【卒FIT】固定価格買取終了後はどうすべき?後悔しない選択肢をまとめて紹介!
結論:固定価格買取終了後の選択肢は、おおまかに「売電を続ける」か「自家消費比率を高める」の2つに分けられます。
それぞれの詳しい方法は下記で紹介しますので参考にしてください。
自宅に太陽光発電を設置している方のほとんどが、あまった電気を電力会社に売電しているのではないでしょうか。
固定価格買取制度(FIT)では、太陽光発電を設置してから10年後までの売電単価を保証してくれます。
しかし、その10年が経過して卒FITとなった人が、2019年以降現れました。
初めて卒FITが現れた2019年当時は、「売電期間が終わってしまったからどうしよう」という相談をよくいただきました。
当時と比べて、今は卒FITの選択肢が多く用意されています。
今回は「売電期間が終了してしまったらどうすべき?」のテーマで選択肢をご紹介したいと思います。
卒FITになるとどうなるのか?
卒FITになると売電単価が大きく下がります。
特に手続きをすることなく、下がった売電単価が自動的に適用されます。
固定価格買取期間中の方の売電単価は、太陽光発電を設置した年度に応じて下記の単価で売電をしています。
現在は2014年度以前に太陽光発電を設置した方が卒FITとなります。
太陽光設置年度 | 現在の売電単価 |
---|---|
2015年度 | 33円/kWh |
2016年度 | 31円/kWh |
2017年度 | 28円/kWh |
2018年度 | 26円/kWh |
2019年度 | 24円/kWh |
2020年度 | 21円/kWh |
2021年度 | 19円/kWh |
2022年度 | 17円/kWh |
2023年度・2024年度 | 16円/kWh |
2025年度 | 15円/kWh |
そして、卒FITを迎えた方の売電単価は、何もしなければエリアごとに下記まで下がります。
電力会社 | 卒FITの売電単価 |
---|---|
北海道電力 | 8円/kWh |
東北電力 | 9円/kWh |
東京電力 | 8.5円/kWh |
中部電力 | 7円/kWh |
北陸電力 | 8円/kWh |
関西電力 | 8円/kWh |
中国電力 | 7.15円/kWh |
四国電力 | 7円/kWh |
九州電力 | 7円/kWh |
沖縄電力 | 7.7円/kWh |
FIT制度の買取期間満了後の当社買取価格等について|北海道電力
ツナガルでんき|東北電力
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT)による買取期間満了後の余剰電力買取りについて|東京電力
これからデンキ|中部電力
固定価格買取制度に基づく買取期間満了後の買取について|北陸電力
買取期間が終了する太陽光発電からの余剰電力買取について|関西電力
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」による買取期間満了後の再生可能エネルギー電気の買取価格等について|中国電力
余剰電力の買取期間が満了したお客様に朗報!|四国電力
FIT制度の買取期間が満了する太陽光発電の買取プランを決定しました|九州電力
固定価格買取制度終了後の取り扱いについて|沖縄電力
ご覧の通り、固定価格買取期間が終了した後は7円~9円/kWhで売電をすることになります。
例えば、太陽光発電を2015年に設置した方はこれから卒FITとなりますが、33円/kWhから約8円程度まで75%近く下がります。
このように、卒FIT後にそのまま放置してしまうともったいないため、卒FITに対して積極的に対策をする人が毎年増えています。
卒FITの対策は大きく分けて2つ
卒FITへの対策は大きく分けて「新しい売電先を探す」と「自家消費比率を高める」に分けられます。
おすすめは「自家消費比率を高める」方法です。
「新しい売電先を探す」方法はあくまで消極策で、固定価格買取制度のように高い売電単価で売電が継続できるわけではないため、どうしても「自家消費比率を高める」選択肢がとれない場合の策です。
もちろん、両方選択することもできますが、自宅での自家消費比率を100%近くまで対策できている方は、新しい売電先を探す必要もありません。
では、それぞれどのようにあまった電気を活用することができるのか紹介します。
選択肢1.
売電先を変更する
卒FITになると売電先を自由に変更することができます。
2016年に電力自由化してから電気を買う際、東京電力、中部電力、関西電力といった大手電力会社以外の選択肢ができました。
売電に関しても同様に、新電力会社を選ぶことができます。
売電先を比較するときに、売電単価だけで比較することは注意が必要です。
売電単価が高い場合は、「その会社から電気を買わなくてはいけない」「その会社で蓄電池などを購入しなくてはいけない」などの条件が付く場合があるため、考慮して比較する必要があります。
いくつか例を紹介しますが、単価を毎年更新するところも多いため契約後も継続的に売電先を見直す機会を作るのが良いかもしれません。
【ENEOS Power株式会社】
北海道、東北、東京:11円
中部、北陸、関西、中国、四国:10円
九州:7.5円
沖縄:対象外
特に条件がなく、売電先として安心感があります。
【丸紅新電力株式会社】
北海道、東北、東京:11円
中部、北陸、関西、中国、四国:10円
九州:9円
沖縄:9.5円
sharpの蓄電池を設置すると、上記単価にプラス4円で売電するプランもあり。
出典:丸紅新電力
選択肢2.
エコキュートを活用する
エコキュートをあえて昼間に湯沸かしさせることで、あまった電気を家でお得に消費させることもできます。
元々エコキュートを導入している方は、夜間にお湯を沸かすという性質上、オール電化向け(昼間が高く、夜間が安い)の電気料金プランに加入している方がほとんどだと思います。
オール電化用プランの例として、東京電力のスマートライフプランを見てみましょう。
東京電力 スマートライフプラン | |
---|---|
時間帯 | 買電単価 |
午前1時~午前6時 | 27.86円 |
午前6時~午前1時 | 35.76円 |
卒FITの場合、そのまま売電すると1kWhが約8円の価値になってしまうため、電力会社から買う電気(27.86円/kWh)の量を減らすために家で使うと有効活用ができます。
加えて、昼間にお湯を沸かす方が夜間にお湯を沸かすよりもすぐに沸かせられて効率的なので、多くのエコキュートが昼間シフトへの変更が可能になっています。
2022年以降は、おひさまエコキュートという太陽光発電と組み合わせることに特化したエコキュートも登場しています。
ただし、従来のエコキュートは何時間かけてお湯を沸かすのか調整をすることが難しいため、太陽光発電の時間あたりの発電量次第では、電力会社から昼間の割高な電気を買う必要があるため注意が必要です。
選択肢3.
蓄電池で家全体をアップデートする
現在の卒FIT対策として一番有効な選択肢は蓄電池の導入です。
蓄電池にあまった電気をためておけば、自由な時間に使うことができるだけでなく、モード設定とAIによって毎日天気によって充放電の割合を決めてくれるため、意識することなくあまった電気を一番お得に使える点が優秀です。
元々は災害時の停電対策という側面が強い商品でしたが、近年の電気代高騰によって、太陽光発電のあまった電気の自家消費に注目が集まるようになりました。
価格はまだ高いものの、国や自治体が導入促進のために補助金を用意してくれているため、検討しやすくなりました。
最新の蓄電池の容量帯別の価格は下記の通りです。
容量帯 | 蓄電容量 | 相場価格 |
---|---|---|
3kWh~5kWh | 4.06kWh | 133.5万円 |
5kWh~9kWh | 7.05kWh | 160.5万円 |
9kWh~13kWh | 10.1kWh | 191.5万円 |
13kWh~ | 15.2kWh | 235.4万円 |
まとめ
それぞれの選択肢を確認してみて、いかがだったでしょうか?
各選択肢は一長一短あるため、比較しながら考えてみるのが良いと思います。
国でも卒FITを迎える方向けに「どうする?ソーラー」というページを用意しているため、参考にしてみるのもいいかもしれません。
もし蓄電池にご興味を持って下さった方がいれば、弊社では地域の蓄電池業者をご紹介しています。
ご紹介前後に必ずアドバイザーが相談に乗り、疑問を解決しながら検討することができますので、是非ご利用ください。