水没した太陽光発電への正しい対応は?また、太陽光発電は水害まで補償されるのか?
豪雨被害で水没した太陽光発電
台風18号から変わった温帯低気圧の影響で、鬼怒川の堤防が決壊し、土砂崩れや浸水など、甚大な被害がありました。
野立ての太陽光発電の中には、水没したものも出ています。
特に、鬼怒川の堤防決壊箇所にあった太陽光発電所は、テレビで何度も映像が流れていたので、不安に感じた人も多いのではないかと思います。
水没している太陽光発電に出くわすことはなかなか無いことだとは思いますが、もし見かけたら、非常に危険なので絶対に近づかないようにしてください。
水没した太陽光発電に関して太陽光発電協会が注意喚起
太陽光発電の水没事故を受けて、太陽光発電の業界団体である、一般社団法人太陽光発電協会から「太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について」という文書が発表されました。
太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について 一般社団法人 太陽光発電協会
太陽光発電は水没や浸水しても、光があたれば発電することができてしまうので、感電する恐れがあります。
そこで、この文書では、「水没・浸水している太陽光発電には危ないので絶対に近寄らないで!」との呼びかけが書かれています。
濡れていると電気が流れやすくなってますます危険!
危険とは言っても、一体どれくらい危険なのでしょうか?
人体への影響は、「電流の大きさ」と「電気が流れた時間」によって変わってきます。
一般的家庭でも使われている交流電流の場合、50mAの電流が1秒間人体を流れると、心室細動が引き起こされ死亡する可能性があると言われています。
そこで、漏電遮断器は15mA~30mAくらいの漏電を感知し、0.1秒で作動することで、感電事故を防いでいます。
人体の電気的抵抗値は、乾燥しているときよりも濡れているときの方が小さくなります。
電気的抵抗値が小さくなるということは、要するに、電気が流れやすくなるということですので、感電事故が起こりやすくなるわけです。
だからこそ、水没している太陽光発電に近づくことは、とっても危険なことなのです。
ちなみに、太陽光パネルで発電される電気は直流です。
この直流電流は、パワーコンディショナを通って交流電流に変換されます。
直流電流は交流電流に比べると危険度は下がるそうですが、それでも大型の太陽光発電施設が生み出す電気はかなり大きなものになりますので、とても危険です。
水没した太陽光発電を見つけたら、専門家に連絡を!
では、もし水没している太陽光発電を見つけたらどうしたら良いのでしょうか?
一般社団法人太陽光発電協会の文書では、50kW未満の設備の場合は販売施工事業者に連絡し、50kW以上の設備の場合は選任されている電気主任技術者に連絡するように示されています。
50kW以上の太陽光発電設備の場合は、「高圧」という区分になり、電気主任技術者の選任が義務づけられています。
そこで、50kW以上なら、選任されている専門家に連絡をとれば良いわけです。
ところが、50kW未満の太陽光発電設備の場合は、「低圧」という区分になり、電気主任技術者の選任義務は特にありません。
そこで、その設備は販売または施工した会社に連絡するしかないわけです。
自然災害補償で補償されるケースも
最近は、異常気象の影響なのか、自然災害が増えているような気がします。
太陽光発電の場合、多くのメーカーは自然災害補償を用意しています。
すべての自然災害が補償されるわけではありませんし、メーカーによっても補償内容は異なりますが、例えばパナソニックの場合、「洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れなどの水災」は自然災害補償の対象となっています。
太陽光発電の購入を考えている人にとっては、こういった補償の中身もあらかじめ購入時に確認しておくと安心できますね。
まとめ
いろいろと説明してきましたが、とにかく水没した太陽光発電を見つけたら、絶対に近づかず、すぐに専門家に連絡してください。
また、太陽光発電の導入をお考えの方は、こういった被害が自然災害補償でカバーされることもあるので、購入時の判断のポイントにすると良いと思います。
どのメーカーを選ぶのが良いかお悩みの方は、ソーラーパートナーズまでぜひご相談ください。
最後になりましたが、今回の豪雨で被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
一刻も早い復旧を願っています。