有機太陽電池 無機化合物に頼らない太陽光発電
「有機」「無機」ってなんだろう?
有機太陽電池の「有機」とは有機化合物を表します。普通、半導体というものは無機化合物によって作られることが多いのですが、有機太陽電池は新たな技術として大変注目されています。(元々の有機・無機という言葉が誕生した背景といたしましては、有機=「生物の体内の反応で作られる物質」、無機=「鉱物などから得られる物質」区別でしたが、現在では有機化合物=「炭素を含む化合物(例外もあります)で、燃やすと二酸化炭素と水が発生するもの」、無機化合物=「有機化合物以外の化合物」という分類が一般的です。有機栽培は有機物による肥料を使用するという農業ということがその名の由来です(化学肥料は無機化合物)。
有機化合物による半導体
有機太陽電池の様に、有機化合物を半導体に利用している技術といたしましては、有機ELがあります。液晶ディスプレイに使用される蛍光物質ですね。ニュースなどで、下敷きのように曲げることが出来るペラペラのディスプレイを目にしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
有機太陽電池も同様に、薄い太陽電池を作ることが可能です。これによって様々な条件で太陽電池の設置が可能になり、太陽光発電の普及が急速に進展することに期待が寄せられます。
現状の耐久性としては「室温1,000時間使用しても劣化しない」という報告があるのですが、まだまだ長期間の耐久性には改良が必要です。やはり、原料の検討や製造方法の改良が必要です。
有機太陽電池のメリット
- 非常に薄く作製できるので、非常にフレキシブルな製品に使用が期待される
- 有機ELの開発によるノウハウで急速に開発が進む可能性も?
有機太陽電池のデメリット
- 変換効率の向上が課題である
- 耐久性の向上が課題である
カテゴリ
単結晶シリコン 多結晶シリコン アモルファスシリコン HIT太陽電池 CIS/CIGS太陽電池 CdTe太陽電池 有機系太陽電池 色素増感太陽電池