設置工事やり直し?自社施工でない販売会社で太陽光発電を買うと起り得るとんでもないトラブル
太陽光発電システムの設置工事完了後に設置やり直し
山形の設置済みの方から衝撃的な太陽光発電の相談を既に頂きました。
「普通に営業を受けて、契約を済ませ、先日設置工事も完了をしたのですが、やり直しになったんです。」
出だしから大変な感じです。
おまけに今回の設置工事のやり直しはご自身が指摘してのやり直しではなく、工事会社が販売会社へ指摘したからやり直しになったのだそうです。
販売会社が契約をして、工事会社に工事を依頼し、設置工事が完了したのに、工事会社がやり直しを販売会社へ勧める…
聞いた限りは不思議な感じです。
どういう事なのでしょうか。
設置し終わった太陽光パネルを剥がす
このご相談者様自身も状況を完全には理解できていらっしゃいませんでしたので詳しい所はわからないのですが、起きている状況から推測するに以下のような設置の際の問題があったのではないかと思っています。
- 屋根の一番軒側に設置したパネルが屋根を飛び出していたとか
- パネルが屋根を飛び出してしないまでもギリギリの設置だったとか
- もしくは隣地との関係などで落雪を考慮しなければいけないところを雪止の上に設置してしまったとか
そんなことだと思います。
何故そう推測するかといいますと、南側の屋根の軒先側の一段を全部外して、東西の屋根に設置し直すという話だったからです。
わざわざ設置し終わったものを外そうというくらいのものですから正直上記以外の理由は浮かんできません。
「ごめんなさい、間違えたのでやり直します」では済みません
ご相談者は少し呑気な感じの方で、「こういう事って普通ありますか?」と聞いてくるくらいですので事の重大さにあまり気づいていないような感じでした。
太陽光パネルを設置しなおすということは、テレビの向きを変えるのとは訳が違います。
太陽光パネルの架台は屋根に穴をあけてビスで止めます。
つまり太陽光パネルを設置しなおすということは、一度屋根に穴をあけてビスで止めたものを外すわけですので、屋根には無駄に穴が空いています。
屋根に空いた無駄な穴の修繕はいったいどのように考えているのでしょうか。
もともと南面に設置する想定で計画し契約したにも関わらず、一部を東西に配置するとなれば当然発電量は低下します。
南面から東西面に変更したことに伴う売電収入の減少に対してどのような対策をとって下さるのでしょうか。
仕事を依頼する、仕事をもらう
そもそも設置しなおすという話になったのは、工事会社が販売会社に忠告をしたからだそうです。
忠告を受けた販売会社の社長が、現地の確認に来て「さすがにこれはまずい」ということになり設置工事やり直しの話になったという経緯だそうです。
これは推測ですが工事会社の方は設置前からこんな設置をしてはまずいと思っていたものの、頼まれた仕事だからと実行してしまったが、完了した様子を見て、さすがに良心の呵責に耐えかねたのかもしれません。
ソーラーパートナーズは太陽光発電の工事会社ネットワークですから本部の私達こそ工事をしませんが、工事会社ネットワークのパートナー企業さんは工事の職人さん達ばかりです。
パートナー企業の会社さんは自社施工(自社で販売をして自社で設置工事をする)ですので、今回のように無茶な販売をして工事を行うということは起こりません。
もし自社施工の会社が無茶な施工をすれば、その会社が悪いことが明らかなので、信頼を失ってしまうからです。
ですが、かつては訪問販売会社の下請け工事のした経験のある工事会社は多数あります。
「無茶な販売をする訪問販売会社の仕事は本当に受けたくないんだけど、それでも設置しろと言われたから設置してしまった」という話を聞く事があります。
まとめ
一見するとこの工事会社さんの誠実な行動によって救われたような気もします。
ただ、事前にやってはいけないとわかっていながら実行してしまった訳ですから、工事会社側に罪がないわけではありません。
そもそもこの販売会社が確信犯的に依頼をしたのかどうかは定かではありませんが、設置してしまう前に踏みとどまれたはずです。
太陽光発電の設置を一定量やっていると現地調査時に測った寸法が間違っていて、工事当日に判明して急遽中止になってしまう事もあります。
じつは恥ずかしながら当社も過去に1件ございます。
それでもやはり工事会社が墨出しの段階でこれはまずいと気付いてストップをかけました。
今回の工事会社がストップしきれなかったのはやはり非難されるべきことであると思うのです。
屋根に対して適切な修繕処理がなされ、発電量の低下を考慮した弁償がなされることを祈っています。