オール電化で電気代が高くなる?オール電化とガスの比較と電気代を安くする方法
オール電化の定義
オール電化とは、住宅の冷暖房、給湯、調理などにガスや石油を一切使わず、すべて電気で賄う住宅設備のことを言います。従来は灯油やガスを使った設備が一般的でしたが、近年では電気のみで運用できる高効率な機器が増えたことで、オール電化への移行が進んでいます。
具体的には、エアコンと電気ヒーターで冷暖房を、エコキュートや電気温水器で給湯を、IHクッキングヒーターで調理をするといった設備構成になります。
カテゴリ | ガス住宅で使用される家電 | オール電化住宅で使用される家電 |
---|---|---|
調理器具 | ガスコンロ、ガスオーブン | IHクッキングヒーター、電気ケトル、電気オーブン |
給湯器 | ガス給湯器 | エコキュート(電気給湯器) |
暖房 | ガスヒーター、ガスファンヒーター | 電気ストーブ、エアコン |
オール電化のメリット
オール電化で電気代を節約
オール電化にすることで、ガス代が不要となり、光熱費を電気代に一本化することが可能です。昨今の電力会社の電力プランではオフピーク時間(夜間など)の割引があり、それらを活用することで光熱費を削減することができます。また近年は住宅用太陽光パネルによって電気を自家発電することで、大幅に電気代を節約することができるようになりました。例えば日中に在宅していたり、ペットのために冷暖房を使用しているような家庭では太陽光発電とオール電化の組合せで価格的なメリットを得られます。
オール電化で家庭の安全性を向上
ガスを使わなくなることで、ガス漏れにや火災のリスクを減らすことが可能です。家庭における不慮の事故の要因として、これらは全体の7%を占めています。
出典:生命保険文化センター
特に小さなお子さんのいるような家庭では、出来る限り火元がないように気を付けたいと考える方も多いのではないでしょうか。
オール電化で家電の使い勝手を向上
電気を使うことで、調理器具や暖房機器などが一貫して使いやすく、操作も簡単になります。例えば、IHクッキングヒーターはガスコンロと比較して火力の調整が正確で、掃除もふき取るだけで非常に簡単です。ガス製品はメモリの細かな調整が必要となることが多いですが、電気製品はタッチパネルによる直感的な操作が可能であり、子供や高齢者でも正確に扱えます
オール電化のデメリット
一方で、オール電化は電気代がかさむリスクがあります。電気は基本料金が高く、使用量が増えると急激にコストが上がる傾向があります。寒冷地で電気ヒーターを多用する場合は、特に光熱費の負担が大きくなります。また、停電時にはバックアップ電源が必要になるデメリットもあります。さらに電化製品は価格が高めなので、設備導入コストが馬鹿になりません。
例えばエコキュートは30万円から50万円ほど、IHクッキングヒーターは15万円ほどが相場価格です。
オール電化を検討する際の注意点
オール電化のメリット・デメリットを踏まえると、導入を検討する際は以下の点に留意する必要があります。
- ご家庭の電気使用量と地域の電気料金を確認し、現状より電気代が上がらないかシミュレーションする
- 寒冷地では暖房費がかさむ可能性が高いので、高効率な電気ヒーターを選ぶ
- 太陽光発電の設置など、電力を賄う工夫を検討する
- 停電対策として、蓄電池やポータブル電源の導入を検討する
省エネで環境にも優しいオール電化ですが、ランニングコストや設備コストなど、費用面での検討が欠かせません。メリット・デメリットを総合的に勘案し、賢く導入するための準備が重要です。
オール電化の電気代は実は高い?
一般的に「オール電化は電気代がかさむ」と言われがちですが、実際にはどうなのでしょうか。これまでに支払っていた電気とガスの基本料金を一本化できるので、表面上はお得に見えます。
関西電力の調査によると、一人暮らしの家庭ではガスに分がありますが、二人以上の家庭ではオール電化の住宅の方が1,000円~1,900円程安くなるというデータがあります。
出典:関西電力
世帯の電気の使い方や電力プランによって差はありますが、オール電化だから一概に高いとは言い切れないでしょう。
電力自由化で電気代が変わる?
さらに近年の電力自由化により、従来の地域独占から電力会社を自由に選択できるようになったため、電気代のコストダウンが期待できます。複数の電力会社から比較検討し、よりお得な電力プランを選べば、一層電気代を抑えられます。オール電化の場合は特に電気の使用量が多くなるため、自由化のメリットを最大限に活用することが重要です。
オール電化で確実に電気代を安くする賢い選び方
省エネ家電の選び方
オール電化で光熱費を抑えるには、とにかく高効率な省エネ家電を選ぶことが重要です。エアコンやヒーターなど大がかりな電化製品ほど、省エネ性能に大きな差があります。消費電力量やエネルギー消費効率を確認し、できる限りトップランナー基準に適合した高効率製品を選びましょう。初期費用は高くなりますが、ランニングコストを大幅に下げられます。
オール電化住宅で太陽光発電を活用
太陽光発電を設置すれば、電力の一部を賄えるため、さらに電気代が安くなります。オール電化で家庭の電力消費量が増えるため、太陽光発電のメリットが一層大きくなります。自家消費で電力を賄えれば、電力会社からの電力購入を大幅に減らせ、かつ再生可能エネルギーの活用で環境にも配慮できます。初期投資費用への懸念がありますが、2024年時点で多くの補助金が出ており、初期費用の多くを補助金で賄えるケースもあります。
オール電化に関する補助金制度
オール電化を実現する際の設備導入にかかる初期費用を抑えるため、国や自治体が補助金制度を設けています。住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)化などを目的とした支援で、高効率給湯器やエアコン、IHクッキングヒーター、太陽光発電設備などが対象です。補助金額は自治体により異なりますが、最大で数十万円の補助を受けられる場合もあります。
オール電化を検討する際の注意点
冷暖房と給湯の使用パターン
オール電化では、冷暖房や給湯がすべて電気製品で賄われるため、光熱費の大半はこれらの使用量に左右されます。ご家族の使用状況を把握し、必要以上に過剰な電力消費にならないよう注意が必要です。定期的な節電意識を持つとともに、省エネ家電選びが重要になります。
ランニングコストの試算
実際にオール電化にすると電気代がどの程度かかるのか、現在の光熱費と比較しシミュレーションすることが賢明です。使用するエアコンやヒーターの能力や運転時間、給湯量、電気料金プランなどをもとに、年間のランニングコストを試算しましょう。従来の光熱費より割高になる見込みの場合は、太陽光発電の検討や、節電対策が必須になります。
太陽光発電の導入でオール電化の電気代は半分以下に
太陽光発電を住宅に導入すれば、自家発電した電力を家庭で消費することで、電力会社から購入する電力量を大きく減らせます。太陽光発電といえば売電による収入が注目されがちですが、エネルギー価格が高騰している現在では自家消費によるメリットがそれを上回っています。
エネルギー価格の高騰によって月当たり数千円も電気代が上がっていますが、そもそも電気を購入しなくてよくなるので、月当たりに数万円単位で節約できるケースもあるほどです。
初期投資としての設置費用は百万円程度とかさみますが、オール電化で電気代を月間で数万円使うようなご家庭であれば、大幅な節約に繋がり、中長期的にはコストを回収できるでしょう。
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