蓄電池の保証と補償|メーカー別に内容・期間を徹底比較!最長20年の蓄電池はどれ?
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蓄電池を比較検討する際、保証が最終的な決め手となるケースも多いと思います。
長期保証は安心感があるというだけでなく、蓄電池が何年使えるのかを想定するためにも、メーカーが保証を何年で設定しているのかはとても重要な検討項目です。
しかし、保証といっても何に対して何年保証してくれるのかメーカーによって異なります。
今回は、
・蓄電池の保証はどこまで保証してくれるの?
・蓄電池の保証を一覧で比較したい
・一番保証が手厚いメーカーはどこ?
といった疑問や要望を持っている方に向けて、最新の蓄電池の保証を解説していきます。
価格や性能を比較したい方は下記の記事から。
蓄電池の保証と補償
蓄電池を購入した際は、大きく分けて下記の保証と補償がつきます。
・メーカー保証
メーカーが購入者に対して商品の性能や機能を保証するもの
・保険会社の補償
工事会社が任意で保険に加入することで自然災害や施工不良で生じた損失を補償するもの
【「保証」と「補償」言葉の違いについて】
言葉の違いを理解すると、どんなケースで適用されるのか理解が深まります。
・保証……責任をもって品質が確かだと請け合うこと
・補償……損失を補ってつぐなうこと
蓄電池の保証|メーカー保証
蓄電池の性能を保証するメーカー保証は、主に容量保証と機器保証の2種類があります。
蓄電池の容量保証
容量保証とは、経年劣化で電気をためられる容量が少なくなる蓄電池本体に対し、使用年数あたりの性能を保証するというものです。
例えば、人気メーカーのオムロンのKPBP-Aシリーズであれば、
規定する保証期間内に蓄電池ユニットの充電可能容量が初期容量の60%を下回った場合に蓄電池ユニットを代替品と交換いたします。
出典:オムロン|長期保証規定
という内容です。
この場合、オムロンの長期保証規定の表にて蓄電池ユニットの保証期間は15年と定められているため、15年で初期容量の60%を下回ったら保証ということになります。
メーカーや蓄電池によって異なりますが、年数は10年~20年、容量は50%~60%が一般的です。
※ほとんどのメーカーが1日1サイクル使用した場合という前提条件が付いているため、過度に使いすぎた場合は保証の対象外となることがあります。
蓄電池の機器保証
機器保証とは、メーカーの瑕疵や故意によらない原因で機器が故障したり、性能を満たしていない場合に保証するというものです。
同じくオムロンのKPBP-Aシリーズの場合は、機器に障害が発生した時に、下記の年数以内であれば修正や交換を行います。
機器 | 年数 |
---|---|
パワーコンディショナー | 15年 |
蓄電池ユニット | |
PVユニット | |
トランスユニット | |
全負荷用分電盤 | |
ゲートウェイ(操作パネル) | 10年 |
電力計測ユニット(モニタリング機器) |
蓄電池の補償|保険会社の補償
自然災害や工事が原因で生じた損失に対しては、主に自然災害補償と工事保険の2種類があります。
これらの補償は、メーカーが製造した商品に対して行う保証でなく、保険会社に保険料を払うことで想定外の事故に対して備えるためのものです。
ただし、誰が保険会社に保険料を支払うのかという点がややこしいので、それぞれ解説していきます。
蓄電池の自然災害補償
蓄電池の自然災害補償は、メーカーが事前に保険会社と提携し、災害によって機器が破損した時に修理や交換を行うというものです。
自然災害といっても、台風や落雷などの故障は補償されますが、全メーカーで噴火、地震、津波、経年劣化は対象外となりますので注意が必要です。
以前は自然災害補償に入るかどうかは任意で、入る場合は保険料を払うというのが一般的でした。
しかし、最近の蓄電池はメーカー側で無償の自然災害補償を用意して標準でついてくるところも多いです。
【自然災害補償の注意点】
販売会社の中には、独自の補償を用意している会社がいます。そのような会社は、補償内容に見合わない保険料の上乗せがあったり、上乗せがわかりづらいよう見積もりの内訳を編集しているケースがほとんどです。蓄電池を買ったつもりがオプションで不要な保険まで買わされているということにならないよう、しっかり比較検討しましょう。
蓄電池の工事保険
工事保険は、蓄電池の施工をする工事会社が、施工不良や事故に備えて入る保険です。
保険の適用範囲は様々で、労災にしか適用されないもの、施工不良によって生じた損失に適用されるものなどあります。
工事保険は施工会社が保険会社に加入するものなので、施主様の方で費用が発生することはありません。
ただし、注意すべき点があります。
どの施工会社も工事保険に加入しているわけではないという点です。
会社によって加入しているかどうか、そして保険内容も大きく異なるため、いざ施工不良を起こしてしまった時に補償する力があるかどうかは会社によって大きく異なります。
そのため、価格面で会社を比較するだけでなく、工事保険に入っているかどうか、そもそも倒産する心配がないかどうかもしっかり確認しましょう。
工事保険に入っている会社だけで比較検討したい場合は、弊社で地元の会社がご紹介可能です。
家庭用蓄電池の主要メーカー別の保証&補償内容一覧
家庭用蓄電池の主要なメーカーの保証を比較できるよう一覧表を用意しました。
メーカーごとの保証や補償の詳細は、それぞれ個別の項目で解説します。
※表中の会社名から各メーカーの詳細項目へ移動します。
メーカー | 容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|---|
ニチコン | 10年間or15年間で50%を保証 | 10年or15年保証 | 10年 |
オムロン | 15年間で60%を保証 | 15年保証 | 記載なし |
長州産業 | 15年間or20年間で60%を保証 | 15年or20年保証 | 記載なし |
シャープ | 10年間で60%を保証 (有償の場合15年で60%を保証) |
10年保証 (有償の場合15年保証) |
記載なし |
京セラ | 15年間で50%を保証 | 15年保証 | 10年 |
住友電工 | 15年間で60%を保証 | 15年保証 | 記載なし |
長府工産 | 15年間で50%を保証 (有償の場合20年で50%を下回り、かつ停止した場合に保証) |
15年保証 (有償の場合20年保証) |
10年 |
パナソニック | 15年間で55% or 70%を保証 10年間で55% or 60%を保証 (有償の場合15年で55% or 60%) |
15年保証 | 15年 |
カナディアンソーラー | 15年間で60%を保証 (有償の場合20年で60%を保証) |
15年保証 (有償の場合20年保証) |
10年 |
HUAWEI(ファーウェイ) | 10年間で60%を保証 (有償の場合15年で60%を保証) |
10年保証 (有償の場合は15年保証) パワコンのみ最大20年保証 |
記載なし |
テスラ | 10年間で70%を保証 | 10年保証 | 記載なし |
実際に保証を使う際に見落としがちなことは、実際に不具合を確認するための点検にかかる費用が誰の負担になるのかという点です。多くのメーカーでは、点検で保証の対象となる不具合が発見されたら、かかった点検費用もメーカーで負担してもらえます。しかし、保証の対象とならない場合は、点検費用は自己負担となってしまう点は注意が必要です。点検は基本的に工事会社が行うもので、契約時に何年ごとに行うか決めます。しかし、工事を下請けに任せている会社は、無くなってしまうリスクが高いため、余計な自己負担を増やさないためにも自社施工の工事会社から購入するのがおすすめです。
ニチコンの保証
ニチコンは、長らく蓄電池トップメーカーとして活躍しています。
当然性能も優れていますが、保証面も充実しています。
商品の種類が多いメーカーですが、保証面では単機能タイプが10年、ハイブリッドやトライブリッドが15年と分かれています。
シリーズ | 容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|---|
ESS-T3 | 15年間で50%以上 | 15年間 | 10年間 |
ESS-E1 | |||
ESS-U4 | 10年間で50%以上 ※購入時に有償で申し込むと5年延長 |
10年間 ※購入時に有償で申し込むと5年延長 |
10年間 |
「ESS-U4」シリーズの延長保証にかかる費用は、
ESS-U4X1で70,000円(税抜)、ESS-U4M1で50,000円(税抜)です。
ニチコンの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
オムロンの保証
ヘルスケアメーカーとして有名なオムロンですが、蓄電池においてもヒット商品を生み出し続けています。
オムロンブランドだけでなくOEMで他社へも蓄電池を供給しているため、隠れたトップシェアのメーカーですが、供給数も多いオムロンの保証はいわば蓄電池市場の保証面での基準とされているとも言えます。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で60%を下回った場合 | 15年間 (一部10年保証の機器あり) |
なし |
オムロンに問い合わせたところ、自然災害補償は免責事項となるためメーカー側で用意されているものはないそうです。
しかし、基本的に自然災害補償はメーカーではなく保険会社と提携して用意されるものなので、メーカーの用意がない場合は個人で保険に加入することでカバーすることが可能です。
機器保証については一部15年保証が適用されないものがあるため、詳しくは下記の表をご覧ください。
下記に記載がない機器は1年保証です。
機器 | 年数 |
---|---|
パワーコンディショナー | 15年 |
蓄電池ユニット | 15年 |
PVユニット | 15年 |
トランスユニット | 15年 |
全負荷用分電盤 | 15年 |
ゲートウェイ(LCD表示部を除く) | 10年 |
電力計測ユニット(LCD表示部を除く) | 10年 |
容量保証について、一部60%保証が適用されないケースがあります。
経済モード、安心モード、グリーンモードのみで使用した場合は60%が適用されますが、それ以外で使用した場合の容量保証は初期容量の50%を下回るまでとなります。
オムロンの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
長州産業の保証
長州産業は太陽光発電で一番人気のメーカーです。
パネルは国産でコストパフォーマンスも高いという点で人気のメーカーですが、長州産業の太陽光パネルはOEMと共に成長してきた歴史があります。
蓄電池においても、オムロンとダイヤゼブラ電機の商品をOEMで取り扱っていますが、実はOEM元よりも長州産業ブランドの方が圧倒的に高い人気を得ています。
その理由の一つが保証面の強さです。
長州産業の蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
スマートPVマルチの保証
オムロン製の蓄電池のOEMがスマートPVマルチです。
スマートPVマルチには、同じ商品で15年保証の商品と20年保証の商品が用意されています。
他のメーカーでは、20年保証が用意されている場合、15年保証に有償で5年追加することができるという内容であることが多いため、めずらしい保証が設定されています。
同じ商品でも15年保証と20年保証で価格が異なるため、保証をとるか費用をとるかで判断しましょう。
対象機器は、オムロンで紹介した内容と同様です。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間 or 20年間で60%を下回った場合 | 15年間 or 20年間 (一部10年保証の機器あり) |
なし |
スマートPVプラスの保証
ダイヤゼブラ電機製の蓄電池のOEMがスマートPVプラスです。
スマートPVプラスは、OEM元と同じく15年保証が設定されています。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で60%を下回った場合 | 15年間 | なし |
15年保証の対象機器は、蓄電池ユニット、パワーコンディショナー、電源切替ボックスとなり、表示ユニットは1年保証となります。
シャープの保証
シャープは、太陽光発電の老舗メーカーのため、蓄電池を検討するOBのユーザーを多く抱えています。
太陽光発電と蓄電池は、保証の兼ね合いから同じメーカーに統一する場合も多いため、シャープは蓄電池でも高いシェアを誇っています。
シャープの蓄電池の保証は、基本的に10年で有償で15年になります。
注意点としては、増設※1・後付け※2の場合15年の有償保証は選択できず、10年の無償保証のみとなります。
シャープの蓄電池システムでは、増設と後付けは、最初の設置から5年以内のため、蓄電池システムに関連する機器を最初に設置してから15年以内しか保証ができないと認識していただくとわかりやすいです。
※1この場合の増設は、既に設置している蓄電池の容量を増やすために蓄電池本体や蓄電池用コンバータを追加することを表します。
※2この場合の後付けは、蓄電池対応のパワーコンディショナーを先に設置して後から蓄電池本体や蓄電池用コンバータを設置することを表します。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で60%を下回った場合 | 15年間 (一部10年保証の機器あり) |
なし |
機器保証の対象となるのは、蓄電池本体、ハイブリッドパワーコンディショナー、クラウド連係エネルギーコントローラ、電量モニタ、ケーブル、電力センサー、RPRセンサー、蓄電池用コンバータ、ストリングコンバータ、接続箱、蓄電池モジュールです。
シャープ製の太陽光発電システムとしか繋ぐことができないので、自社製品に対する保証範囲はずいぶん手厚いです。
有償の15年保証にかかる費用は以下の通りです。
最新商品は費用が安く設定されているため、蓄電池の寿命に自信があると言えるかもしれません。
対象蓄電池 | 有償保証にかかる費用(税込) |
---|---|
JH-WB1621 | 33,000円 |
JH-WB1821 | 55,000円 |
JH-WB1921 | 50,600円 |
JH-WB1921×2 | 95,700円 |
JH-WB2021 | 60,500円 |
JH-WB2421 | 29,700円 |
JH-WB2421×2 | 37,400円 |
※最終更新2025/01/31
シャープの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
京セラの保証
京セラは国内で初めて住宅用太陽光発電を販売したメーカーなので、太陽光発電を初期に設置した家の多くが、京セラ製のパネルを付けています。
そのため、全個体蓄電池開発のノーベル賞を受賞に日本市場が湧く中、蓄電池という商品が市場に浸透する時には、京セラが有利かと思われました。
しかし、実際には最近まで京セラの蓄電池は市場で存在感がなく、市場人気と逆行するように単機能タイプの蓄電池を販売していました。
ところが、2024年から京セラの高い技術を集約した半固体のクレイ型蓄電池をハイブリッドタイプで販売し始めたことで注目を集めています。
特に注目すべきポイントは、他社の蓄電池ユニットの倍近い寿命とも言えるサイクル数20,000回以上です。
さすがに保証期間も他社の倍とはなりませんでしたが、保証面も十分魅力的な商品です。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で50%以上 | 15年間 | 10年 |
寒冷地の屋外設置は15年の保証が10年となりますのでご注意ください。
単機能タイプのEnerezza(エネレッツァ)もハイブリッドタイプのEnerezza Plus(エネレッツァプラス)も保証期間は同様です。
京セラの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
住友電工の保証
住友電工は、住友系の非鉄金属メーカーです。
蓄電池においても根強い人気を持ち、他社メーカーにOEMとして採用される技術力を持ちます。
住友電工の主力商品は、ハイブリッドタイプのPOWER DEPO H(パワーデポエイチ)と単機能タイプのPOWER DEPO V(パワーデポファイブ)です。
どちらの商品も容量保証・機器保証ともに15年保証ですが、細かい条件があるので解説します。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で60%を下回った場合 | 15年間か50%を下回った場合のいずれか早い方 | なし |
まず、誤解しやすいポイントは、機器保証です。
容量保証が60%なので、どっちが正しいのか混乱してしまいそうですが、機器保証は期間だけを表していると理解すると、容量保証と機器保証の違いがわかります。
つまり、容量保証は15年間で初期実効容量の60%を保証して、機器保証は15年間もしくは初期実効容量の50%を下回る時まで有効ということです。
次に、積算放電容量についてです。
POWER DEPO Hの場合は「容量保証で60%を下回った場合」という条件の他に、実は積算放電容量という条件が設けられています。
積算放電容量とは読んで字のごとく、蓄電池から放電した電気の合計です。
POWER DEPO Hの容量保証は「積算放電容量が52.8MWh(15年間で1日1サイクル相当)以上に達した蓄電システム」が対象とならない可能性があるため、使用頻度が高いと保証の対象外となってしまう場合があるのでご留意ください。
住友電工の蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
長府工産の保証
長府工産は住宅設備のメーカー商社です。
自社ブランドとして取り扱っている商品は、ニチコンのESS-T3シリーズのOEMなので、ハイブリッドでもトライブリッドでも選ぶことができます。
元々人気が高い商品ですが、ここ最近で長府工産ブランドの蓄電池が急激に人気を伸ばしています。
理由は、有償の保証延長を使うことで、業界最長の20年保証にすることができるからです。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で50%を保証 (有償の場合20年で50%を下回り、かつ停止した場合に保証) |
15年保証 (有償の場合20年保証) |
10年 |
15年保証の対象機器は、蓄電池ユニット、パワコン、V2Hですが、V2Hの充放電コネクタと充放電ケーブルは10年保証となります。また、リモコンは5年保証です。
延長保証にかかる費用は87,000円(税抜)※1となるので、例えば16年目に不具合が発生してしまった場合に20万円近くかかってしまうことを考えると、お得な保証です。
ただし、延長保証を利用してもV2Hは15年保証のままなのでご注意ください。
20年保証の保証限度額は、蓄電池システム150万円(蓄電池ユニット100万円、パワコン50万円)となります。
※1:延長保証の費用は販売工事会社により前後する場合があるため、詳しくはお見積り時にご確認ください。
長府工産の蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
パナソニックの保証
パナソニックはいわずと知れた大手電機メーカーです。
三洋電機由来の技術で作られた太陽光発電「HIT」やテスラに供給していた品質の高い蓄電池で、一時は圧倒的な人気がありました。
現在太陽光発電は安価な海外メーカーの躍進で自社製造から撤退し、蓄電池も住宅用ではあまり存在感がない状態がここ数年続いています。
しかし、日本の住宅市場でパナソニックブランドの安心感は健在で、太陽光発電がパナソニックなら蓄電池もパナソニックを付けたいという方も多いです。
保証面でも隙がなく、最新の商品は全蓄電池で最大の保証値となっています。
パナソニックの太陽光発電を設置した方が今後卒FITを迎えるタイミングで、販売数を大きく伸ばす可能性は十分あります。
パナソニックの保証は、同じシリーズでも商品によって大きく異なりますので詳しく紹介します。
まず、パナソニックの容量保証は10年のものと15年のものがあり、何パーセント保証するかも商品により異なります。
シリーズ違いで同じ型番の商品は同じ保証内容なので、その点を意識していただくとわかりやすいかもしれません。
シリーズ | 型番(容量) | 容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|---|---|
創蓄連係システムS+ | LJB1335(3.5kWh) | 10年間で55%を下回った場合 (有償で15年) |
15年間 | 15年間 |
LJB1256(5.6kWh) LJB2363(6.3kWh) |
10年間で60%を下回った場合 (有償で15年) |
|||
eneplat | LJB1335(3.5kWh) LJB1367(6.7kWh) |
10年間で55%を下回った場合 (有償で15年) |
||
LJB2363(6.3kWh) | 10年間で60%を下回った場合 (有償で15年) |
|||
LJB1367C(6.7kWh) | 15年間で55%を下回った場合 | |||
LJB2364C(6.4kWh) LJBH364C(6.4kWh) |
15年間で70%を下回った場合 |
容量保証が10年の商品も、有償で15年に変更することができます。
その際かかる費用は下記の通り合計容量によって決定します。
※パワコン1台あたりにかかる費用です。
合計蓄電池容量 | 有償保証にかかる費用(税込) |
---|---|
3.5kWh | 44,275円 |
5.6kWh | 54,450円 |
6.3kWh | 60,500円 |
6.7kWh | 64,900円 |
7.0kWh | 66,495円 |
9.1kWh | 71,995円 |
9.8kWh | 77,000円 |
11.2kWh | 80,256円 |
11.9kWh | 84,700円 |
12.6kWh | 86,900円 |
13.0kWh | 93,500円 |
13.4kWh | 96,250円 |
※最終更新2025/01/31
パナソニックの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
カナディアンソーラーの保証
カナディアンソーラーは、カナダに本社をおき、世界中に太陽光パネルを供給するメーカーです。
日本では住宅用太陽光発電メーカーとして人気で、常に高いシェアを持っています。
そんなカナディアンソーラーが、最近日本市場に投入した商品が「EP CUBE(イーピーキューブ)」です。
高性能でありながら、国内製品とは一線を画すおしゃれな蓄電池となっています。
保証面も国内メーカーと比べて、とても手厚い印象を受けます。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
15年間で60%を保証 (有償で20年) |
15年保証 (有償で20年) |
10年(加入店のみ) |
延長保証によって業界最長の20年まで保証が可能です。
延長にかかる費用は、見積もりをだす業者に直接確認する必要がありますが、それでも20年の保証は他のメーカーと比べて大きなアドバンテージです。
自然災害補償に関しては、販売工事会社が加入していれば受けることができ、入っていなければ受けられません。
そのため、もしカナディアンのEP CUBEを付けたいと決まっている場合や、是非見積もりが見てみたいという場合は、業者がどのような条件でカナディアンと契約しているか比較することをおすすめします。
カナディアンソーラーの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
HUAWEI(ファーウェイ)の保証
ファーウェイは中国の深センに本社をおく通信機器のメーカーです。
最近ではスマートフォンメーカーとして名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実はファーウェイは住宅用の蓄電池市場に参入しています。
しかし、実はOEMで供給していることが多いため、ファーウェイと知らないまま設置していたなんてこともあるかもしれません。
主なOEM先は、DMM、エクソル、最近ではモバイルバッテリー市場から蓄電池市場に参入するAnkerもファーウェイの蓄電池を取り扱っています。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
10年間で60%を保証 (有償の場合15年で60%を保証) |
10年保証 (有償の場合は15年保証) パワコンのみ最大20年保証 |
記載なし |
注意点は、ファーウェイの場合は不具合があっても新品の商品を送るだけの保証対応のため、交換に必要な工事は自分で負担しないといけません。
他のメーカー保証では、保証対象となる不具合が発生した際、点検費や工事費までメーカーに負担してもらえるので、その点も考慮して商品を選ぶ必要があります。
ファーウェイの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
テスラの保証
テスラは、世界的な自動車メーカーです。
SNSやロケットなど多方面で活躍していますが、蓄電池においては遅れて日本市場に参入してきました。
参入時は大容量、低価格、スタイリッシュなデザインで市場を席巻するかに思われましたが、現在は他のメーカーに押されています。
選ばれづらいポイントとしては、ごく限られた業者でしか工事が行えず、単機能タイプしか日本での取り扱いがなく、補助金も制限されるという点だと思われます。
今後は、海外では販売が開始されているハイブリッドタイプが日本市場に投入されることに期待しましょう。
保証面においては、10年保証ですが、70%保証と国内メーカーよりも高めに設定されています。
容量保証 | 機器保証 | 自然災害補償 |
---|---|---|
10年間で70%を保証 | 10年保証 | 記載なし |
テスラの蓄電池に関する詳しい解説は下記の記事からご確認ください。
蓄電池の保証について3つの注意点
ここまで各蓄電池メーカーの保証について紹介してきましたが、その上でいくつか共通する注意事項があります。
蓄電池の保証について3つの注意点
1.人気のハイブリッドタイプは太陽光発電保証との兼ね合いに注意
太陽光発電の保証年数がまだ残っている方の蓄電池設置が年々増えてきました。
しかし、人気のハイブリッドタイプの蓄電池を設置する時には、太陽光発電の保証が一部外れてしまう可能性があるという点に注意が必要です。
ハイブリッドタイプは、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナーを1台で兼用として使うため、既設の太陽光発電専用のパワーコンディショナーを外して設置することになります。
そうなると、太陽光発電のシステムに蓄電池のシステムが組み合わさることになるので、太陽光発電の保証が下りなくなることがあります。
ほとんどの場合、失効する保証はパワコンに対するもので蓄電池側で新たに保証がつくため影響はありません。
しかし、一部の太陽光発電のメーカーは他メーカーのハイブリッド蓄電池システムを導入すると、パネルの保証が失効してしまうことがあります。
そのため、蓄電池の業者に既存の太陽光発電を見ていただいて提案を出していただくことをおすすめします。
蓄電池の保証について3つの注意点
2.長期保証は正しく申請しないと1年保証になってしまう
今まで紹介したように、蓄電池は容量保証にせよ機器保証にせよ10年から20年の保証が付いてくるのが一般的です。
しかし、実はこれらの長期保証は正しく申請しないと適用されず、瑕疵責任として設けられている1年保証しか適用されません。
一般的に長期保証の申請は、工事会社が現場の写真と書類を送ってマニュアル通り工事したことを証明して初めて受理されます。
しかし、中には正しい工事を行っていないにもかかわらず、申請時には正しい工事をしたと偽って、いざ故障した時に保証がおりないケースがあります。
そのため、工事会社選びはとても重要です。
工事を下請けに出す販売会社は、無茶な売り方で保証がおりない環境でもかまわず工事を指示するケースがとても多いため、しっかり信用できる会社を探しましょう。
蓄電池の保証について3つの注意点
3.自然災害補償は販売工事会社によって年数が異なることがある
自然災害補償も上記で紹介しましたが、実はどの会社から買うかによって、同じ商品でも年数が異なることがあります。
メーカーが用意している自然災害補償は、販売工事店ごとに加入するかどうかを決めるというものなので、加入していることもあれば加入していないこともあります。
その上、メーカーが10年補償と15年補償を別に用意していることもあるので、「この蓄電池は必ず○○年補償がつくから大丈夫」と判断してしまうのは早計です。
同じ商品でも、どの会社から買うかという点も考慮して比較検討しましょう。
ただし、原則として保証に入るには費用が必要なので、補償15年>補償10年>補償なしの順で総額が高くなることは押さえておいてください。
蓄電池の保証についての質問
世の中の工事会社には工事保険に加入していない会社が意外にも多いです。
弊社で工事会社を審査する時にも工事保険に加入していないためお断りするケースも多くあります。
また、ひとことに工事保険といっても、工事の過失に対する補償が対象ではなく、従業員の労災関連のものしか入っていないケースもあるのでご注意ください。
太陽光発電の保証期間中でも蓄電池を入れることはできます。
まず、保証の失効が心配な場合は、太陽光発電と同じメーカーの蓄電池であれば保証が更新されるため失効してしまうことはありません。
違うメーカーの場合は、太陽光発電がシャープ以外であれば単機能タイプなら保証に影響がないことがほとんどです。
人気のハイブリッドタイプを設置したいという方も多いと思います。その場合は、最近はオムロンなどから、最初は単機能として設置して後からハイブリッドに切り替えることができる商品も出ているので検討してみてもいいかもしれません。
シャープの場合は、他のメーカーの蓄電池を設置するにはハードルが高いので、まずはシャープの蓄電池で検討を始めてみることをおすすめします。
ソーラーパートナーズのあんしん完了保証
ソーラーパートナーズは全国の太陽光発電・蓄電池の工事会社を審査し、お客様の希望に合わせて地元でおすすめの会社を紹介しています。
安心して蓄電池を検討してもらえるよう独自の保証として、あんしん完了保証を用意しました。
あんしん完了保証とは「ソーラーパートナーズのパートナー企業と契約した時に工事の完了を保証する」というものです。
弊社の厳しい審査をクリアしたパートナー企業は工事の途中で無くなってしまうことはないという自信から用意した保証なので、安心して工事を任せられる会社を探している方は是非ご利用ください。
蓄電池の保証まとめ
今回は蓄電池の保証や補償の概要、メーカーごとの詳細、注意点など紹介してきました。
蓄電池を検討する時には、つい価格やスペックを重視してしまい、保証は軽視されがちですが、10年から20年かかわる大切な契約です。
同じ商品でも保証年数が違ったり、蓄電池の賢い買い方に大きな影響を与える要素だと思います。
もし、色んな要素を見逃すことなく検討してみたいということであれば、弊社ソーラーパートナーズまでご相談ください。
ソーラーパートナーズで認定している自社施工の工事会社の中で、地元で評判が良い会社を紹介し、複数メーカーで比較できるようお見積りを手配させていただきます。
また、専門のアドバイザーが相談に乗ることもできますのでお気軽にご連絡ください。