いつの間にか無くなっていた!太陽光発電の売電契約内容を記した書類
東京電力管内で売電契約をした人には契約内容の書面が無い
茨城の太陽光発電を設置済みの方から先月相談がありました。
「太陽光発電システムを設置したのですが、買取価格がいくらで、いつまで買取してくれると記された書面が一切ないので不安でしょうがない。
これはこういうものなのでしょうか?」
という内容でした。
このご質問を頂くまで深く考えた事が無かったのですが、確かに現在東京電力管内で太陽光発電システムを設置し連系した方達の手元には買取価格・買取期間が明記された書面がありません。
これはとても不安だと思います。
東京電力だけが廃止した電力受給契約のご案内
じつは2013年7月までは、東京電力管内で連系した際「電力受給契約のご案内」という書面が送られてきており、そこには買取価格と買取期間が明記されていました。
ところが2013年8月から急に東京電力はこの発行を止めています。
その代わり電力受給契約申込書のお客さま控えの返却をもって、電力受給契約が成立したものとするとなってしまいました。
電力需給契約締結を証する書類の変更について
低圧で当社へ電気をお売りいただいているお客さまにおかれましては、平成25年7月31日(水)お申込受付分をもちまして、電力受給契約のお申込みをいただいた際お送りしていた「電力受給契約のご案内」を廃止いたしました。
平成25年8月1日(木)お申込受付分からは、「電力受給契約申込書」のお客さま控えを、電力受給契約締結を証する書類とさせていただきます。
原則、ご提出いただいた「電力受給契約申込書」のお客さま控えの返却をもちまして、電力受給契約が成立したものといたします。電力受給契約申込書お客様控えイメージ
ご覧頂いた通り、この控えには買取価格・買取期間・買取開始時期等が何も記載されていません。
なぜ東京電力は電力受給契約のご案内の発行を止めたのか?
実は東京電力以外の電力会社は今もこの「電力受給契約のご案内」は発行されています。
東京電力だけが廃止してしまったのです。
ではなぜ東京電力は廃止したのか、東京電力に直接確認しました。
すると理由は「経費、工数の削減の為」とのことでした。
原発の問題等で色々と大変なのかなとは思いますが、欲しいものは欲しいのです。
一切証明するものが無いわけですから。
という事でご相談者からの要望もあったのもありますが、東京電力にこの電力受給契約のご案内を発行してもらうよう掛け合ってみました。
電力需給契約の案内を発行してもらうため東京電力と交渉
普通に問い合わせると一瞬で断られました。
「控えを持って契約が成立した代わりとしている」との一点張りです。
「そこを何とか」とお願いしても無理でした。
東京電力が自分たちの理屈で反論してくるのならば、もっと上位の概念で対抗するしかありません。
もう一度電力受給契約申込書の細かい字を読んでみると、
「再生可能エネルギー発電設備からの電力受給に関する契約要綱」
に基づいてこの申込が実施される表記があります。
そして突破口を見つけました。
この「再生可能エネルギー発電設備からの電力受給に関する契約要綱」の13番目の項目に『受給契約書の作成』があります。
そこにはこう記されています。
13 受給契約書の作成
特別の事情がある場合で、発電者または当社が必要とするときは、電力受給に関する必要な事項について、受給契約書を作成いたします。
契約要綱を元に東京電力に再度交渉
この契約要綱の文言を武器に、再度東京電力に掛け合いました。
また同じことを何度も言われましたが、最後は渋々作成を約束してくれました。
交渉から1か月以上経ってやっと届いたのが以下の書面です。
しっかりと買取価格・買取期間が記されています。
これなら安心です。
まとめ
この記事ではさらっと書きましたが、実は結構時間を使ってしぶとく交渉してやっと作成してもらっています。
届いた書面も約束した期限までに届かなくて、再度プッシュしてやっと届いたものです。
これを読んだ皆様が同様に要求をしても作成してもらえるかどうかは正直わかりませんが、東京電力管内の方で自分も欲しいと思われた方はチャレンジしてみて下さい。
ただ交渉の代行は今回きりとさせて頂きたいと思いますので悪しからず。
え・・。
一番下の契約期間の枠の中では、「契約期間は1年ごと」に変えられてしまっているし、買取価格も契約満了前に変更した場合はその値段(おそらくより安い値段)で継続します。ってわざわざ書いてあるので、「東電が好き価格・期間変更できます。」ってことでまったく安心ではないですよ。