太陽光発電は夜発電する?月光発電の可能性とパワコン起動電圧の比較
月光でも太陽光発電は発電する!?
十五夜といえば月見ですので、月にちなんだ話を今回は書きたいと思います。
恥ずかしながらつい先日まで十五夜というのは9月15日なのだと思っていましたが、違うんですね。
旧暦の8月15日に行われていたのが中秋の名月・十五夜なので、毎年違うそうで今年は今日9月8日、来年は9月27日だそうです。
東日本大震災が起きた後、一時的にパンクするほど太陽光発電についての質問が来ました。
その中の代表格に
「夜も発電するのですか?」というものがありました。
その都度
「太陽光発電システムというくらいですから、太陽光があたらない夜は発電しません」
と答えていました。
しかし太陽光発電システムはパネルが太陽光を受けて発電します。
そして月光は太陽光の反射です。
物理的には月光でも発電をするはずです。
そして調べてみるとなんと、2009年9月(まだ余剰電力買取制度が始まる前ですね)に、『所さんの目がテン』(今も日本テレビで日曜朝7時から放映しています)という番組で月光発電の検証実験を行っていました。
神秘 月光虹&月光発電
満月の夜、専門家の協力で、太陽電池パネルを使い、月光発電にチャレンジ!
単三乾電池1本でも作動する電子オルゴールにパネルを繋ぐと、なんとか「ジ、ジジジ・・・」と音が出て、なんとか成功!
発生した電圧・電流を測定してみると、電圧は0.8V前後、電流は1マイクロアンペア。単三電池の4万分の1ほどではありますが確かに発電できました。
単三電池の40,000分の1ほどではありますが発電はできたそうです。
ある意味、間違った回答をしてしまっていました。
太陽光発電システムは月光でも発電します。
パワーコンディショナ―の起動電圧
ただ太陽光パネルで発電した電気は直流の電気ですので、パワーコンディショナ(以下パワコン)で交流の電気に変換しなければ使えません。
そしてパワコンが動き出すために必要な起動電圧というものがあります。
この起動電圧がだいたい70V前後ですのでさすがに0.8Vでは動き出してくれません。
結果、太陽光発電システムは動いていませんので「月の光では発電しません」という回答は間違ってはいないともいえます。
各メーカーのパワコン起動電圧
さてパワコンの起動電圧ですが、低ければ低いほど、朝日が昇って来た時に早く太陽光発電システムが稼働するという事になります。
そこで各国内主要メーカーの起動電圧を比較してみました。
比較するパワコンは屋内パワコンで定格出力4.0kWで揃えました。
メーカー | 型番 | 起動電圧 |
---|---|---|
シャープ | JH-40CD3P | 80V |
京セラ | PVN-405HM | 60V |
三菱 | PV-PN40G | 50V |
東芝 | TPV-PCS0400B | 60V |
パナソニック | VBPC240A8 | 70V |
ソーラーフロンティア | KP40K2-SS | 60V |
長州産業 | SSI-TL40A7CS | 70V |
ちなみに京セラと東芝とソーラーフロンティアは同じオムロン製のパワコン。
長州産業はパナソニック製です。
京セラは自分でも製造しているのですが今回の条件ではラインアップがありませんでした。
まとめ
三菱のパワコンの起動電圧の低さが目立ちます。
さすがパワコンの三菱です。
おまけに三菱は来年に変換効率98%という新型のパワコンを発売予定です。
実現不可能なのは百も承知ですが、いっそのこと住宅用のパワコンは全部三菱製を導入してくれないかなと思うくらいです。
カナディアンソーラーとネミーには、三菱のパワコンがOEM供給されています。