太陽光発電の売電価格の今までの推移と今後
2009年から始まった売電制度が太陽光発電の普及を後押ししている
太陽光発電の売電制度(固定価格買取制度)は、太陽光発電の普及を促進するために国の政策として2009年から始まりました。
売電制度は太陽光発電によって発電された電気を、国が設定した高額な売電価格によって電力会社が買い取る制度です。
2009年以前もRPS法という法律で発電した電気を売電することはできましたが、売電価格は買電価格と同じだったので、それほど大きな金銭メリットにはなりませんでした。
それが2009年から売電価格が買電価格の約2倍の金額に設定され金銭メリットが大きくなり、さらにその高額な売電価格を10年間(産業用(10kW以上)の場合は20年間)ずっと同じ価格で売電できるようになりました。
売電制度により太陽光発電システムの設置費用を補って余りある金銭メリットを得る見通しを立てることができるようになったため、急速に普及が進みました。
売電制度には2種類ある
太陽光発電の売電制度は、設置する設備によって2種類あります。
- 10kW未満(住宅用):余剰電力買取制度
- 10kW以上(産業用):全量買取制度か余剰電力買取制度を選択可
住宅用というのは10kW未満の太陽光発電システムのこと、産業用というのは10kW以上の太陽光発電システムのこと。
実際には住宅用、産業用という区切りはなく10kW未満か以上かという区切りしかありません。
住宅に設置したものでも10kW以上であれば産業用ということになります。
売電制度の詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
売電価格は年々引き下げられている
売電価格は、太陽光発電の購入を後押しするために高額に設定され、一度設置すれば10年間(産業用(10kW以上)の場合は20年間)売電し続けることができますが、売電価格は毎年度、引き下げられています。
これは、太陽光発電システムの普及が進むと価格の低下が見込まれるために、消費者が
「もっと安くなってから購入しよう」
と買い控えをしてしまうことを防ぐためです。
この売電価格は、太陽光発電システムの価格等をもとに決定されています。
住宅用と産業用の太陽光発電の売電価格と売電期間の推移
2009年に高額な売電制度が始まって以来、売電価格がどのように推移してきたのかを見てみましょう。
連系日 (売電開始日) |
住宅用(10kW未満) | 産業用(10kW以上) | ||
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売電価格 | 売電期間 | 売電価格 | 売電期間 | |
平成21年度(2009年度) | 48円/kWh | 10年間 | 24円/kWh | 10年間 |
平成22年度(2010年度) | 48円/kWh | 10年間 | 24円/kWh | 10年間 |
平成23年度(2011年度) | 42円/kWh | 10年間 | 40円/kWh | 10年間 |
平成24年度(2012年6月31日まで) | 42円/kWh | 10年間 | 40円/kWh | 10年間 |
平成24年度(2012年7月1日以降) | 42円/kWh | 10年間 | 43.2円/kWh | 20年間 |
平成25年度(2013年度) | 38円/kWh | 10年間 | 38.88円/kWh | 20年間 |
平成26年度(2014年度) | 37円/kWh | 10年間 | 34.56円/kWh | 20年間 |
わかりやすくするために全て税込表示にしています。
実際のところは、産業用は2012年度の7月以降からは外税なので、消費税率が変わったタイミングで
売電価格(買取価格)はあわせて変更になります。
※現在の消費税率8%で計算しております。
仮に消費税率が10%に上がった場合は、2014年度の産業用の売電価格(買取価格)は35.2円となります。
ご覧頂いたように、年々売電価格が下落していることがわかります。
2015年度(平成27年度)の売電価格はいくらになるのか?
売電価格は毎年度末(今年であれば2015年3月ころ)に経済産業省の調達価格等算定委員会が提出する案を元に発表されています。
次年度の売電価格は年度末ギリギリに発表されます。
これは、次年度の売電価格がわかってしまうと、
「来年の価格がわかったらかゆっくり考えよう」
という心理が働いてしまうためです。
経済産業省からの発表がない限り、次年度の売電価格は正確な数字は明らかなになりません。
ですが、経済産業省が公表している資料に売電価格の算出方法の断片が記載されていますので、それをもとにある程度の価格を予測することはできます。
平成27年度(2015年度)の売電価格を予想した記事を以前書きましたので、よろしければご覧ください。