太陽光発電設置のウラ側にある危険な落とし穴
今日の太陽光発電相談事例
千葉県の方から太陽光発電の相談を頂きました。
年末に受けた相談ですので少し時間が経ってしまっていますが、これから新築の工事が進む時期でもありますので、今年最初の相談事例として工事に関連した内容のものを共有させて頂きます。
今回の相談の内容は
「ソーラーフロンティアで一度契約をしたのだが、契約後に現地調査をしてもらったところ、計画していた設置方法では設置不可となってしまったのだが、何とか設置する方法はないだろうか?」
というものでした。
ご談者様の屋根の情報を詳しく伺うと、ガルバリウム鋼板の瓦棒心木ありという屋根で、瓦棒が垂木の上に455mm間隔で走っているというものでした。
ソーラーフロンティアは垂木固定が主な工法のメーカーですが、ソーラーフロンティアの160Wのパネルには、瓦棒自体に固定する工法がありません。
ですので、瓦棒に止めるのではなく平面の部分にビスを打ち込み、屋根裏から補助板を当てて補強する予定だったそうです。
ところが実際に屋根裏をチェックしてみたところ、50mm以上の断熱材が入っている事がわかり、設置が不可となってしまったという事でした。
確かに断熱材は発砲スチロールのようなものですので強度がありません。
屋根材の下にある野地板は通常12mm程度の厚さですが、野地板の4倍以上もする厚さの、しかもフカフカの発砲スチロールが補助板の間に挟まっていると考えれば、当然ビスの長さが足りなくなりますし、仮に足りたとしても、引き抜き強度が格段に落ちる事は容易に想像できます。
現地調査はできれば契約の前にするべきなのですが、日程がなかなか合わなかったなどの事情があったのでしょう。
しかしながら、ご相談を受けた感想としては、計画していた設置方法での設置は不可という判断し、ご相談者様にその旨を伝えたこの販売会社さんは正直だなーというのが印象です。
悪い会社であればそのまま設置してしまうと思います。
素人にはわかりっこありません。
最近は在来工法でない工法で建てられた家も増えてきていますので、設置方法の判断が難しい屋根への設置は今後どんどん増えていくと思います。
メーカーは垂木の有無や垂木の方向(縦か横)などをいちいちチェックはしてくれません。
つまり、太陽光発電の設置方法が安全かどうかは、ほとんどの場合販売会社が判断することになります。
心配なのは間違いなく
- 販売会社が危険を知らずに設置をしてしまっているケース
- 販売会社は危険であることを知っていたにも関わらず、確信犯で設置してしまっているケース
が既にたくさん存在しているだろうという事です。
そしていつか、気付かない間にこうした危険な設置をした事例の悲惨な結果が、表面に噴出する時期が来るのだろうと思います。
どこかの大臣では無いですし本当に不謹慎ですが、どうせ出るなら早く噴出して欲しいと思ってしまいます。
そうすればもっと、太陽光発電の導入を検討している方々の工事に対する意識が増し、最近ありがちな家電を買うような軽い感覚で、太陽光発電を導入する人が減るのではないか、と思うからです。
今回のケースは、販売会社さんの方からソーラーフロンティアに別の方法での設置ができないかの確認を再度取ってもらい、難しいようなら別のメーカーで、再度検討しなおす必要がありますとお伝えさせていただきました。
今年も正確で有益な太陽光発電の情報発信を心がけていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
我家にも太陽光発電を付けてCO2削減に役立てようと考えております。新築後2年間の一個建てですが、屋根がドーム状に南北方向にアーチを作っています。基台を設置して斜めに付ける事も検討したのですが設計士の方から雨漏りを理由に却下されました。近日中にはノートに使用する下敷きの様な柔かい太陽光パネルも発売されると聞きました。何か良い解決方法は無いでしょうか?
後藤和弘 様
ご質問有難うございます。
ドーム状の屋根という事ですので、現状、我々が知る限りは設置は難しいと思います。
曲げる事が可能な太陽光パネルの開発もございますが、まだまだ住宅用に使えるほどの発電効率、コストには到っておりません。
もう少し技術の進歩を待つしかないようです。