太陽光発電は夏涼しく、冬暖かくなる。ソーラーパネルの遮熱効果というメリット
こんにちは！
「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部です。
太陽光発電を設置すると、「夏涼しく、冬暖かくなる」ということはご存知でしょうか？
「そんなことないでしょ～」と思うかもしれませんが、事実です。この記事で詳しく解説します。
太陽光発電システムを設置すると夏は涼しくなる
太陽光パネルは屋根面に設置しますので直射日光が屋根に当たらなくなります。
設置していない場合と比べると設置している直下の部屋は、太陽光パネルによって夏の暑い日差しが遮られるわけですから当然のことながら部屋の温度が低くなります。
これについては株式会社ポラス暮らし科学研究所が実験をしていて下記のようなデータがあります。
太陽光パネル（モジュール）を設置することによる夏場の温度差
| 屋根表面温度 | 野地板裏面温度測定値 | 温度差 | |
|---|---|---|---|
| モジュール未設置 | モジュール設置 | ||
| 夏場 70度 | 49.32度 | 38.4度 | -10.92度 |
ただこれは部屋の気温ではなく野地板裏面温度ですのでここから温度が伝播してどれほど部屋の温度が変わるのかという事ですが、部屋の温度差としては実際に設置した方の話を聞いている感じでは2度～5度くらい下がるようです。
夏が涼しくなるのは直感的にお分かり頂けると思います。
太陽光発電システムを設置すると冬は暖かくなる？
その上で「太陽光パネルを設置すると冬は暖かくなる」というのは本当なのでしょうか？
かなりの数の太陽光発電を販売している会社のホームページなどで記載されています。
これもどこのホームページも上の『ポラス暮らし科学研究所』のデータを参考としています。
太陽光パネル（モジュール）を設置することによる冬場の温度差
| 屋根表面温度 | 野地板裏面温度測定値 | 温度差 | |
|---|---|---|---|
| モジュール未設置 | モジュール設置 | ||
| 冬場 -5度 | 8.12度 | 13.35度 | 5.23度 |
しかしこれ本当でしょうか？
太陽光パネルを設置する事で太陽光を遮光するから夏は涼しくなるのですから冬はより寒くなるはずです。
理由を見てみるとどこの会社もただ勝手に「ポラスさんのデータを使って冬も暖かくなるよ」と書いてあるだけですので全然わかりません。
こういう時は一次情報に当たるのが一番です。
株式会社ポラス暮らし科学研究所に直接聞いてみました。
太陽光パネルを設置すると冬暖かくなるのは放射冷却が抑制されるから
さすが住宅のプロですね。即答でした。
太陽光パネルがある事で屋根からの放射冷却が抑制されることにより温度低下が抑えられるからというのが理由でした。
放射冷却が原因と分かったので更に調べてみると素晴らしい実験をしている株式会社八光電機という会社さんがありました。
もうズバリな実験をしてくださっていました！ありがとうございます。
温度センサーをアルミブロックと黒のブロックにいれ屋根を付けたもの（屋根アルミ、屋根黒）と剥き出しのもの（外アルミ、外黒）で温度の違いを実験で調べています。
熱の実験室 第9回 – 放射冷却の測定｜株式会社八光電機
剥き出しになっている「外アルミ」、「外黒」に比べて屋根の下にある「屋根アルミ」と「屋根黒」は太陽が出ている日中の温度は当然低いです。
ただし放射冷却が起きる夜から朝方にかけては「外アルミ」と「外黒」の方が温度が低くなっています。
熱の実験室 第9回 – 放射冷却の測定 実験結果｜株式会社八光電機
つまり太陽光発電システムを設置すると冬の部屋の温度がどうなるかというと、日中は夏と同様に太陽光が遮られますので設置していない時と比べて寒くなります。
ですが、一番冷え込みが強くなる夜や朝方は放射冷却の抑制によって暖かくなるのです。
まとめ
家庭の電気代で一番使用量が多いのがエアコンです。
そのエアコンが稼働するのはもちろん夏の暑い時と冬の寒い時です。
夏暑い時＝夏の日中は太陽光パネルが日光を遮ることで室温が下がります。
冬寒い時＝冬の朝晩は太陽光パネルが放射冷却を抑制することで室温が下がりにくくなるのです
つまり太陽光発電システムを設置する事により暑さと寒さが緩和されるという事は、暑さと寒さが緩和されること自体が既に省エネに貢献している事になります。
太陽光発電のメリットと言えばついつい売電の話ばかりになりがちですが、こんなメリットもあるという事知って頂けると幸いです。
