太陽光発電を高額な値段で買ってしまった場合に販売会社を訴えることはできるか?
今日の太陽光発電相談事例
愛知県の方から太陽光発電の相談を頂きました。
昨年6月に契約をし、8月に設置工事が済んでいらっしゃる方からのご相談でした。
「今さらだが、とんでもなく高い金額で買わされた事に気づいたので訴えてやりたい」
と思っているとの事でした。
詳しくお伺いすると確かに、1kWあたりの金額が70万円を超えておりましたので、見事なボッタクリと言える金額です。
よくこの値段で売る事ができるなと、感心するほどです。
相談内容の趣旨は「いかにこれが法外な値段かを証明するような資料を作成して提供してほしい」というものでした。
さすがに我々の仕事は弁護士業でもないですし、そこまでの事はできません。
当社のホームページ上に公開している『各メーカー・設置容量ごとの相場価格表』が参考資料として使えるかも知れません、とお伝えしました。
この販売会社は「訴えるというならお好きにどうぞ」というスタンスでいるらしいのですが、
私としても正直、訴えるのは難しいだろうな、とは思います。
モノの価格というのは、販売する側が自由に決める事ができるものです。
高く売ってはいけない、という事はありません。
どの業界でも販売者は如何に高く売るかで頭を悩ませます。
これが仮に、
「メーカー希望小売価格1万円の商品を、メーカー希望小売価格が2万円であると偽り、そこから5千円引きなどといって1万5千円で売った」
という事であれば、おそらく景品表示法違反などになるかと思いますが
残念ながら太陽光発電はメーカー希望小売価格がきわめて高い商品です。
仮にkWあたり70万円で売ったとしてもメーカー希望小売価格からは値引きをした金額になります。
(太陽光発電を実際にメーカー希望小売価格で販売した場合、小さい容量のものなどは1kWあたり100万円を超える場合もあります。)
今回のようなケースで可能性があるとすると、価格の高さについてではなく、特商法違反等の方が可能性がある気がします。
特定商取引法では『不実の告知』を禁止しています。
『不実の告知』とは、要は『正しくないことを伝える事』です。
kWあたり70万円ですと、当然国の補助金はもらえません。
ちょっと調べれば、補助金をもらう為には金額の上限キャップが設定されている事はわかりますので、もし営業マンが「kWあたり70万円で売ってこい」と言われたら、この補助金の説明は省いてしまう可能性があると思います。
ただ、補助金があるという認識は大体お客様はお持ちなので、この金額だともらえないという説明ではなく「予算を使い切り補助金は終わってしまった」とか、「全量買取制度が始まった影響で住宅用の補助金は無くなった」等の嘘をつくと思います。
そうするとこれは明らかに正しくないことを伝えていますので『不実の告知』にあたります。
このような可能性があるかもしれないという話はお伝えしましたが、一般論しかお伝えできませんので、あとは弁護士さん等に相談して頂くという形になりました。
(税務の相談などでも一般論をお伝えするのは良いのですが、個別の相談等にのると税理士法違反になってしまいます。今回の場合も個別相談にのると弁護士法違反などになってしまう恐れがあります。)