北面に太陽光発電を設置出来る工法「さざ波工法」!特殊工法のその条件とは?
神奈川県の方から太陽光発電についてのご相談を頂きました。
「角度10度もない位の北面の屋根でだけど太陽光発電を設置したいが何か方法はないか?」
とのご相談でした。
既に2社さんと話をされており、1社さんは設置できないという回答で、もう1社が角度をつけて南に向けて設置ができるという回答をしたという事でした。
図面等をもらい諸々確認したところ、可能性があるのはシャープのさざ波工法と呼ばれるものだけとわかりました。
北面設置は何故NGになるのか
コンクリート造の陸屋根であれば、基礎を作り角度のある架台をその上に作り太陽光発電は通常設置できます。
しかし木造の家ですと基礎を作るという事ができませんのでどのメーカーでも北面の屋根にベタ置きする設置方法しかなく以下の3つの理由でNGになります。
- 北面は発電が想定よりもしない事
- 反射光が後ろの家に入ってしまうこと
- 北面の家の屋根の角度が大概1寸位しかなく角度が足りない為雨水等のはけが悪くなってしまう事
です。
シャープのさざ波工法
シャープのさざ波工法は20度の角度をつける事ができます。
特段複雑な工法ではなく通常通り屋根にビス止めをします。
何故シャープだけ大丈夫なのかと聞かれるとこれはもうシャープの経験値によるものという事になると思います。
それ専用に架台を作っているという事と、都度メーカ―判断を加えているという事、そして長年のトライ&エラーがあるという事なんだと思います。
このさざ波工法はパンフレットにも出ていない裏工法みたいな存在です。
都度案件ごとにメーカー照会をしてOKをもらえれば設置ができるというものです。
245Wのパネルでも設置できる?
その会社さんはシャープの「245Wのパネルでも設置できる」と回答していたようですが、改めてシャープに確認しても245Wに対応したさざ波工法の架台が無いとの事で設置はできないと言われました。
最近仕入れだしたサンパワー製のパネルなのでまだ対応していないのだと思います。
その会社さんは自社でCADを引いて太陽光パネルの配置図を作っていたので、確認する事なく作ってしまっていたようです。
角度がもっとありました・・・
という事で、さざ波工法を持つシャープでやりましょうという事になったのですが、この方は図面が手元になかったのがいけなかったのですが、10度も角度がないと聞いていました。
しかし実際に見てみると屋根勾配は3寸はありました。
3寸という事は16.7度ですので20度角度をつけても3.3度しか南に傾きません。
おまけにさざ波工法は角度をつけて設置する工法ですので、パネルとパネルの間隔を取らなければいけないため設置容量は2kWを割ってしまいます。
まとめ
金額もそもそも上がりますし、容量も2kWを割り込む、想定よりも設置角度が少ないので発電量も低下するという事で今回は設置断念する事になりました。