蓄電池を廃棄処分やリサイクルするには?方法、費用、注意点など徹底解説!
結論:蓄電池システムを工事会社に取り外してもらった上で、メーカーの廃棄窓口から申し込み。
※自分で取り外したり、一般ごみや粗大ごみとして廃棄するのは絶対NG!
家庭用蓄電池の普及はこれからまだまだ進んでいきますが、同時に懸念されるのが廃棄やリサイクルに関する問題です。
リチウムイオン電池はエネルギー密度が高いため、廃棄処分の方法を間違えると発火などの危険があり、特別管理廃棄物に指定されています。
そのため、家庭だけでなく自治体でも廃棄することができません。
蓄電池を廃棄するためには、工事会社の協力と製造メーカーへの申請が必要になります。
今回は、蓄電池をこれから検討する上で廃棄の方法までしっかり把握したい方、蓄電池を既に設置して廃棄を考えている方へ向けて、具体的な方法や価格についても解説していきます。
蓄電池廃棄の流れ
蓄電池廃棄は【蓄電池の取り外し工事】【製造メーカーへの引き取り依頼】の流れで進めます。
具体的には下記の手順となります。
1,蓄電池を設置した販売会社か工事会社に取り外しの電設工事を依頼する
2,取り外した会社に取り外し費用をお支払いする
3,製造メーカー(もしくは回収業者)に廃棄の依頼をする
4,製造メーカー(もしくは回収業者)に廃棄費用をお支払いする
3の依頼に関しては、販売会社もしくは工事会社が代行してもらえるケースもあるので、電設工事を依頼する会社と相談しましょう。
注意事項は、取り外しの電設工事をしてもらった会社と廃棄をしてくれた会社それぞれにお支払いの必要があるという点です。
それぞれの手順をもう少し詳しく解説します。
蓄電池の取り外し工事
製造メーカーに引き取ってもらう前に、自宅から蓄電池システムを取り外すための工事を依頼する必要があります。
一般的には、蓄電池を設置してもらった販売会社や工事会社に依頼をするのがいいでしょう。
ただし、既に会社が倒産している場合は、地元の工事会社に依頼をしなくてはいけませんが、スムーズに請け負ってくれる会社が見つかることはなかなか無いようです。
また、会社自体が残っていても、工事を下請けに任せる販売会社の場合は、工事を後回しにされるケースもありますので注意が必要です。
製造メーカーへの引き取り依頼
蓄電池システムの取り外しが終わったら、製造メーカーに蓄電池本体を引き取ってもらうため申請をする必要があります。
メーカーへの依頼の方法は、下記の3パターンです。
・専用のWEBページから申請する
・総合窓口から廃棄やリサイクルについて問い合わせる
・販売会社や工事会社経由で依頼する
各メーカーによって問い合わせ方法が異なっています。
メーカーによっては窓口を見つけるのに苦労するため、各メーカーの問い合わせ窓口にまとめています。参考にしてみてください。
蓄電池廃棄に必要な費用
蓄電池廃棄の一連の流れでかかる費用は、
・蓄電池の取り外し工事に10万円~15万円
・製造メーカーの引き取り費用に10万円~15万円
で合計20万円~30万円となります。
蓄電池の取り外しの電設工事は、弊社のネットワークに加盟している複数の工事会社にヒアリングをした結果、一般的な環境であれば10~15万円との回答でした。
蓄電池を設置した時に工事が大変な環境で費用がかかるという話を聞いていなければ、大きく費用が上がることはありません。
製造メーカーの引き取り費用については、一番人気のニチコンの概算費用を参考にさせていただきました。
結果は、容量が小さい4kWhであれば10万円弱、容量が大きい10kWh前後のもので15万円前後です。
ただし、メーカーによって費用が異なる点はもちろん、お住いの地域によっても運搬費等により費用設定が異なりますので、気になる方は事前にメーカーへの問い合わせをおすすめします。
各メーカーの問い合わせ窓口
ニチコン・京セラの問い合わせ
ニチコンの窓口で京セラの蓄電池の廃棄も受け付けています。
WEB上で申し込みをすることができます。各メーカーの窓口を調べる中で一番親切な仕組みになっています。
申し込みの流れは、下記の通りです。
【事前準備】
蓄電池の取り外し
【申し込み手順】
1,フォームに入力
2,決済
3,受付完了
※日程調整のために業者から連絡がきます。
出典:廃棄受付サイト|ニチコン
パナソニックの問い合わせ
パナソニックで用意されているのは、リサイクルの窓口です。
下記の手順で申し込みをすることができます。
【事前準備】
蓄電池の取り外し
【申し込み手順】
1,対象型番か確認して蓄電池システム用受付窓口へ電話
2,パナソニックから送られてくる契約書を記載の上返送する
3,運送業者と調整した日程に引き取ってもらう
出典:蓄電システム用リチウムイオン電池のリサイクル|Panasonic
長州産業
長州産業は廃棄専用のページなどはありません。
ホームページやマニュアルを確認すると、販売店や工事会社、もしくは長州産業に問い合わせをすると対応していただけるようです。
まずは、長州産業の問い合わせページから手順を確認してみることをおすすめします。
オムロンの問い合わせ
オムロンには廃棄専用ページが用意されていますが、検索すると別商品の廃棄の案内が出てくるため、なかなかたどり着きづらいかもしれません。
また、廃棄サイトにアクセスするためにログインIDとパスワードが設定されているため、下記の手順を参考にしてみてください。
【申し込みの手順】
1,下記の出典から廃棄サイトのURLとID、パスワードを確認
2,ログインしたら仮申請
3,回収可否の確認後に本申請
4,入金して申し込み完了
※蓄電池システムの事前取り外しについての案内はありませんが、仮申請の質問項目では確認があるため、基本的に取り外しは必要だと思われます。
出典:使用済み蓄電池の廃棄に関するご案内|オムロンソーシアルソリューションズ株式会社
シャープの問い合わせ
シャープは蓄電池の廃棄専用サイトは用意されていないようです。
廃棄をしたい場合は、販売店や工事会社、もしくはシャープのお客様相談窓口から問い合わせるよう、カタログ上で案内されています。
まずは、シャープに問い合わせをした上で、手順を確認することをおすすめします。
蓄電池廃棄の注意事項
冒頭でも触れましたが、蓄電池は一般廃棄ができない商品です。
資格を持たない人間が取り外しや廃棄を行うと、罰則があるだけでなく火災や爆発のリスクがあります。
取り外しや付け替えなどを検討している方は、必ず専門家の指示を仰いでください。
そのためにも、これから設置する方々は設置した業者が無くなったりしないよう、適正金額で提案を出す経営が安定した業者から購入するよう気を付けてください。
まとめ
ここまで蓄電池の廃棄やリサイクルについて解説しました。
この記事では紹介できなかったメーカーも、基本的にメーカーに問い合わせをすればまず問題はありません。
既に設置していて廃棄を意識し始めた方だけでなく、これから蓄電池を設置する上で廃棄に不安がある方にとっても、この記事が参考になれば幸いです。
最後に、もし廃棄の手順を確立されていて廃棄の手間がない業者で設置をしたいという方がいれば、弊社でお力になれるかもしれません。
ソーラーパートナーズは、全国に展開する工事会社ネットワークの本部です。
事前に廃棄について考慮した上でお見積りを取りたいという希望があれば、希望に添うよう工事会社を手配させていただきます。