チャオリソーラーが債務不履行を宣言!今後の中国太陽光メーカーをどう見るか?
中国で民生企業で初の債務不履行が発生!第一号が太陽光発電メーカーのチャオリソーラーという衝撃
平成26年度の売電価格の発表があったので先週のコラムではそちらを優先させてしまいましたが、同時にインパクトのあるニュースが入っていました。
先週のコラムはこちら。
中国の太陽光発電モジュール(太陽光パネル)メーカーの上海超日太陽能科技が、社債の利払いを行えず債務不履行となりました。
これは太陽光発電業界だけの事ではなく中国で初めての債務不履行でした。
今まで中国政府は同様のケースになった時は必ず救済措置をとっていたのですが、今回初めて債務不履行を容認したと話題になりました。
上海超日太陽能科技は中国名だとどこの会社だかよくわかりませんが、カタカナで書くとチャオリソーラーです。
聞いた事がある方も多いかと思います。
今回のニュースで大事な点は以下の2つだと思います。
- 中国で債務不履行が容認されたという事
- 債務不履行を起こしたチャオリソーラーが昨年末に中国政府が発表したいわゆる134社リストに名を連ねている会社であるという事
1.中国で債務不履行が容認されたという事
中国で債務不履行が初めて容認されたという事は、ある程度市場の動きに任せるという事であると思います。
今回の利払い不能に陥った金額は約15億円で、別にチャオリソーラーが潰れてしまった訳ではありません。
ただチャオリソーラーは2011年から赤字です。
このまま約150億円の社債自体が債務不履行となってしまう可能性も否定できません。
2.中国政府が発表した134社リストに載っているから無条件に安心という事ではない
そして太陽光発電業界としてはより重要なのは、あの134社リストに載っていたチャオリソーラーで起きた事だと思います。
中国メーカーの信頼性について半信半疑ながらも検討を進めるうえで、2013年の末に発表された134社リストは、ある意味判断の拠り所となっていた感があります。
その安心感が、たった数か月でもろくも崩れ去ってしまったという事の方が大きいです。
134社リストに載っている会社でさえ中国政府が特段過保護にしないとなれば、今後のメーカー選定に大きく影響してくることは必至です。
まとめ
現在でも産業用の大型案件では、金融機関が国内メーカーを使用している太陽光発電システムでないと融資をしてくれないというケースを耳にします。
この流れが加速していくと、国内メーカーは有利となります。
国内メーカーにチャンスが与えられる事は良い事ではあると思いますが、やはりこれもバランスだと思います。
良くも悪くも中国メーカーの参入によって価格競争が促され、システム価格の低下が起きました。
メーカーを筆頭に適正な利潤を得たうえで、太陽光発電システムの普及が大きく後押しされるだけの市場価格になっていなければ意味がありません。
今後の市場の反応等、注意深く見ていきたいと思います。