2030年には宇宙の太陽光発電で作った電気を地球で使用する時代が来るかもしれません
宇宙太陽光発電
2013年11月25日(月)の日経産業新聞に宇宙太陽光発電の特集が組まれていました。
宇宙空間に太陽光パネルを広げる事ができれば地上と違い天候に左右されることもなく安定した発電を確保できるので、太陽光発電システムで一番問題視されている『一定の発電量が確保されない』という問題が解決されます。
上空36,000kmの静止軌道に太陽光パネルを広げると直径2kmほどの大きさで200万kWもの容量になり原子力発電所1基分に相当します。
宇宙で発電した電気をどうやって地球で使うのか
ただ宇宙空間でいくら発電できてもそれを地上で使えなければ意味がありません。
何らかの形で発電した電気を送るのですが、その方法は大きく2つに分かれるそうです。
- 電子レンジにも使うマイクロ波で送る方法
- レーザーで送る方法。
マイクロ波の方が途中で雲があってもマイクロ波は減衰しないので天候に関係なく電気を受けられるメリットがあるものの、地上のアンテナの大きさが直径2km程と巨大になってしまうという問題があります。
レーザー方式は雲などで減衰してしまうというデメリットはありますが、地上のアンテナは小さくて済むというメリットがあります。
京都大学の篠原教授らはマイクロ波の送信実験に世界で唯一成功
京都大学は2011年に世界最大規模となる実証実験施設を作っており、過去には実験ロケットから地上にマイクロ波を送るという世界唯一の実験にも成功しています。
実現は2030年代後半とも言われている宇宙太陽光発電システムは、着想と提唱こそアメリカですが、実験結果は日本が残している分野です。
来年度にもより大型のマイクロ波の受信実験が予定されているそうです。
まとめ
映画にもなった「宇宙兄弟」という漫画があります。
舞台は2020年代後半の地球で、その中では月面に望遠鏡を作成しようという計画が進んでいます。
費用の問題、資材の運搬の問題、作成手順など問題は山積していますが徐々に話は進んでいます。
あそこから10年後であっても宇宙太陽光発電システムの完成は現実的な問題が多々あって、ものすごい難しいものであるという認識は持てます。
ただ進めていくには未来を見据えて予算を割く必要があり、それは政治判断になります。
100万kW級の建設にかかる総額は1兆2436億円と見積もられています。
これは単に建設コストであって、それまでの研究コストは膨大にかかる筈です。
無駄を削ってその分どーんと予算付けてくれないかなあと思います。