HIT太陽電池 アモルファスと結晶シリコン太陽光発電のハイブリッド
HIT太陽電池が開発されるまで
HIT太陽電池は三洋電機(現在はパナソニックと吸収合併)が開発した製品です。様々な特長を持ち、変換効率に優れた製品です。
三洋電機の太陽光発電開発は1970年代に開始されました。国家プロジェクトである「サンシャイン計画」の時代です。当初は薄膜系太陽電池の研究開発を行っていましたが、1990年代を境に単結晶・多結晶シリコン太陽電池の開発、そしてHIT太陽電池の開発、とシフトしていった背景があります。
結晶系とアモルファスのハイブリッド
HIT太陽電池はアモルファス薄膜と結晶系の技術の良いとこ取りです。P型もしくはn型の単結晶シリコンをアモルファス薄膜で挟み込んだ形状をしており、これにより、HIT太陽電池は電子の損失が少なくなり、よりたくさんの電力を太陽光発電によって得る事ができるのです。現在も様々な改良が加えられ、高効率なHIT太陽電池の開発がすすめられています。
高温でも変換効率の高いHIT太陽光発電
HITを始めとする太陽光発電は、太陽光エネルギーを受けて発電するものですから、当然パネルは高温になります。高温下では太陽光発電の変換効率が減少してしまうため、高温でもきちんと発電するパネルという物が求められてきました。夏はもちろん冬も十分高温になりますので、高温下でエネルギー変換ロスが少ない事は重要な事です。HIT太陽光発電は、そのような問題の一つの解決策と言えます。
太陽光を受けたHIT太陽光発電モジュールは、日中で70℃近くまで温度が上昇します。そのような環境下でも、HIT太陽光発電は結晶系と比べて10%近く多く発電する事が確認されています。
まだまだ改良の余地が残されている事も魅力
このほかにもHIT太陽光発電は、薄型にする事が可能である事があります。また、表裏両面から太陽光を吸収する事が出来るという特性もあります。
現在はパナソニックのみが製造を行っており、パナソニック・長州産業(パナソニックからのOEM)がHIT太陽電池を販売しています。
HIT太陽電池のメリット
- そもそもの変換効率が高い
- モジュールの温度が高温になっても変換効率が下がらない
- 薄くする事が出来るので、原料の節約が期待される
HIT太陽電池のデメリット
- 現状はまだコストが高い
対象商品(太陽光発電モジュール)
パナソニック(HIT)
- 240W VBHN240SJ01
- 233W VBHN233SJ01
- 120W VBHN120SJ06
- 116W VBHN116SJ06
長州産業(HIT)
- 233W CS-N233SJ01
- 230W CS-N230SJ13
- 190W CS-190NK5
カテゴリ
単結晶シリコン 多結晶シリコン アモルファスシリコン HIT太陽電池 CIS/CIGS太陽電池 CdTe太陽電池 有機系太陽電池 色素増感太陽電池