太陽光パネルの組み方を変えて昇圧機を使えば設置容量が増すけれど…
今日の太陽光発電相談事例
東京の方からの太陽光発電の相談を頂きました。
SANYOの230Wのパネルを25枚設置で検討しているが、パネルの配置をどうしたらよいかという相談でした。
元々提案されていたのは南面Aに5枚、南面Bに5枚、西面に15枚というものだったが、現地調査の結果、南面Bで懸念されていた自己日影がそこまでかからない事が判明し最大で9枚設置できる事になったので、南面Aに5枚、南面Bに9枚、西面に11枚という提案をもらったという事でした。
ただ変更案では昇圧器を新たに入れなければならないので約8万円金額が上がると言われているが、販売店からは少しでも効率のよい南面に多く載せましょうという話をされており本当にこっちの方がよいのかという内容でした。
これは結構面白いご相談です。ちょっと長くなります。
通常太陽光発電システムは割り切れる数字でパネルを何枚かで直列につなぎ電圧を確保します。
変更前の案では5枚をひとくくりにし、その列を5列作るというシステムです。
ところが変更案は、うまく割り切れないのでどうなるかというと、5枚ひとくくりは変わらないのですが、西面は11枚なので1枚あまります。南面Bは9枚なので4枚あまります。
このあまってしまった1枚と4枚の部分もそれぞれ1列とみなし、5枚分と同じ電圧まで昇圧器を使って電圧を機械的に上げに行きます。
この昇圧器を新たに入れるのでお金がかかるのと、昇圧をかけている列は一般的に5%~10%発電ロスが起こると言われています。
ただ今回の場合は西面から4枚南面にずらしているので、ここで一般的には15%発電効率はアップします。
計算をしてみます。1kWで1000kWhの年間発電量を基本としてます。
230Wが4枚での年間予測発電量は920kWh
これが西面設置となると85%となり782kWh
4枚西面から南面Bに移すということは、この差の138kWh発電量が増えることになります。
そして昇圧をする列が2列あるのでここの発電ロスを10%として考えると、
西面の1枚の列は230kWhの85%なので195.5kWhからの10%で19.55kWh、
南面Bの4枚の列は920kWhの10%で92kWhが、昇圧することにより減ることになります。
合計すると昇圧によるロスは19.55kWh+92kWh=111.55kWh
南面に4枚移すことによる増加 138kWh から昇圧によるロス 111.55kWhを引いた 26.45kWhが変更後の年間予測発電量の増加だと思います。
26.45kWhが全て売電された場合は10年間で11,109円。
仮に昇圧によるロスを5%と見積もった場合では82.2kWhが増加となるので、この場合でも34,524円。
8万円の金額アップは吸収しきれない計算になります。
昇圧器をもし販売店がサービスしてくれるならば、変更案。そうでないのならば現行案で良いのではとお伝えさせて頂きました。