寄棟屋根に太陽光発電を設置するなら京セラのサムライが一番いいんじゃないの?
寄棟屋根には京セラのサムライとエコノルーツアドバンスどちらがいいか?
静岡県のご自宅の新築と同時に太陽光発電を検討している方から相談を受けました。
図面がもうすぐ固まるという段階で、屋根は寄棟屋根(台形と三角形を組み合わせた屋根)でした。
建築をお願いする工務店は既に決定していて太陽光発電の提案も出ており、導入自体は決めていらっしゃるようでした。
内容としては、
「京セラのサムライとエコノルーツアドバンスは色々あると思うのですが結局どっちにするのが良いと思いますか?」
というものでした。
京セラサムライ・京セラエコノルーツアドバンス
京セラのサムライは今市販されている太陽光パネル全メーカーの中で一番小さい太陽光パネルです。
細かいパネルを組み合わせる事により複雑な形の屋根にも綺麗に設置する事ができます。
京セラのエコノルーツアドバンスはパネルの縦幅こそ普通ですが、台形や正方形、長方形などいくつかの形が用意されています。
それらを組み合わせる事により複雑な形の屋根にも綺麗に設置する事ができます。
寄棟の屋根は通常、南面が広めの台形、東面と西面が三角形ですのでサムライもエコノルーツアドバンスもどちらも適しています。
上記のように書くと確かにどちらがより良いのかは全くわかりません。
寄棟屋根で京セラと東芝・パナソニックなどの高効率パネルを比較
そもそもなぜこの方は京セラで検討しているのかを聞いてみたら
「だって寄棟屋根には京セラが良いんでしょ」
という回答でした。
『寄棟屋根には京セラが良い』考え方は正直もう古いと言わざるを得ません。
別に京セラさんを貶める気は全くありませんが、多結晶にこだわった京セラと単結晶パネルを向上させた他メーカーでは、変換効率でかなりの開きができてしまいました。
(特に高効率パネルの東芝やパナソニックとの差です)
屋根面が台形や三角形などの寄棟屋根に長方形のパネルを配置すると確かに設置できない無駄なスペースが発生します。
そのスペースを埋めるべくエコノルーツアドバンスなどは台形や正方形に近いような形のパネルを用意しています。
ですがその無駄なスペースの設置容量を考慮しても、高効率パネルの方が設置容量は上回るというケースが最近では多いです。
京セラのサムライと東芝のパネルを比べると1m²あたりの出力は137Wと201Wとなります。
メーカー | 型番 | 出力 | 面積 | m²あたり出力 |
---|---|---|---|---|
京セラ(サムライ) | KJ80P-3CSCA | 80W | 0.583m² | 137W |
東芝 | SPR-250NE-WHT-J | 250W | 1.244m² | 201W |
この差は如何ともしがたいのです。
そしてさらに今はこの東芝やパナソニックの価格が普及価格帯まで低下しています。
そのため、『高効率だから高い』というような事が昔ほどなくなっています。
むしろサムライなどは部品点数が多くなり工賃が上がるため高くなるケースの方が多いのです。
新築で提案される太陽光発電には、なぜシャープ、京セラが多いのか
今回ご相談頂いた方も寄棟とはいいながらも比較的大きい屋根でした。
そのため、
- 設置容量を稼ぐ
- 金銭メリットを考慮してメーカーを選択する
ということであれば、京セラという選択肢は外れる事になります。
新築と同時に太陽光発電を検討する方は、得てして京セラとシャープという選択肢が多いです。
理由としてはいくつかありますがだいたいは以下の4つです。
- 大手ハウスメーカーが昔からの提携関係がありますのでシャープか京セラのどちらかの提案をしてくる
- 工務店の下請けに入っている太陽光発電会社も古い企業が多く、結果歴史の長いシャープ、京セラをメインで取扱っている会社が多い
- 知り合いで家を新築して太陽光発電を設置している方に当然のことながらシャープ、京セラが多い
- 新築での太陽光発電システム検討の方はそれ以外にもそもそも家の事、キッチン、風呂など沢山考えなければいけない事が多いためさほど調べていない
これらが合わさってのことなのだと思います。
太陽光パネルのデザイン性
では京セラのサムライやエコノルーツアドバンスはどのような時に選択肢と考えればいいのかと言う事ですがやはりデザイン性だと思います。
寄棟の屋根に設置した場合、エコノルーツアドバンスもやはり綺麗ですし、サムライに至っては屋根の勾配次第では太陽光パネルがのっている事に気づかないくらいです。
(太陽光パネルを付けたぞーとご近所に知って欲しい方には合わないかも知れません・・・)
そう考えると、よりデザイン性を重視する新築の方にシャープや京セラ希望の方が多い理由はこの屋根形状とのフィット感という事もあるのかもしれません。
まとめ
新築の方にはメーカーの選定以外に同時に屋根材の選定なども相談されます。
屋根材の耐久性や費用等のバランスで一概に言えることではありませんが、今後はその際に屋根の色についてもアドバイスするようにしたいと思います。
太陽光パネルを目立たせたいのであれば、オレンジ系の明るい色の洋瓦などにすれば対比でかなり目立ちます。
逆になるべく目立たせたくないのであれば同系色にしたり、設置方法でもサムライのように屋根材との距離が少なくより一体的に見える設置工法も各メーカーに用意されています。
ただ単に性能や費用等だけでなく、デザイン性まで含めた総合的な観点でアドバイスができるようにしていきたいと思います。