電気自動車は、動力となる電気を電池に充電する必要があります。
その充電を行うための電力を、石炭火力で発電すると、走行中は二酸化炭素を出していなくても、トータルで見るとそこまでエコとはならない可能性もあるのです。
※これをWell to Wheel(井戸から車輪まで)という概念で表します。
ここでいう井戸は、「燃料を作られた時点」を表し、ガソリンなら油田から石油をくみ上げた時点、燃料電池なら燃料となる水素を作った時点を差します。
同様に、燃料電池車(FCV)も燃料となる水素を製造するためにガスを使っていては、そこまでエコとは言えない可能性があります。
それぞれの車について、「燃料が得られる時点から、実際に車を走らせるための二酸化炭素排出量」を整理したグラフが次のグラフです。
出典:燃料電池車と電気自動車、どちらが「真のエコカー」なのか? JB PRESS
これを見ると、ガソリン車とディーゼル車を除いた、ハイブリッド車(HV)もプラグインハイブリッド車(PHV)も燃料電池車(FCV)も電気自動車(EV)も、ガソリン車やディーゼル車と比べると、二酸化炭素排出量が少なくなっています。
(石炭発電アルカリ水電解の燃料電池車(FCV)は例外ですが。)
そういう観点では、どれも「エコカー」と言って良さそうですね。
太陽光発電と組み合わせることで、究極のエコカーになる
ただ、このグラフでぜひ見ていただきたいのは、燃料電池車(FCV)と電気自動車(EV)の箇所です。
それぞれ太陽光発電と組み合わせることで、二酸化炭素排出量を大幅に減らせていることがわかります。
特に、太陽光発電由来の電気自動車(EV)の二酸化炭素排出量に至っては、ガソリン車の二酸化炭素排出量が147g/kmであるのに対して、わずか1g/kmと、ほぼゼロになっています。
つまり、エコカーが本当の意味で「究極のエコカー」になるためには、太陽光発電が欠かせないというわけです。
こう考えると、世界のトップ1位と2位の自動車メーカーがエコカーに本気で取り組むということは、必然的に太陽光発電の普及も進んでいくことにつながるのではないかと思います。
(もちろん、トヨタ自動車やフォルクスワーゲン以外の自動車メーカーもエコカーへの取り組みに力を入れていますよ。)
まとめ
今回見てきたように、「エコカーの普及」という観点から見ても、太陽光発電の良さが浮き彫りになりました。
とは言え、エコカーがあってもなくても、今は太陽光発電だけでも十分メリットが出ます。
エコカーの普及に伴って、今後ますます普及が進む太陽光発電の導入をお考えなら、ソーラーパートナーズまでお問い合わせください。